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生物100% unlimited 1 ~はじめに~

2003/05/31 01:47更新

生物100% unlimited 1 ~はじめに~

Written by 小堺透雄

約 1 ヶ月ぶりのこんにちはです。

今回からは、徐々に開催日程が発表されつつある日本選手権予選を目指したスタンダード構築戦のお話です。今はちょうど PT 横浜を目指してリミテッドが盛んなシーズンですが、GP 京都が終わると 4 月からは再び構築戦のシーズンが始まります。

逆算すると、意外と時間が残されていないことに気付くのではないでしょうか。

2 年に 1 度のアレがない!?

エクステンデッド構築戦が終わって“レギオン”が発売になり、日本選手権予選に必要なカードは全て出揃いました。これらの材料をどう生かして新たなアプローチを掛けていくか。デッキビルダーの方々は頭を捻らせている毎日かと思います。

さて日本選手権といえば 2 年に 1 度、予選シーズン後半戦から本戦にかけて『基本セットの入れ替え』があった事を記憶している方も多いと思います。今年は奇数年ですので例年通りならば“第 8 版”の入れ替わりがあったはずなのですが、今回は“第 8 版”の発売が夏という事で入れ替えはなく、現在のメタゲームの延長上で戦うことがすでに約束されています。

そして加わった新戦力の“レギオン”が環境にどのようなアクセントを加えていくか。ここがキーになるわけですが、現状では『アクセント』という表現しか出来ないところに“レギオン”のツラさがあったりもします……。

生物 100 %の素材を生かすデッキ

“レギオン”の存在意義を確認する意味でデッキを組むならば、まずはクリーチャーデッキを構築するのが自然な流れでしょう。

“オンスロート”までに作られたスタンダードデッキにおいて、最後の資料になるのがPT シカゴ・マスターズでした。ここで活躍したクリーチャーデッキといえばステロイドです。本項では“レギオン”から投入の可能性のあるカードを中心に、新環境の“ステロイド”を突き詰めて行こうと思います。

と、いうことで。手始めにマスターズで活躍していたステロイドの復習から。

PT Chicago Masters - R/G Beatdown / Played by Dirk Baberowski
 4  日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla
 4  面の溶岩使い/Grim Lavamancer
 4  ノワールのエルフ/Llanowar Elves
 2  ートンの斥候/Seton's Scout
 4  生の雑種犬/Wild Mongrel

18 Creatures 4 獣群の呼び声/Call of the Herd 4 象の導き/Elephant Guide 4 炎の稲妻/Firebolt 4 激発/Violent Eruption 4 火山の鎚/Volcanic Hammer
20 Spells 6 森/Forest 4 山/Mountain 4 カープルーザンの森/Karplusan Forest 2 モスファイアの谷/Mossfire Valley 4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills 2 蛮族のリング/Barbarian Ring
22 Land 60 Total Cards
 3  沸騰/Boil
 4  たい肥/Compost
 4  罠の橋/Ensnaring Bridge
 2  帰化/Naturalize
 2  幻影のケンタウロス/Phantom Centaur

15 Sideboard Cards

まずはこのレシピを材料にしましょう。

デッキレシピ的にはかなり完成されているステロイドですが、ここに“レギオン”のカードを投入することでどう変化していくかを検証してみましょう。

最初に 2 マナ圏スロットですが、個人的意見としては 6 枚では少ないと思います。このマナコストの空白を埋める為の《ラノワールのエルフ》であり《日を浴びるルートワラ》であった訳ですが、毎ラウンド《ラノワールのエルフ》を 1 ターン目に召喚して生き残る事に期待して 3 マナ圏のスペルを増量するのは今ではもう危険だと判断しています。

それはなぜか。理由は同系のステロイドと、優秀なゴブリンが加わった赤スライが増える事が予想されるからです。

赤スライに関しての詳細はまた別の機会にするとして、《炎の稲妻》《ゴブリンの闘士/Goblin Grappler》の数だけこの 1/1 生物が生き残る可能性は減少していくわけでして、ご承知の通りマスターズにおける『クリーチャーデッキの勝ち組』はステロイドであり、現時点で“レギオン”がスタンダード環境に与える影響が微少とするならばこれらの解答が自然に導き出されてきます。

Goblin Grappler
21 世紀の《モグの狂信者/Mogg Fanatic》?

そこで『2 マナまでで動ける攻撃的なシステム』を突き詰めてみましょう。

ここまでの話で、まずデッキから《ラノワールのエルフ》《シートンの斥候》が抜け落ちます。この空いたスペースに何を叩き込むかといいますと、回答は《ゴブリンの闘士》《スカークの匪賊/Skirk Marauder》です。

前者はかつての《モグの狂信者/Mogg Fanatic》を彷彿とさせる除去+避雷針能力、後者は 2 マナ 2/1 +除去と文句なしの能力です。マナのジャンプアップというオプションは失いましたが、より確実に序盤を展開していく意味では必要な変更であるように思います。何より青緑マッドネスの《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》を速やかに叩き落せるカードを増やす事で、《激発》頼みだった状況が一変したのは大きな収穫と言えるでしょう。

Elephant Guide
21 世紀の《怨恨/Rancor》?

また、《象の導き》を纏ってしまえば《野生の雑種犬》《賛美されし天使/Exalted Angel》などのこれまで手を出しにくかった生物に対しても積極的に勝負を仕掛けていけます。あ、天使は追加の火力でしっかりと焼殺してあげましょう。

それからマナベース。

低コスト域で赤いスペルを増量した事によって、必然的に赤マナを産み出す土地を増やす事が出来ます。これによって安定して《激発》に繋げる事も出来、一石二鳥といったところでしょうか。

“レギオン”入りステロイドへの誘い

では、ここまでにお話しました“レギオン”入りのレシピから。

Sample Deck - R+G Beatdown
 3  日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla
 4  渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer
 3  ゴブリンの闘士/Goblin Grappler
 4  スカークの匪賊/Skirk Marauder
 4  野生の雑種犬/Wild Mongrel

18 Creatures 4 獣群の呼び声/Call of the Herd 4 象の導き/Elephant Guide 4 炎の稲妻/Firebolt 4 火山の鎚/Volcanic Hammer 3 激発/Violent Eruption
19 Spells 8 山/Mountain 4 森/Forest 4 カープルーザンの森/Karplusan Forest 4 樹木茂る山麓/Wooded Foothills 1 真鍮の都/City of Brass 2 蛮族のリング/Barbarian Ring
23 Land 60 Total Cards
 4  たい肥/Compost
 4  罠の橋/Ensnaring Bridge
 2  ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante
 2  鉤爪の統率者/Caller of the Claw
 1  燃えたつ計略/Flaming Gambit
 2  帰化/Naturalize

15 Sideboard Cards

いろいろとマイナーチェンジを施してますので、順番に説明していきましょう。

まず、マナに関しては先程も説明しました通り赤マナ重視の体制を取り直してる訳ですが、同時に《モスファイアの谷》も廃しています。これは 1 マナで動くことの多いこのデッキにおいて、足枷となる場面が発生しやすくなるためです。その分の土地を《真鍮の都/City of Brass》に置き換える事で緑マナを補っています。

その為、デッキタイトルも赤+緑という表記になっています。『赤いデッキを緑にサポートさせている形』と言った方が通りが良いでしょうか。

Basking Rootwalla
1 マナの中盤戦クリーチャー

続いて、3 枚に変更された《日を浴びるルートワラ》です。

これに関しては単純な理由付けでして、《ラノワールのエルフ》の退場と緑マナの減少によってタイトになったマナ・ベースを考えての変更です。パンプアップする暇が無ければコイツはただの 1/1 ですし、戦闘に耐え得る低マナ域の生物も増えましたので、仕事をするのは中盤戦で良いわけです。

そして《象の導き》を纏ってしまえばワームクラスの生物とだってガチンコ出来ますから、デッキから外す理由も見当たりません。従って 3 枚という選択になりました。

そして、新戦力の《スカークの匪賊》

並み居る 2 マナ 2/1、2/2 クラスのクリーチャー群ではトップクラスと言って良いかと思います(《野生の雑種犬》は例外w)。他に挙がる候補としては、元のステロイドに入っていた《シートンの斥候》《ナントゥーコの追跡者/Nantuko Tracer》などのおまけ能力の付いた生物ですが、前者は《渋面の溶岩使い》と逆シナジーですし後者は 2 ターン目に出すビートダウンの展開では 2/1 以上の仕事をしてくれません。

本来《ナントゥーコの追跡者》の仕事は白緑の《栄光/Glory》や青緑の《不可思議/Wonder》を戻す事だったのですから、ビートダウンに使用しても後々困らないように考えるならば 4 枚フル投入すべきクリーチャーだったのです。

しかし実際はこのクリーチャーが 4 枚入ることがなかった理由は、結局のところマナカーブを整えるためだけに使用されていたというのが本音で、このスロットはもっとビートダウンに向いているクリーチャーが入るためにあけられていたスペースだったと考えられます。

Skirk Marauder
有能だが裏表が激しい

また、このクリーチャーが機能するのは例に挙げた 2 種類のデッキに対してのみというのもその理由でしょう。

『ビートダウンに向いている=ダメージ効率をより向上させるクリーチャー』

この方程式に当てはまるのが《スカークの匪賊》だったというわけです。さらにサイドボード後の《罠の橋》モードでも仕事が期待出来ることで、火力と生物の両方の枚数を保ったままにサイドボードチェンジが行える優秀なリソースです。

ステロイドにおいてはメインが詰め込んである分サイドチェンジがいつも悩みの種だったので、火力と生物のバランスを崩さずにサイドチェンジが出来るのは何よりの収穫です。 また、マナベースが 26 枚→ 23 枚に削られているので《激発》が 3 枚に抑えられていますが、これも《スカークの匪賊》で火力が必要分に達したことによる変更であることを付け加えておきます。

どう戦う?

新戦力に関しての分析はこんな感じですが、全体のメタゲームの輪郭が浮かんでこない現状ではハッキリとした解答は出せません。これは先程にもお話した通り“オンスロート”までのメタゲームの延長で考えるならば、考えるべきデッキはサイカトグ・青緑マッドネス・サイクリング・白緑系ビートダウン・ステロイドに加えて、The Finals 2002 を制した黒コントロール、同じく Finals で初日全勝を果たしたスライや決勝ラウンドでブレイクを果たしたリアニメイトなどでしょうか。さらにマスターズを制した対立なども浮上してきます。

全く新しい新戦力(しかもかなり有力な)の報告は上がってきてませんので、大雑把ではありますが。

まずは、このステロイドというデッキがメタのド真ん中に位置しているということが始まりになります。したがって、ステロイドの使用を考えているプレイヤーの方はこのデッキが相当にメタられているという認識を持って扱う所から始まります。

器用なことはなかなか出来ないデッキですので、メイン勝負では『出す・焼く・殴る』を押し通して勝つしかありません。従って勝負はサイド戦にかかってきます。

各カードの入れ替え枚数は省略しますが、

《たい肥》
VS サイカトグ・黒コントロール・ブレイズ系デッキ・リアニメイト etc.
《罠の橋》
VS 青緑マッドネス・白緑・リアニメイト etc.
《ナントゥーコ自警団》《帰化》
VS サイクリング・白緑(《崇拝/Worship》)・リアニメイト・黒コントロール・スライ・ミラーリの目覚め etc.
《鉤爪の統率者》
VS サイクリング・黒コントロール・ステロイド・青白パーミッション・赤スライ etc.
《燃えたつ計略》
VS サイクリング・黒コントロール・青白パーミッション etc.

といった感じでしょうか。《ナントゥーコ自警団》《帰化》と共にサイドボードに取っている理由は《スカークの匪賊》と同じく、メイン・サイドの火力と生物のバランスを保つためです。また事実上サイカトグにしか効かない《沸騰》は、黒コンなどにも効果が期待出来て汎用性の高い《燃えたつ計略》に変更してあります。

後は《鉤爪の統率者》《種蒔き時/Seedtime》かで迷ったスペースですが、青いデッキへの耐性よりは全体除去に対しての回答の方が良策かと思い《鉤爪の統率者》を選択しました。

Nantuko Vigilante
アーティファクトを壊せるってのがキモ

このカードが機能する瞬間は《種蒔き時》以上に限られていますが、インスタントによる青のドロー補助が無いに等しい現環境ではサイクリングの《神の怒り/Wrath of God》と黒コントロールの《もぎとり/Mutilate》や同系の《激発》に対して幅広く受けられる可能性があるため、『どちらかというと』という選択で投入しました。

具体的な効果を求めるプレイヤーの方でしたら、《燃えたつ計略》の増量や《焦熱の火猫/Blistering Firecat》《幻影のケンタウロス》などの攻撃的なカードを増やす事をオススメします。

ただし、マナ基盤が以前のレシピとズレてますのでバランス等は充分にご検討ください。 実際にステロイドを組んだりトーナメント等で使う場合は、これらのポイントを押さえておくと構築・プレイングが比較的楽になったりします。ざっくばらんに入ってるクリーチャー 1 枚 1 枚の存在意義をトコトン突き詰めて、最強のステロイドを構築しちゃいましょう。

今回お見せしたレシピも、その可能性のほんの一部に過ぎません。勝ちに行く為には何が必要で何が余分なのか、しっかりと見極めて調整を進めて勝率を上げていきましょう。

あとがき

と、いうわけで以上。今回はステロイドのお話でした。

今は、実はリミテッドでもスタンダードでもなく OBC (オンスロートブロック構築)を一生懸命やってる最中です。いや、PT ベネチアの権利は持ってないですよw。

スタンダードを調整しなきゃいけないのはわかっているのですが、やろうと思えば思うほど OBC に熱が上がってしまう……。これは試験勉強しなきゃいけない時に、つい部屋の掃除に全力を注いでしまうアレでしょうかね。そんなこんなで、次回はもう少しスタンダードを勉強して、よりボリュームのある記事が書ければと思います。

レギオン入りの大会も出たいですね。

それでは、また次回に。

Tags: Strategy
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