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リミテッド・脱初心者講座 第6回「アドバンテージの科学」

2003/06/08 17:24更新

リミテッド・脱初心者講座 第6回「アドバンテージの科学」

Written by 吉川祐輔
http://may4.virtualave.net/

皆様、ご無沙汰しておりました。

新年を迎え、新エキスパンション『レギオン/Legions』の情報も少しずつ入ってきていますね。新しいカードの情報を見ると、わくわくしてくるものです。

カードの評価の際、判断基準として良く使われるのが、「アドバンテージ」という言葉です。私も幾度となく使ってきたこの言葉ですが、ここで今一度その意味を考えてみることで、「リミテッドで勝つこと」を少しおさらいしてみたいと思います。

リミテッドにおける『勝利』とは~「ハンド」と「ライフ」

当たり前だと思われるかもしれませんが、リミテッドにおけるゲームの勝利条件は「相手のライフを0にすること」の1点に要約されます。まれにライブラリアウトなどで決着することもありますが、構築戦に比べ、狙ってそのような勝ち方をすることはまずありません。

そのためには、「対戦相手のライフを減少させること」「自分のライフを高く保つこと」が必要となってきます。これを言い換えると、「ライフアドバンテージ」となります。

しかし、だからと言って《吸魂/Syphon Soul》が良いカードであるということにはなりません。確かにこのカードは上記 2 点を同時に達成するカードであるはずなのに、なぜでしょうか。例として、《吸魂》と「絶対に表返ることのない変異クリーチャー(2/2)」を比較してみましょう。

前者は使ったその場で上下 2 点ずつ、すなわち 4 点のライフアドバンテージを生み出します。しかし、このカード自身は失われることになります。また場には全く影響を及ぼしません。

一方、後者は場に出た時は何も起こりませんが、次のターンから、相手の妨害がない限り相手のライフを 2 点ずつ減少させていきます。例え相手が 2/2 クリーチャーを出してきたとしても、それと相打つことでカード的には相殺されます。また、《クローサの巨像/Krosan Colossus》(9/9) のチャンプ・ブロックに回ったとしても、それは間接的に 9 点のライフアドバンテージになっているのです。

このように、《吸魂》は継続性・汎用性などの面で全く能力のない 2/2 クリーチャーに劣ることになります。他の、有用な能力を持ったクリーチャーとの比較は言うまでもありません。

ゲーム中に使えるカードは有限であり、その数は特別なことをしない限り対戦相手とほぼ同じになります。同じ質のカードを、同じだけ使っていたのでは、ライフアドバンテージの上でも差はつかないことになります。

その状況から抜けるには、「より質の高いカードを使う」「より多くのカードを引く」ことが必要となってくるわけです。これが、いわゆる「ハンドアドバンテージ」です。

良質な1枚のカードは普通のカード 2 枚以上の働きをさせることができます。《アクローマの復讐/Akroma's Vengeance》などはその典型例でしょう。また、《ワイアウッドの野人/Wirewood Savage》などのように相手よりカードを多く引く手段はより直接的な手段となります。こうして有利な戦況を導くことにより、ライフアドバンテージが得やすいようにしていくのです。

しかし逆に、ライフアドバンテージがハンドアドバンテージを規定するような状況もあります。例を挙げてみましょう。

攻撃側が 2 体の《栄光の探求者/Glory Seeker》で攻撃し、防御側は 1 体の《急降下爆撃兵/Dive Bomber》をコントロールしているとします。

防御側のライフに余裕があるならば、片方をブロックして、戦闘ダメージをスタックに載せた後に、《爆撃兵》の能力を他方に対して起動することにより、1 対 2 交換のカードアドバンテージを獲得することができます。

しかし、防御側のライフが 2 ならば、そうすることはできず、戦闘ダメージのスタック前に能力を起動することになるでしょう。この場合、取れるはずのカードアドバンテージが獲得できないことになります。

ライフアドバンテージの差が、カードアドバンテージにつながっているのがお分かりいただけるでしょうか。

このように「ライフアドバンテージ」と「ハンドアドバンテージ」は密接に係わり合い、お互いに影響を与えながらゲームを作っていくのです。

もう一つの要素~「テンポ」

さて、マジックのゲームを決めるアドバンテージにはもう一つの要素があります。それが、「テンポアドバンテージ」と呼ばれるものです。

ゲームの、特に序盤において、プレイヤーの行動を規制する大きな要因が「マナの総量」です(これには色も含まれます)。例え素晴らしいゴッドカードで手札が埋め尽くされていても、場に出ているのがたった 2 枚の土地だけというのでは、勝利は得られません。

そこで、「いかに効率良くマナを使用するか」が重要となってきます。この「効率の良さ」がまさに「テンポ」なのです。

同じ 2/2 クリーチャーとして使う場合、ただの変異クリーチャーよりも《栄光の探求者》の方が優れている、というのはお分かりでしょう。先に述べた、カードの「質」を決める要素の一つが「テンポ」である一つの例です。

「テンポアドバンテージ」については、抽象的な概念になり分かりづらいのですが、SBJ の平林和哉氏の記事{{"http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/jpstrategy/20030107a","「Limited Resources - テンポ的観点からのオンスロート:兵士」","Limited Resources - テンポ的観点からのオンスロート:兵士"}}が詳しいので、そちらをご覧になっていただけると良いと思います。

「ステージの変化」を見極める

日本古来からの思考ゲームである将棋には、「終盤は駒の損得より速度」という格言があります。

序中盤における「駒の損得」という量的なアドバンテージから、終盤には「王将への攻撃速度」という質的なものへと舞台が変わっていくことの端的な表現です。

これはマジックにも当てはまることでしょう。

序盤の「テンポアドバンテージ」、中盤の「ハンドアドバンテージ」、終盤の「ライフアドバンテージ」へと舞台が移り変わっていく中で、その時その時で重要なポイントを見極めていくことが、際どい勝負を決めることになるのです。

またドラフティングや構築の時にも、そのカードがどのステージで有効なものであるかを知ることが、総合的に強いデッキを導くものとなるでしょう。

しかし、その見極めは、すぐに身につくというものではありません。リミテッドをプレイしていく中で、少しずつ理解できるものだと思います。分かるまではちょっと難しいことですが、分かっていくと、リミテッドに限らずマジックの楽しみが深まるものと考えます。また、その力は新しいカードに出会ったときの正しい評価につながっていくものとなるでしょう。

さあ、リミテッドという思考ゲームの扉をたたいてみませんか?

また 2 週間後にお会いしましょう。

yossy54@lycos.jp

Tags: Strategy
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