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リミテッド・脱初心者講座 第12回「最弱色の逆襲〜京都に見る青〜」
オンスロートのみの環境の頃から最弱の名を欲しいままにしてきた青。
しかし赤青・ウィザード&ゴブリンというアーキタイプの発見によってクローズアップされ、レギオンの参入と共にその真価を発揮しつつあります。
先のグランプリ京都で見事に優勝を飾った浅原晃氏も、決勝ドラフトでの色は白青でした。
今回は、主に GP 京都を題材とし、ドラフトにおける青のあり方を再検証してみたいと思います。
カード概説
レギオンで得たものは、何と言っても回避能力!でしょう。スペルの無いレギオンにおいて、青のメリットとなるのはそれだけなのですが、その質がかなりのものでした。《霧衣のウミツバメ/Mistform Seaswift》《慧眼のエイヴン/Keeneye Aven》《秘密調査員/Covert Operative》は速やかにゲームを終わらせる力を持ち、かつそれほど脆弱でもありません。
一方オンスロートからは、小技の効くスペルが多く得られます。《魔道士の悪知恵/Mage's Guile》などによりクロックを守るのも比較的容易です。
待ち焦がれていたコモンのバウンス《残響の追跡者/Echo Tracer》も加わり、青のみの力でも「詰み」の状況は幾分回避できるようになってきました。もちろん《本質の裂け目/Essence Fracture》が優秀なテンポ・カードであることは言うに及びません。
面白いのは、「霧衣」シリーズとスリヴァーのコンビネーションでしょう。スリヴァーはレギオンにしか存在しないため狙ってやるのはなかなか難しいですが、成功したときのポテンシャルは随一のものです。
赤青
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従来から人気の組み合わせですね。完成形は《溶岩使いの技/Lavamancer's Skill》と《火花鍛冶/Sparksmith》という「ティム」の圧倒的な支配力でもって盤上を支配するデッキです。
高桑祥広氏は、京都の 2 日目において一貫して赤青をドラフトして結果を残してきました。その一つの姿がこのデッキというわけです。
この例は《技》が 3 枚とやりすぎな感も漂うほどですが、やはりいくらあっても足りるということはありません。種族の中で最も弱いとされているウィザードですが、ここまで来ると素晴らしい力を見せてくれます。
環境に存在する除去が少なくなったのもある種追い風と言えるでしょう。もちろん《技》も《火花鍛冶》も減ったのは事実ですが、一度回避能力部隊が殴り出せば決着は早いのです。
重要なのは相手の攻勢を受け止める「壁」です。それは文字通り《霧衣の壁/Mistform Wall》であったり、ビーストに対する《激浪の生物学者/Riptide Biologist》であったりしますが、これらは同時に《溶岩使いの技》の良きパートナーとなってくれます。
白青
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オデッセイ・ブロックやインベイジョン・ブロックでも人気があった組み合わせですが、それらとは大きく性質を異にするのがこのブロックの白青です。
3 マナ(時には 2 マナの《雲に届く騎兵部隊/Cloudreach Cavalry》)から始まる航空戦隊は、どのカラーコンビネーションよりも豊富な数を誇ります。止まりにくいダメージ・クロックという意味では最強かもしれません。
しかしながら、システムへの対応力に欠けるのは否定できません。事実、GP 京都の準決勝では赤青の高桑氏に相当の苦戦を強いられています。観戦記を書いた平林和哉氏の「まさか青赤が白青に屈することになろうとは……」という一言が、白青の弱点を象徴しています。
逆に言うと、この一戦で白青にも光明があることが証明されたとも言えるわけで、見限るには早いと思います。
重要になるのはもちろん飛行クリーチャーの枚数、そしてそれに付随する2マナ圏のクリーチャーです。《騎兵部隊》はもとより、《栄光の探求者/Glory Seeker》や《戦場の衛生兵/Battlefield Medic》が 2 ターン目に出ていることが最低条件となるでしょう。
黒青
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飛行戦隊なのは他の組み合わせと一緒ですが、他の色と比べ種族システムが重要となります。もっと言ってしまえば、本質はスリヴァー・システムです。
《墓所スリヴァー/Crypt Sliver》でがっちり、《幽体スリヴァー/Spectral Sliver》で潜在サイズアップなど、スリヴァーの力を最も発揮できるのがこの組み合わせではないでしょうか。レアのスリヴァーに関しては言うに及びません。
レギオンで取れるカードに大きく依存する感は否めませんが、上手く組めば線の細さを補うことが出来るのです。
必然的にテクニカルな仕上がりになるので、ドラフトよりもむしろプレイングが重要となります。常にあり得る可能性を追求し、2〜3 手先を考えることが重要となります。
緑青
オデッセイ・ブロックでは人気の組み合わせでしたが、オンスロート環境になってからは選択する人を見なくなった組み合わせでした。
しかしながら、"Hatman" 中村聡氏が見せたパフォーマンスは予想を大きく上回るものでした。
| UG - Nakamura Satoshi / GP Kyoto 2003 2nd Draft | |
|---|---|
1 ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf 1 根囲いの壁/Wall of Mulch 1 霧衣の夢幻/Mistform Dreamer 1 ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante 1 原初を囁く者/Primal Whisperer 1 虚空魔道士の弟子/Voidmage Apprentice 1 毒噴きブラッカス/Venomspout Brackus 1 慧眼のエイヴン/Keeneye Aven 2 エイヴンの賢人/Sage Aven 1 樹皮革のやっかいもの/Barkhide Mauler 1 きらめく翼の発動者/Glintwing Invoker 1 針撃ちゴルナ/Needleshot Gourna 1 歪んだ爪の古老/Crookclaw Elder 1 逃げ出したプライモック/Primoc Escapee 1 流水の長魚/Slipstream Eel 1 クローサの大牙獣/Krosan Tusker |
1 セファリッドの抜け道魔道士/Cephalid Pathmage 1 歪んだ爪の古老/Crookclaw Elder |
私自身、この組み合わせがこの環境で活躍するとは全く思っていなかったので、ポイントの説明のしようがありませんでした。そこで、今回はその当事者である中村氏に直接取材をしました。
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青緑を一言で端的に表すと、「自分だけが常に足を止めずに殴り続けることができるサイズ」です。地上も、空も、自分の方が一回りサイズが大きい。ただクリーチャーを並べるだけで、相手は殴れず、自分は殴れる環境ができあがるのです。言いかえるとこれがまさしく「テンポ」であり、これはいつの時代も積極的に青緑を選択する理由になります。
青緑に必要なのは、ある程度予想がつく通り《締めつける綱/Choking Tethers》《本質の裂け目》などの「最後の一撃につながる目の前をこじ開けるカード」です。序盤で得たテンポを活かしきってそのまま押し切るイメージです。また、青であることは、《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》《うなるアンドラック/Snarling Undorak》や《暴れまわるマーロドント/Berserk Murlodont》(これはタイミングが難しくなりますが)など、種族を利用した強力な緑のクリーチャーを利用できるということでもあります。
青緑で最も重要なコモンカードは、中村氏曰く《ワイアウッドのエルフ/Wirewood Elf》。主力が 4 マナ 5 マナになりやすい色なので、マナ加速は他の色よりも重要となります。相手の 3 ターン目の変異を圧倒できる戦力を並べること、それが青緑の存在意義になります。
プレイングの留意点を中村氏にまとめていただきました。
足を止めるな。止まるデッキを作るな。 敵のシステム・クリーチャーはサイズで対抗せよ。 《火花鍛冶》だって 4/4 は焼けないさ。 敵のクリーチャー除去には数で対抗せよ。 どうせデッキにはクリーチャーしか入ってないし。 地上が止まったら空から攻めろ。 空が止まる頃には、《締め付ける綱》を引いてるさ。
意外となんとかなるというこの組み合わせ、一度試してみる価値があるのではないでしょうか。
より幅広いドラフトへ
中村氏の言葉に、「常に人気のない色はドラフトの正着手」というものがありました。
一方で、人気のない色であるということは、カードパワーではやはり劣るということでもあります。そのまま他の人気色に立ち向かっていたのでは、押されるのは否めません。
ですが、青に全く触らないのでは、ドラフトの可能性の一部を自ら奪っていることになるのではないでしょうか。青を知り、青を使うことで、より深みのあるドラフトを楽しめると思っています。
皆様のもとに良いカードが訪れますように。




