Peak Magic MtG戦略記事・カジュアル・トーナメントレポート・マジック記事投稿サイト
マジック・ザ・ギャザリング MtG の戦略記事・カジュアル記事・トーナメントレポートなどマジックをネタに投稿して賞金をゲットしよう!
デッキメイクを考える〜昇華型と対策型〜
日本選手権予選が各地で開催されるにあたって、情報量もそれに伴って急増している毎日です。 それこそ「毎日メタが変わっている」と言っても過言ではないほどに情報が交錯し、デッキ調整が進められている事と思います。 そう。「街のデュエルルームから飛び出した小さな発見」すらも見逃せない。まさにそんな風雲急を告げる状況であると考えられます。
さて、混沌としていたメタゲームが一通り明らかになり、それを元にデッキを改良・再構築するプレイヤーの方も多いと思います。 そこで「手にある情報を元にデッキ構築を進める際に取れる行動パターン」として、大きく分けて次の 2 つのようになると考えました。
- 勝ち上がったデッキから「今、この瞬間のメタにあったもの」を選択し、同様にレシピ・サイドボードを改良する「昇華型」
- 勝ち上がったデッキに対して徹底的に研究・対策を講じ、それらに対して完全な包囲を固める「対策型」
こんな感じです。
もちろん、個々においてメリット・デメリットは存在しますのでどちらが正しいという事はありません。 そして、私は去年・一昨年の日本選手権予選を「昇華」「対策」を一度づつ活用する事によって本選出場を果たす事が出来ました。
そのあたりを実例を交えて解説していきたいと思います。
「昇華型」
まずは「昇華型」です。
ここまでの説明だけだと「……コピーじゃん」で終わってしまいますが、そんな事はありません。 まず始めにこれだけは認識しておいて頂きたいのですが、「デッキ構築に終わりは無い」「デッキに完成形は無い」という点です。
当たり前といえば当たり前ですが。
例え世界を制したデッキであったとしても反省すべき点、メタに合っていなかった点が出てくるもので、本人にしてみれば反省しきりなカード選択も周囲の絶賛にかき消されてしまう…。そして、こればかりは本人が明かさない限りは「受け手」側がジャッジするしかないという点です。
そして、メタゲームは常に動いていて「勝った」デッキは過去のものとなり「勝つ」デッキを求めて、プレイヤーは奔走するわけです。
そしてここからは受け手側の思考ですが、 「公開されたレシピを鵜呑みにして全てが正しいと受け入れてしまう」か「1 枚 1枚 のカードを検証して自らの解答を導き出せる」かでプレイヤーとしての能力は大きく違っていくという事です。 「勝った」デッキを「勝つ」デッキにする事。これが「昇華」の最大のポイントであると考えられます。
では具体的にはどのような方法があるのでしょうか。
様々な方法がありますが、まずはマナカーブ・マナバランスから確認するプレイヤーが多いようです。 実際、「昇華型」の場合に一番いじるのは「マナ」そして「サイドボード」になる事が多いのではないかと思います。 理由として構成部分のデッキバランスを崩したくない事と、「サイドボードが一番プレイヤーの個性が出る」部分であると思うからです。
「昇華型のメリット」は何といっても実績に裏打ちされたデッキパワーの高さです。
事故以外には負けない。自身が描いたメタゲームの中でラウンドを進める事が出来れば、かなり理想に近い成績を残せる可能性が高いという点です。
そして、「昇華型のデメリット」はデッキ内容を知られている事です。
いかにレシピを料理したとはいえ、雛形が存在する以上はデッキ構成の大半と展開手段は相手の手に握られている訳です。 これは「昇華」させたプレイヤーがどれだけ自分のデッキを熟知しているかも問われます。プレイヤーとしての技術が問われる瞬間でもあります。 ただ漠然とコピーしただけではこれに打ち勝つ事は難しいでしょう。各カードの機能、展開を理解して自分のデッキにすることが解決策だと思います。
さらに「同系」と遭遇する可能性が高い事です。
知名度が高いデッキになればなるほど「同系」と戦う頻度は上がります。構成が似通っているわけですから「引き勝負」になってしまう危険性が高いという事になる訳で、 これはデメリットとは少し違いますが「同系対策をしっかりしている」事が「昇華」デッキを使用するプレイヤーにとって明暗を分ける点である事は確かです。
ちなみに私が「昇華型」を使ったのは一昨年の関東予選で、当時「補充」「青茶単」「ストンピィ」などが主流な中で「対策」デッキとして出てきた「トリニティ(緑コントロール)」。 このレシピを「昇華」させて《煙突/Smokestack》《髑髏カタパルト/Skull Catapult》等を組み込んで、同系対策・「トリニティ」で出場しました。 戦績は 9-2-1 だったのですが 2 敗がデメリット通り、カウンターすべきカードを読まれ、展開を読まれたプレイングで先を行かれた事、でした。
「1 敗は覚悟」が必要ですが、「選手権予選ではそれで充分」と考えられる方は「昇華型」が向いているのかも知れません。
対策型
次は「対策型」です。
「昇華」の項でちょこっと書きましたが、派生しているメタゲームに対して明らか な解答になる(可能性がある)デッキ構築論。 これが「対策型」です。
まず、勝ち上がったデッキレシピを検証します。そしてメタゲームの流れを読み全く違ったデッキを構築ないし選択して、「勝ち上がったデッキ」に対して強烈な「アンチ」と化すレシピを作り上げるという方法です。 先ほどの「トリニティ」が好例です。「補充」に対する明確な回答として、緑は「速攻」という要素を諦めて全く新しい「コントロール」という形に変化して「対策」した訳です。
と、言っても俗に言う「地雷」とは少し違います。 「地雷」デッキがメタゲームの外側で戦う事を主眼に据えたデッキならば、「対策型」はあえてメタゲームの中で勝負して的確に標的を倒していくデッキという大きな相違点があります。
しかし「地雷と対策」を同時に展開して 00 年ファイナルズで猛威を振るった「レッドリセットコントロール(ターボジョークル)」のようなデッキもあり、紙一重である事も確かです。 このあたりの位置付けは個々のセンスだったりもします。
多数ある「標的」に対して決定的な「対策」になるカードを発見してデッキを構築する。 理想を言えばこうなります。
仮に、今の環境を「ステロイド」「サイカトグ」「8 マン」「アグロ黒系」が主流であるとしてみましょう。 もちろん対策すべきデッキはもっとたくさんあるのですが、この 4 つに対して有効なカード、有効なデッキは何か。
共通の解答はすぐには出ないと思います。 それは、デッキタイプだけで考えても解答は出ないからです。その根底にある共通項を見出せるかが「対策型」の最大のポイントです。
しかし「この時点」での解答は出されていました。
関東予選で出された「解答」。それは「火力」でした。
主流となっているデッキに見つけられる共通項。前回の記事と少しかぶりますが、「メインでのエンチャント対策の不在」「クリーチャー打撃以外のダメージに対するメインでの対策の不在」 それに目を付けた「対策型」であるという事です。 自身は「ステロイド(似)」という形でメタの中で勝負し、明確に標的を駆逐したというこの上ない実例でしょう。
では「対策型」のメリットとは何なのでしょうか。
最大のメリットは「対策されていない事」です。 「メタ外」なカードを持ち込み、それが劇的に作用するわけですからその効果は計り知れません。 特に「青」いデッキは、一つ構想の歯車が狂うとそこから崩れる可能性もあります。これは大きな利点です。
反対にデメリットは、 「メタを読み違えた時は目も当てられない」状態に陥る事です。 「対策」したデッキを持ち込む訳ですから、「対象」が会場に居ない事にはどうにもなりません。 「ステロイド」メタで来たのに蓋を開けてみたら「トリコロール」「ソリューション」だらけだった。とか(IBC の時によくありました(w))。
もちろん、デフォルトで想定外のデッキにも勝てるデッキパワーが必要なのは言うまでもありません。 に、しても三振かホームランという宿命は常に付きまとっている訳です。
さて、私が去年の甲信越予選で使った「対策型」。
当時のメタは「ファイヤーズ」「青白コントロール」「カウンターレベル」中心で、多色化が進み「ファイヤーズ」は黒や白を散らした 3 色に。「青白」は《冥界のスピリット/Nether Spirit》の為に黒が足されていて、基本地形が極端に少ない」状況に目を付けました。 それで作り上げたのが《シヴの収穫/Shivan Harvest》《冥界のスピリット》エンジンのコンボを加えた「赤黒ポンザ(ネザーボイドポンザ)」でした。
甲信越以前の予選で「ポンザ」がトップ通過していた事もあり「メタの中での勝負」となった訳ですが、キーカードのコストが安くメタ外なのは《隕石の嵐/Meteor Storm》と同じで
「通れば勝ち」
という状況をうまく作り出せました。 キーカードのコストの安さというのは「対策型」の 1 つ大きなポイントだと思います。
一見何の共通項も見られない世界から同一の弱点を発見して、メタの隙を突く。 これが「対策型」の醍醐味ではないでしょうか。
メタゲームの読み、カードプールの広さに自信のある方は「対策型」が向いているかも知れません。
今回も大変な長文になってしまいましたが、最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。
さて今回の内容ですが、賛否両論あると思います。 もちろんこの型に当て嵌らない「地雷」の方も多くいらっしゃる訳で。一つの一般論として読み物という位置付けで楽しんで頂ければ幸いと存じます。
これからも加速度的に情報は行き来する事と思います。 私もしっかりアンテナを張って出場権を目指したいと思います。
本稿の御意見・御感想など御座いましたら cloud417@rapid.ocn.ne.jp までお願い致します。 本当に、何でも結構です。メタ話でもデッキ話でも持論でも。お待ちしております。
