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生物100% unlimited 2 〜沿岸の再興〜
わりと立て続けにこんにちわです。
『生物 100 %〜』シリーズの第 2 弾は『青緑マッドネス』のお話です。
サイカトグ・サイクリング等のコントロールデッキに押されて最近では少し元気の無いマッドネスですが、大きな上積みが無い状態で抜け道を見出せるのか?というのが今回のテーマです。
そんなわけで、早速始めていきましょう。
鳴り響かない狂気の声
青緑マッドネスが全盛を誇ったのは GP 札幌を頂点とした OBC (オデッセイブロック構築)の時代。赤が薄かったこの環境では序盤の除去は黒コントロールのエディクト系のみで、それすらも《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》によって回避が出来た事を考えると、『共鳴者が生き延びられる環境があってこそ勝てるのが青緑マッドネス』というアピールをしていた夏だったのだなぁと、最近になって特にしみじみ考えています。
一方、その頃のスタンダードでは《火+氷/Fire/Ice》という除去がありましたが、《野生の雑種犬/Wild Mongrel》を最序盤に除去する決定的な手段は無いに等しく、戦績ではサイカトグがやや有利だったものの、勢力分布でいえばほぼ二分していたわけです。
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ところが、“オンスロート”の参入でその事態は一変しました。
その元凶は、黒いデッキにならほぼ 100 %入り、このカードのためだけに黒をタッチするデッキまで現れた《燻し/Smother》。《尊大なワーム/Arrogant Wurm》すらあざ笑う除去能力を持った《火花鍛冶/Sparksmith》。こちらから殴りかかる以上に回復し、《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》によるトークン(しかも飛んでるのが条件)ぐらいでしか戦闘を挑めない《賛美されし天使/Exalted Angel》。
これらのカードを搭載したデッキが、青緑に待ったをかけました。
特にサイカトグが全盛な現スタンダードにおいて《燻し》の存在は無視できず、マッドネスエンジンそのものを覆されて何もできず、きっちり 5 マナ払って《尊大なワーム》を召喚している光景を何度見てきたことでしょうか。
弱点が浮き彫りになっている以上、改善すべき点もそこにあるはずです。
マッドネスの目標は?
最初に解説をしますと、正直青緑マッドネスにおいてはほとんど“レギオン”の出番はありません。これは“オンスロート”の時と同じなのですが『デッキそのものがオデッセイブロックの芸術品』と言うべき素材なため、大きくスロットに触ることができませんでした。
そんな頑固なデッキなのですが、まずは以前に作ったデッキを元に考えを掘り進んでみましょう。
| UG+r Madness - The Finals 2002: QT Tokyo 1st Winner / Played by Yun Suhan | |
|---|---|
3 渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer 3 日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla 4 野生の雑種犬/Wild Mongrel 4 マーフォークの物あさり/Merfolk Looter 1 アクアミーバ/Aquamoeba 3 不可思議/Wonder 4 尊大なワーム/Arrogant Wurm |
2 激動/Upheaval 1 震央/Epicenter 1 炎の稲妻/Firebolt 1 溶岩の飛散/Volcanic Spray 1 鋭い痛み/Flaring Pain 1 抵抗の誇示/Flash of Defiance 1 懐古/Dwell on the Past 1 クローサ流再利用/Krosan Reclamation 2 帰化/Naturalize 1 一瞬の平和/Moment's Peace 1 平穏/Tranquility 1 荒れ狂う夢/Turbulent Dreams 1 不明 |
タッチ赤マッドネス。
これは予選開幕直前にレシピをチームメイトの小宮山秀貴に託し、彼と彼の調整パートナーであるユン・スハンらと共に作り上げたデッキです。
たどり着いた解答は、《渋面の溶岩使い》の投入によって同キャラ対戦で優位に立つことと、除去の対象を増やすこと。それから《激動》のみに依存せずに《燃え立つ願い》によって、イレギュラーに対して柔軟に対応すること。そして何よりこのデッキが目指したのは『クリーチャーデッキに負けないこと』でした。
しかし予選開幕当時はレシピが流動的だったサイカトグ(激動ゾンビ)が本格化し、わずか数日の後にこのデッキは全く戦果をあげられないデッキになってしまったのです。
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対クリーチャーにシフトしたあまり、サイカトグに対して脅威となるべきマッドネスとしての純粋な速度が下がってしまったことと、《渋面の溶岩使い》を使ったところでサイカトグはテンポを形成する共鳴者をまず叩きに来ることは変わらず、追い討ちをかけるようにダメージランド・フェッチランドからのダメージが圧し掛かり、不利な要素が積み重なってる状態だったからです。
結局、青緑マッドネスは何が強いのか。
それは早目のターンでしっかり《尊大なワーム》を戦線に送り込むこと、これに尽きます。それを目指すための方策として上記のレシピから『除去の対象を増やす』『テンポを獲得するカードをもっと投入する』という点でヒントを得ましたので、解決策はこの 2 点に注目すれば叩き出せるはずです。
より確実に序盤の除去(特に《燻し》)を散らせるカードを選択する 3 ターン目《尊大なワーム》の可能性を高める
序盤の脅威とはなれなかった《渋面の溶岩使い》、確実に 3 ターン目(まで)にアクションを起こすために必要なパーツ、この 2 つのパズルを組み合わせた回答。
それは近すぎて見落としていたものだったのかも知れません。
譲れない領域 〜Turn 3〜
| Sample Deck - Hi Tempo U/G Madness | |
|---|---|
4 極楽鳥/Birds of Paradise 3 日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla 4 マーフォークの物あさり/Merfolk Looter 4 野生の雑種犬/Wild Mongrel 3 不可思議/Wonder 4 尊大なワーム/Arrogant Wurm |
4 たい肥/Compost 2 鉤爪の統率者/Caller of the Claw 2 帰化/Naturalize 2 天啓の光/Ray of Revelation 2 一瞬の平和/Moment's Peace 1 綿密な分析/Deep Analysis 1 物静かな思索/Quiet Speculation 1 クローサ流再利用/Krosan Reclamation |
私は『《極楽鳥》は共鳴者ではないだろうか?』と考えています。
マッドネスというデッキがどういうデッキかというと、《マーフォークの物あさり》でカードアドヴァンテージを稼ぐというアクションも取れますが、やはり狂おしいと思えるほどのテンポを構築することが主です。
したがって、共鳴者もマナ・クリーチャーも目指す所は同じではないだろうか?という発想が浮かび上がってきたわけです。
例えば《野生の雑種犬》のテキストは本来のものに加えて、
『マッドネス呪文はコストが
軽減される』
といった文章が下に隠れていると思うとわかりやすいでしょうか。他にもインスタントタイミングでプレイできるなどといった表記が加わると思いますが、特にマナに注目してデッキの動きを考えると面白いと思います。
例えば、
1 ターン目《極楽鳥》→ 2 ターン目に土地置いて《野生の雑種犬》
これで 2 ターン目にして既にカウンター OK な状態が作れています。仮に先攻を取られたサイクリングに《霊体の地滑り/Astral Slide》をキャストされてもカウンターできる可能性があります。
次のケースは、除去が飛んできた場合。2 ターン目の返しにどちらかが除去されたとしても 3 ターン目にはデッキとしての機能を果たせるようになります。
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《極楽鳥》が除去された場合には《野生の雑種犬》から《尊大なワーム》へつなげますし、《野生の雑種犬》が除去された場合には《入念な研究》から《尊大なワーム》へ。もしくはあらかじめ墓地に仕込んでおいた《ワームの咆哮》という選択肢もあるでしょう。
また《激動》をキャストしやすくなり、立ち上がりも早くなる点は有効です。
共鳴者でなくとも同様の働きを期待できる。その意味では 1 マナの『準共鳴者』として、デッキへの投入を検討する時期に来ているのではないかと考えています。
しかし、新たな課題が生まれてしまっています。
速度でもって戦い、《極楽鳥》を使うという方針を前面にした結果、色を足さなかった事で《渋面の溶岩使い》《火花鍛冶》《無神経な抑圧者/Callous Oppressor》といったシステムクリーチャーに手出しができなくなったことと、ステロイド・スライなどの火力満載なデッキに対して除去によってスピード負けする危険が増したことです。
これに関してはサイドで対処するか、もしくはデッキバランスを考えつつ再び色を加える事を試すか……。選択はいろいろありますが、まずはベーシックな形を回してみることをオススメします。
メタを考えた変更をするにはまだ時間がありますので、じっくり研究していくことにしましょう。
あとがき
いじょ、今回はマッドネスでした。
《極楽鳥》は、ジャッジメントが出たばかりの頃に『土地 12 枚マッドネス』というデッキを作った時に使ったことがあって、その時から強いなぁと思っていた 1 枚です。
『4 ターン目激動』とか、青茶単まがいの遊び方もできてなかなか楽しかった思い出があります。残念ながら、もう《地勢/Lay of the Land》《ヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast》が無いので作れませんけどね。
前回のステロイドの記事では《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》を否定しましたが、今回は《極楽鳥》を推奨してます。それだけドロー系スペルは偉いってことです。
毎ターン 1 枚しか引けないデッキと複数枚引けるデッキとではドロー 1 枚あたりに要求される質が違いますし、マナクリーチャーがいる(=デッキの濃度が薄い)からドロー系スペルが必要という共存関係もそれを意味します。なかなか難しいですね。
ところで、日本選手権予選は関東を脱出して遠征を予定してます。
どこにするかはまだ未定ですが、あんまり遠くないトコに出没する可能性が高いと思いますので、見つけても石とか投げないで下さいねw。
それでは、また次回に。



