Peak Magic MtG戦略記事・カジュアル・トーナメントレポート・マジック記事投稿サイト

Peak Magic - Magic: The Gathering Japanese Column Data Base マジック・ザ・ギャザリング MtG の戦略記事・カジュアル記事・トーナメントレポートなどマジックをネタに投稿して賞金をゲットしよう



90日間の冬 1 ~実践・実験・実戦~

2003/06/15 16:27更新

90日間の冬 1 ~実践・実験・実戦~

Written by 小堺透雄

皆さんこんにちは。最近ぐんと冷え込んで、もうすっかり冬です。ちなみに、タイトルは『冬』と書いて『エクテン』と読むと、趣深いかも知れません。

と、いうわけで。MTG で冬といえばエクテン。今月 2 回目は日本ではこれからがシーズン本番なエクステンデッドのお話です。エクテンのシーズンは例年 11 月~ 1 月の 3 ヶ月間ですが、そのおよそ 90 日間で大きく環境が変化します。すでに GP 広島トライアルや PT ベネチア予選は始まっており、以後の大会に向けて調整を進めているプレイヤーも多いかと思います。

一昨年の Finals からは本戦にエクステンデッドが採用され、その結果を元に年明け以降に人気が急騰する傾向を持っているだけに、PT の権利を狙っているプレイヤーからするとライバルが少ない年内が勝負であるとも言えるでしょう。

まずはそんな 11 月の経過と、その結果を踏まえて行われた GP Reims と PTQ ベネチア東京 1 次の話も交えながら進めていく事にしましょう。

我が世の春?

PT ヒューストンの結果に関してはもう既に過去の情報となっていますが、11 月のエクステンデッドを語るにはまずここから始めない訳にもいきませんので、要点だけダイジェストで。

結局は、オース・リアニメイト(グール)・アルーレンなどのコンボ系デッキが猛威を振るい、中速デッキを《強迫/Duress》《陰謀団式療法/Cabal Therapy》が崩していき、《Force of Will》不在がいかに環境をコンボらせたかと感じさせる。そんな始まりでした。少なくともこの瞬間、世界の中心はコンボデッキであった訳です。

しかし、エクテンは毎年ほぼ同じ歴史を繰り返しています。従って多くのプレイヤーがその『春』が短いものであるという事も肌で感じる訳でありまして。過去の歴史を紐解くと、コンボデッキが流行った後にはカウンタースリヴァー系の攻撃的コントロールデッキが流行し、クリーチャーデッキが増えて来た頃合いを見計らって、再びオースが帰ってくる。この繰り返しでした。

前環境のスタートを席巻したコンボデッキ“トリックス(ドネイト)”。その“トリックス”に(だけ?)勝てたカウンタースリヴァーから大きく進化を遂げ、様々なデッキに対して高い勝率を誇った“スーパー(ミラクル)グロウ”。そして環境の締めには、それらクリーチャーデッキを食い物にした“オース”……。

去年とはデッキが違うものの、このサイクルが当てはまるとすれば『次はクリーチャー』という選択肢が出てきます。その結果、PT のわずか 1 週間後に控えた GP 広島トライアル東京 2 次で使用するデッキは、PT の結果から考察した新しいタイプのデッキを構築する必要がありました。

GPT 実験用デッキ 1 青黒ビートダウン

PT ヒューストンから GPT 広島東京 2 次までの準備期間にやった事は、勝つ事よりもメタゲームの変化を正確に掴めるかという一点集中でした。……勝つに越した事は無いのですがそれには時間があまりにも少なく、PT のデッキを焼き直した所で対策されるのは当然。ならば、ミラーマッチの可能性が少なく今後に活かせるデッキを作ろうと覚悟を決めた訳です。

アーキタイプをアレコレ回した感想から、仮想敵は“リアニメイト”と“マルカ・デス”の 2 つを中心に考えました。攻撃的コントロールという意味では“マルカ”もその筆頭に挙がる訳で、そこを崩していく作戦を取る事にしました。

そしてメイン投入を検討した《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》《金粉のドレイク/Gilded Drake》のシナジーを活かしつつ、強いクロックを掛ける為に黒を足してビートダウン色を強くしたバウンスデッキを目指しました。

で、出来たのが下のレシピです。

Seaside Black - Played by Yukio Kozakai
 4  ダウスィーの怪物/Dauthi Horror
 4  波止場の用心棒/Waterfront Bouncer
 3  金粉のドレイク/Gilded Drake
 4  ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator
 4  影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator

19 Creatures 4 強迫/Duress 4 陰謀団式療法/Cabal Therapy 2 退去の印章/Seal of Removal 4 悪魔の布告/Diabolic Edict 4 行き詰まり/Standstill
18 Spells 8 島/Island 3 沼/Swamp 4 地底の大河/Underground River 4 汚染された三角州/Polluted Delta 4 不毛の大地/Wasteland
23 Land 60 Total Cards
 3  非業の死/Perish
 3  ボトルのノーム/Bottle Gnomes
 3  呪われた巻物/Cursed Scroll
 2  次元の狭間/Planar Void
 2  急流/Rushing River
 2  仕組まれた疫病/Engineered Plague

15 Sideboard Cards

コンボデッキが嫌がる物。その中には、手札破壊された後に最速召喚される《ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator》というパターンも含まれています。そして、バウンス呪文と《波止場の用心棒》《悪魔の布告/Diabolic Edict》によって“リアニメイト”に対しての耐性を上げ、8 Duress こと《強迫》《陰謀団式療法》を採用して様々なデッキに対して対応出来る様にしました。

“マルカ”の《破滅的な行為/Pernicious Deed》に対しては、《行き詰まり/Standstill》である程度のアドヴァンテージを確保して、《魂売り/Spiritmonger》《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》などをバウンスして攻撃ゾーンをこじ開ける作戦を取りました。

こうして赤いデッキ以外には戦えるデッキに仕上げたつもりでしたが、大きな見落としがあった事に気付かされます。それは、対アルーレン用などに用意された《要塞の監督官/Stronghold Taskmaster》《仕組まれた疫病/Engineered Plague》の 2 枚のカードがそのままこのデッキに対して致命傷になった事でした。

結果は 3 勝 3 敗。敗因は、“マルカ”“サイカトグ”に張られた《仕組まれた疫病》でした。やはり調整不足は否めませんでした。

GPT 実験用デッキ 2 青白ビートダウン

同じ視点で、チームメイトもデッキを構築しました。筆者のデッキとは対照的に、今度は青白です。まずはレシピからどうぞ。

WU Cleric - Played by Akihiro Kashima
 4  ルーンの母/Mother of Runes
 4  献身的な世話人/Devoted Caretaker
 4  翻弄する魔道士/Meddling Mage
 4  真実の信仰者/True Believer
 4  サルタリーの僧侶/Soltari Priest
 3  金粉のドレイク/Gilded Drake
 3  波止場の用心棒/Waterfront Bouncer
 2  熟練の薬剤師/Master Apothecary

28 Creatures 4 十字軍/Crusade 3 ハルマゲドン/Armageddon 1 崇拝/Worship
8 Spells 10 平地/Plains 2 島/Island 4 アダーカー荒原/Adarkar Wastes 4 溢れかえる岸辺/Flooded Strand 4 リシャーダの港/Rishadan Port
24 Land 60 Total Cards
 3  浄化の印章/Seal of Cleansing
 3  マナ漏出/Mana Leak
 2  現実主義の修道士/Monk Realist
 2  無効/Annul
 1  崇拝/Worship
 1  ハルマゲドン/Armageddon
 1  金粉のドレイク/Gilded Drake
 1  波止場の用心棒/Waterfront Bouncer
 1  熟練の薬剤師/Master Apothecary

15 Sideboard Cards

こちらのデッキの作戦は、相手の《強迫》《陰謀団式療法》《悪魔の布告》などを無効化する《真実の信仰者/True Believer》を投入して相手の動きを牽制し、《翻弄する魔道士/Meddling Mage》で全体除去やキーカードを禁止して場をコントロールしつつビートダウンを仕掛けるというものです。

筆者のデッキと違って《仕組まれた疫病》 1 枚で沈まない太さと、場に出たパーマネントに対してある程度対処出来るあたりはさすがに白といった所でしょうか。それから土地に依存するデッキが大半を占める現環境下での《ハルマゲドン》の破壊力はゲームエンド級です。

その他の基本コンセプトは大差無いですが、スライやドラコなどの赤いデッキに対して耐性がある反面、手札破壊が無い分どうしてもエクテンのスピードに追い付けない瞬間が出てしまいます。

結果は 3 勝 2 敗(途中撤退)。サイドも含めて調整不足とのコメントがありました。

一週間で変わる世界

結局、青黒が欲しかった物はパーマネントコントロールをするカードだった訳です。手札破壊だけでは対処出来ない『今引き』のパーマネントをどうにかする手段が必要でした。生物ならばいくらでもバウンスのしようがありますが、ことエンチャントに関しては一度場に出てしまうと完全放置を余儀なくされるのが厳しかったと。

『青黒じゃしょうがないんだから覚悟を決めなさい』って意見もあるのですが、完全なビートダウンではなくコントロールにもシフトしてる分スピードが殺されている為、相手のサイドカードに仕事をさせる時間が増えてしまっているのも課題でした。

とりあえず《要塞の監督官》《アーボーグのシャンブラー/Urborg Shambler》が場に出ると、デッキに入ってるアタッカーの大半が無害になってしまうので、黒くないパワー/タフネスが 2 以上のクリーチャーで殴りたいと思いました。

そこで、基本は青白のクリーチャーをベースに調整を進める事にしました。

実験 2 の項でお話した通り、純粋な青白ではスピード勝負で厳しかった。そこで青白に手札破壊の黒、それから《悪魔の布告》を追加して、白黒か白青黒のデッキを調整しようという話になった訳です。

で、毎週の様に各地で PTQ・GPT が行われてる中。関東地区は GPT 広島東京 2 次予選から、次の PTQ ベネチア東京 1 次までの約 3 週間エクテンでのプレミアイベントが無かった訳ですが、その間に当然メタゲームは動いて行く訳で。

Fiends - Played by Christoph Lippert / GP Reims 7th
 4  翻弄する魔道士/Meddling Mage
 4  ファイレクシアの抹殺者/Phyrexian Negator
 4  レイモス教の兵長/Ramosian Sergeant
 4  幽体オオヤマネコ/Spectral Lynx
 4  鞭縄使い/Whipcorder

20 Creatures 4 渦まく知識/Brainstorm 2 陰謀団式療法/Cabal Therapy 4 強迫/Duress 3 パララクスの波/Parallax Wave 4 名誉回復/Vindicate
17 Spells 4 平地/Plains 1 島/Island 4 コイロスの洞窟/Caves of Koilos 2 真鍮の都/City of Brass 4 溢れかえる岸辺/Flooded Strand 4 汚染された三角州/Polluted Delta 1 広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse 3 沼/Swamp
23 Land 60 Total Cards
 2  絶対の法/Absolute Law
 2  陰謀団式療法/Cabal Therapy
 2  仕組まれた疫病/Engineered Plague
 3  賛美されし天使/Exalted Angel
 2  金粉のドレイク/Gilded Drake
 1  パララクスの波/Parallax Wave
 3  浄化の印章/Seal of Cleansing

15 Sideboard Cards

遠いフランスの地では既に完全上位互換がw。

この人も同じ事を考えてたんでしょうか、真意はわかりませんが言いたい事をデッキレシピで見事に体現出来ていて良いデッキだと思いました。

しかしというか、やはりというか。クリーチャーデッキの天下になっていた+赤スライ系に勝てない+ネタバレという 3 連コンボと相成りまして、結局 12 月初旬にしてデッキ構築をまたやり直す事になってしまいました。

先週末の PTQ ベネチア東京 1 次予選は会場の約 1/3 が“マルカ”で、優勝したのは“青緑マッドネス”である事から環境はまだクリーチャーであるいう事でしょう。(>>ベスト 8 デッキレシピ From:MTG Network

つまり、上記のデッキも既に賞味期限切れという事実を突き付けられています。今週末には既に PTQ の東京 2 次が迫ってまして、この一週間で環境が激変とまでは行かないまでも変わってくる事は間違いないですし。上手く時期と折り合いを付けたデッキを持ち込むのが無難でしょうけれど、逆に物凄く尖がったデッキを持ち込むのもアリだと思います。

《陰謀団式療法》が当たらないだけでも、この環境では相当意味がありますしね。

そんな訳で、今回はエクテンのお話でした。

ちょっと記事の鮮度としてはイマイチですが、一つのデッキが出来上がるまでって感じのテーマで一度やってみたかったので、今回はそんな調子で書いてみました。PTQ は行かないけど、Finals は予選突破に燃えてるぜってなプレイヤーの方は(多いでしょうねw)、予選突破を前提に考えて流行のデッキのレシピをちょろっと見ておくと、後々役に立つ事もあるかと思います。

《陰謀団式療法》《翻弄する魔道士》を使おうかな?と、ちょっとでもお考えの方は特に、です。

それではまた、次回に。

■この記事はいかがでしたか?■
該当するものをいくつでも選んで送信ボタンを押してください
管理人に送信されます

役に立った 面白かった 興味深かった 分かりやすかった つまらなかった 難解だった 特にない


Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, Limited Edition, Unlimited Edition, Revised Edition, Fourth Edition, Fifth Edition, Classic, Seventh Edition, Core Set, Arabian Nights, Antiquities, The Dark, Legends, Fallen Empires, Ice Age, Chronicles, Homelands, Alliances, Mirage, Visions, Weatherlight, Tempest, Stronghold, Exodus, The Rath Cycle, Urza's Saga, Urza's Legacy, Urza's Destiny, Mercadian Masques, Nemesis, Prophecy, Invasion, Planeshift, Apocalypse, Odessay, Torment, Judgment, Onslaught, Legions, Scourge, Mirrodin, Darksteel, Fifth Dawn, Champions of Kamigawa, Betrayers of Kamigawa, Saviors of Kamigawa, Unglued, Unhinged, Portal, Portal Second Age, Portal Three Kingdoms, Vanguard, Anthologies, Battle Royale, Arena, DCI, Dominia, Gen Con, Magic: The Gathering Pro Tour, Oracle, Deckmaster, Garfield Games, and all logo and card illustlation and the tap symbol and the mana symbols are registed trademarks of Wizards of the Coast, Inc.