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2002年中国地区選手権・考察 ~サイドボードに見るメタゲーム~

2003/07/18 22:31更新

2002年中国地区選手権・考察 ~サイドボードに見るメタゲーム~

Written by yossy

計 6 名、延べ 20 枚。

中国地区選手権の上位 8 名のうち、サイドボードに《たい肥/Compost》を入れていたプレイヤーの数とその総枚数である。 この、誤解を恐れずに言うなら、「異常な」枚数のサイドボードから、今回のメタゲームを考察してみようと思う。

《たい肥》というカードは、黒に対したとき、カードアドヴァンテージという概念を簡単に無意味なものに変えてしまう。 黒いスペルを唱えることはほぼ全てディスアドヴァンテージとなり、黒使いに跳ね返ってくる。黒単、黒赤といったエンチャントを破壊できない色なら後に残るのは絶望だけだろうし、黒緑、黒白のような破壊可能な色でも、すぐに対処できないとなかなかその差を埋めることは出来ないだろう。

ましてや、ステロイドのような本来カードアドヴァンテージを取ることが出来ないはずのデッキにこれが入ると、押し寄せる火力の波に飲まれるだけとなってしまう。 そんなカードがこれほどまでに多く見られるということは、この中国地区選手権のフィールドが多分に「黒かった」ことを表していると思われる。 実際、体感的なものではあるが、会場での黒いデッキとの遭遇率及び目撃率は高かった。

一方、その「黒いデッキ」のサイドボードに目を移してみると、《殺戮/Slay》が目に付く。こちらは、4 名が延べ 15 枚を投入している。 これまた言わずと知れた緑対策であり、アドヴァンテージを取ることの出来る除去である。

ただ、《たい肥》と違いそのアドヴァンテージは短期的なものであることと、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》《秘教の処罰者/Mystic Enforcer》に効かず、《獣群の呼び声/Call of the Herd》や(ベスト 8 には見られないが)《獣の襲撃/Beast Attack》とはカードカウント的にイーブンであることを考えると、万能のサイドボードとは言えないところが難点である。

万能ではないが、やはり強力だったからこそサイドに多くあるのか、はたまた緑が無視できないメタの主力の一角であるから仕方なく選択されているのか、難しいところではあるが、これすらも現環境での緑の優位性を証明する事項になるのだろう。

以上、緑の黒対策、黒の緑対策を見てきたが、他のアーキタイプについても考えなければならない。

枚数で 3 番目に多かった《強迫/Duress》を見てみよう。サイドで見れば 3 名が延べ 8 枚を使用、ということになるが、2 名がメインに 4 枚ずつ入れていること、《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》《頭の混乱/Addle》などもこのカテゴリに含めることが出来ることを考えると、実際はもっと多い。

これらのカードは、相手の手札を確認するとともに一番厄介なカードを捨てさせる(または一時的にゲームから取り除かせる)ものであり、一般に対抗手段の少ない青対策である。 普通にメインに入っていても良い(実際入っているレシピもある)カードだが、それがサイドに見られる理由もまた、赤緑(+α)ステロイドに求めることが出来る。

もともと赤緑というデッキは手札を片っ端から使う傾向にあり、有効牌が手札に残っていることは少ない。また、除去の多いデッキに《催眠の悪鬼》は意味があまりないし、それに加え、現在のステロイドは《癇しゃく/Fiery Temper》《激発/Violent Eruption》という2つのマッドネス火力を重視する傾向にあり、これらの呪文を捨てさせることになった場合かえって「やぶへび」になってしまう。

そのような理由が《強迫》の定位置を変更させる要因になっているのは間違いない。

その他のカードについてはまちまちで、各プレイヤーの個性が見られるところであるが、特筆すべきは《反論/Gainsay》(2 名延べ 5 枚)をはじめとする「青の青対策」の少なさである。

《チェイナーの布告/Chainer's Edict》の出現に端を発する「サイカトグ」デッキの凋落は最近よく語られるところではあるが、それが具体的な数値となっても現れている。また、「サイカトグ」が変質したと言っても良いだろう。マスターズ・サンディエゴで猛威を振るったようなフルカウンタータイプから、より黒寄り、もしくは緑や赤といった第3色を使用したコントロールデッキへと、「サイカトグ」は変わりつつあるのだ。

以上の考察から導き出される結論としては、「数では黒系デッキが多かったが、赤緑(+α)ステロイドが優位だった」となる。この傾向は今後さらに強くなると考えられる。現在第1勢力を争っている黒系コントロールとステロイドだが、サイド後で明らかに後者が優位に立てるからだ。黒系デッキはサイドからの《たい肥》対策をしなければならないのに対し、緑系は特に動きを変える必要がないところからも明らかだろう。

大胆な予想を立てるなら、関東地区選手権でも見られたように、ステロイドがより火力偏重になり、《たい肥》との組み合わせで黒系デッキが駆逐されれば、古典的な白青《石臼/Millstone》コントロールの復権もあり得る、と言える。 今後も地区選手権は続いていく。今後、メタゲームはどう動くのだろう。

この駄文がこれから地区選手権に参加される皆様の一助になれば幸いです。

また、私の Web サイト "yossy's room" にて、中国地区選手権の簡単なトーナメント・リポートとデッキ解説を公開しております。宜しければそちらの方もご覧下さい。 URL は http://may4.virtualave.net/ です。

文責:yossy (2002年中国地区選手権 6 位)

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