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象とワーム達の軍隊

2003/04/20 17:40更新

象とワーム達の軍隊

Peak Magic をご覧の皆様、初めまして。

今回は私が日本選手権東北予選で使用した青緑フラッシュバックデッキについて、デッキができるまでの道程と、実際の対戦でどうであったかレポートを交えてお送りしたいと思います。

デッキができるまで

私はまず日本選手権予選のメタゲームを、「ステロイド、サイカトグ、その二つのアンチデッキの三つ巴になる」と予想しました。 実際、東北予選の一週間前に行われた 3 ヶ所の予選では、ステロイド、サイカトグが多数の通過者を生み、それに白緑赤、サイクリングが続くという結果が出ていました。

私のデッキ構築の出発点は青緑マッドネスでした。 現在のメタゲームでは主流派ではないものの、もともと 6/6 の存在からステロイドとは相性が良く、俗に言う「鬼回り」によって他のデッキとも渡り合えるこのデッキを土台にして調整をスタートすることにしました。

ところで、青緑マッドネスはなぜ現在メタゲームの主流から追いやられてしまっているのでしょうか。

Roar of the Wurm

私が考えるに、「良くも悪くも共鳴者に頼っている」ということが原因の一つだと思います。 実際、ステロイドの火力やサイカトグの《燻し/Smother》によって共鳴者を潰され、手札に《尊大なワーム/Arrogant Wurm》《ワームの咆哮/Roar of the Wurm》を抱えたまま動けない、というのがマッドネスの一つの負けパターンであると思います。

そこで、私がマッドネスを改良する際の案として

  1. 死なない共鳴者を採用する
  2. 共鳴者が死んでもデッキが回るようにする

という異なる 2 種類の方向性を試して見ることにしました。

まず私は 1 の方向性を試してみることにしました。 ちょうどその頃、Web 上に《ゾンビの横行/Zombie Infestation》を入れたタッチ黒のマッドネスのレシピがあったので、それを元にデッキを構築し、とある大会に出場しました。

結果からいうと 3-3 と、正直ぱっとしない成績でした。 苦手の黒コンと当たり続けたというのもありますが、やはり 3 色故の不安定さが目に付きました。 「長期戦の選手権予選では不安が残る」という結論を出し、一旦調整を放棄することにしました。

次に、2 の方向で調整を進めてみました。 共鳴者がいなくてもデッキが回るようにするということで、まず目に付いたのは《尊大なワーム》でした。 現環境では 5 ターン目に 4/4 が出てもあまり脅威にはならないことから、これを他の 1~ 3 マナ域のクリーチャーに置き換えることにしました。

様々なクリーチャーを試し、最終的にこのスロットに収まったのは《獣群の呼び声/Call of the Herd》でした。 他の候補は《呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur》《森を護る者/Sylvan Safekeeper》がありましたが、今のサイカトグは除去を黒に頼っていることや基本サイズが小さいなどの問題点があり、最終的にデッキからは外れました。

この時点で《尊大なワーム》がいないことから共鳴者の重要度が下がったので、単純にデッキパワーの高い Quiet Roar を新たに土台にし、完成したデッキが以下のデッキです。
Quiet Roar - Kudo Kouichi / 2003 Tohoku Regionals *5th*
 4  野生の雑種犬/Wild Mongrel
 4  マーフォークの物あさり/Merfolk Looter
 4  日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla
 2  熊人間/Werebear
 2  不可思議/Wonder

16 Creatures 4 入念な研究/Careful Study 4 獣群の呼び声/Call of the Herd 3 ワームの咆哮/Roar of the Wurm 2 綿密な分析/Deep Analysis 3 物静かな思索/Quiet Speculation 4 堂々巡り/Circular Logic 2 ブーメラン/Boomerang
22 Spells 10 島/Island 9 森/Forest 3 真鍮の都/City of Brass
22 Land 60 Total Cards
 3  貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth
 3  ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante
 3  被覆/Envelop
 3  無神経な抑圧者/Callous Oppressor
 2  天啓の光/Ray of Revelation
 1  クローサ流再利用/Krosan Reclamation

15 Sideboard Cards

それでは具体的に各カードの説明をしたいと思います。

《獣群の呼び声/Call of the Herd》

Call of the Herd

間違いなく今回の MVP カードです。

ステロイド相手には《物静かな思索/Quiet Speculation》につなぐまでのブロッカーとして、またサイカトグ相手にはカードアドバンテージが取れるアタッカーとして、八面六臂の活躍をしました。 特に対サイカトグの相性は、このカードによってかなり向上しました。 ただ、白緑赤相手にはあまり効果がありませんでした。(相手のタフネスが 4 以上が多いため)

4 枚入っていますが、今後白緑赤が多くなれば枚数はもう少し少なくなるでしょう。

《熊人間/Werebear》

《入念な研究/Careful Study》から繋いで 3 ターン目に 6/6 を出したり、中盤以降 4/4 になって出てきたりとなかなかの働きでした。

とはいえ活躍するときとしないときの差が大きいので 2 枚です。

《ブーメラン/Boomerang》

Boomerang

バウンスのスロットに何を入れるか迷ったのですが、パーマネント全てを対象にできるこれを採用しました。単純にメインから《罠の橋/Ensnaring Bridge》《崇拝/Worship》に対処する手段が欲しかったというのが主な理由です。

このデッキは序盤をクリーチャーの展開に使い、バウンスを打つのはどうしても中盤以降になります。どうせ序盤に使わないのなら若干コストが重くても効果の高いものを使おうと思ったわけです。

《無神経な抑圧者/Callous Oppressor》

白緑、青緑対策に入れていたのですが、あまり役に立ちませんでした。 白緑は赤を入れたものが主流になっているため容易に除去され、青緑はそもそも使用者が少なかったからです。

恐らくこのスロットを《不可思議/Wonder》《ブーメラン》の追加とあと 1 枚何かに当てるのが正解だったと思います。 今後はこのカードがサイドに使われることは少なくなると思います。

《ナントゥーコ自警団/Nantuko Vigilante》

Nantuko Vigilante

《罠の橋》対策です。

何故《帰化/Naturalize》ではないかというと、デッキのクリーチャーの数を減らしたくなかったからです。 主にサイドインする相手は黒コンとステロイドになることから、このカードの方がデッキに合っていると思い、こちらを採用しました。 《ブーメラン》の所にも書きましたが、どうせこのカードを使うのは中盤以降なので、5 マナそろえてキャストするのはそう難しいことでもありませんし。

各デッキとの相性

対ステロイド
かなり有利。6/6 が出るまでにライフを 10 以上残せれば大体勝てます。7:3。
サイカトグ
《獣群の呼び声》のおかげでかなり有利に。《霊気の噴出/AEther Burst》入りのバージョンなら多少苦戦するが、それでも 5:5 くらい。普通の Budde 型なら 7:3 くらい。
対白緑赤
相手のほうがサイズが大きいので早い段階で 6/6 が出せないと辛い。それでも《不可思議》でダメージレースができればいい勝負ができます。4:6 ~ 5:5 で、お互いの引き次第。
対黒コン
普通に辛いです。それでも《ブーメラン》で意表をつければ、といったところ。カウンターを《もぎとり/Mutilate》《堕落/Corrupt》に絞って、なるべくクリーチャーを場に残すようにし、一撃でけりをつけましょう。4:6。
対サイクリング
ただでさえ相性が悪いのにこちらの主力はトークンです。諦めましょう。2:8。

といったところでしょうか。

トーナメントリポート

それではトーナメントリポートの方をどうぞ。

1回戦 黒緑Husk

1戦目

緊張の初戦、先行の相手は《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald》と展開。こちらも順当に《野生の雑種犬/Wild Mongrel》から《ワームの咆哮》を場に出す。

数ターン後、相手が《新緑の連続/Verdant Succession》を出したことにより、地上が完全に膠着。相手の《ナントゥーコの鞘虫/Nantuko Husk》のみをカウンターし、こちらが《不可思議》を引いて勝負あり。

2戦目

相手の動きが悪く、完全にこちらのペース。途中で相手の《生命を破滅させるもの/Bane of the Living》によりワームトークン 2 体が葬られるが、無事に後続を引いてきて勝利。

1-0

2回戦 ステロイド

みやけんさんでした。

1戦目

相手が《森》 2 枚で止まる大土地事故。なんか申し訳なく思いながら勝ちを拾う。

《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》が殴りに行くのを忘れて 1 ライフ残してしまうミスがあったので、緩んだ気を引き締めなおす。

2戦目

こちらの動きが 3 ターン目の《獣群の呼び声》と遅い動き。しかも共鳴者を引かず、手札に《ワームの咆哮》が腐ってしまう。

そんな動きをして、先行を取ったステロイドに勝てるわけ無く。

3戦目

初手が《島》4 枚に 《森》《物静かな思索》《綿密な分析/Deep Analysis》で少し悩むも、4 ターン目のワームが見えているのでそのままキープ。 で、2 ターン目のドローが《雑種犬》とせこい引きで急に充実の手札に。

相手の回りも悪く、6/6 の群れであっという間に圧殺。

2-0

ここで会場をざっと見て回る。予想通りステロイド、サイカトグ、白緑赤が多く、次いで青緑、黒コン、サイクリングといったところ。 2 戦目の時点で黒コンとサイクリングが早くも同士討ちや時間切れで多数が全勝ラインから消えていってしまったようです。

3回戦 白緑赤

1戦目

こちらが土地 3 枚で止まるものの、地上をチャンプブロックしながら《雑種犬》《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》で空からビートダウン。 最後はチャンプブロッカーとして召喚された相手の《極楽鳥/Birds of Paradise》《堂々巡り/Circular Logic》して勝負あり。

2戦目

3 ターン目までに相手が《極楽鳥》《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper》《生ける願い/Living Wish》《絹鎖の蜘蛛/Silklash Spider》)、こちらが《入念な研究》《不可思議》が墓地に)《物あさり》《雑種犬》と展開。 4 ターン目の《絹鎖の蜘蛛》をレスポンスの《マーフォークの物あさり》起動→ライブラリトップからの《堂々巡り》で凌ぐ。

その後《起源/Genesis》から戻ってきた《蜘蛛》を更に《堂々巡り》し、《クローサ流再利用/Krosan Reclamation》《起源》にもご退場いただく。

この間に相手が戦線にほとんどクリーチャーを追加できなかったのに対し、こちらはワームトークンを場に出している。この差が大きく、ダメージレースで競り勝つ。

3-0

4回戦 サイカトグ

1戦目

こちらが先行マリガンからスタートするものの、2 ターン目の《物あさり》が場に残り、さらに《思索》を通して楽な展開。 相手がワームトークンを除去している間、《雑種犬》《ルートワラ》で空から殴り続け、最後は相手のタップアウトの《激動/Upheaval》を打ち消して勝利。

2戦目

相手が先行マリガンし、《地底の大河/Underground River》からしか青マナが出ずにどんどんライフが削れて行く。 《物あさり》《獣群の呼び声》《雑種犬》《思索》と連打し、カウンターも除去も尽きた相手をあっという間にライフを削り落とす。

4-0

5回戦 白緑赤

1戦目

序盤お互いの動きが遅く、あっという間に地上が膠着する。

しかし、こちらがいくらライブラリーを掘っても《不可思議》を引けない。 《物あさり》 2 体の奮闘も虚しく、先に相手に《栄光/Glory》を引かれてしまい敗北。

2戦目

こちらが 4、5 ターン目にワームトークン 2 体を場に出すものの、その返しで相手が《崇拝》《千足虫/Gigapede》《崇拝》と場に出してしまう。

エンチャント破壊を引けないまま、素出しの《栄光》にライフを削り取られてしまい、負け。

4-1

6回戦 ステロイド

1戦目

こちらがデッキの端のほうしか引かない。 相手が順調に展開する中、ひたすら《ワームの咆哮》《綿密な分析》《堂々巡り》と土地を引き続け、《ワームの咆哮》を 2 枚抱えたまま撲殺される。

2戦目

序盤からお互いのクリーチャーが次々と相打ちと火力で死んでいくが、こちらが《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》を 2 枚引いて若干有利に。

そのまま膠着するもののワームトークンを並べ、相手が赤マナをタップアウトした返しに《綿密な分析》《入念な研究》《不可思議》を墓地に落として空から相手のライフを削りきって勝利。

3戦目

相手がマリガン。 《雑種犬》に《象の導き/Elephant Guide》をつけて殴って来るが、《ベイロス》とワームトークンのダブルブロックで無事に撃退。

その後地上が膠着し《不可思議》待ちになるものの、すぐに引いてきて勝利。

5-1

7回戦 ステロイド

ナカジマさんでした。どうやら今日はジャッジの方とよく当たる日のようで。

1戦目

相手が《ルートワラ》に《象の導き》をつけて殴ってくるものの、ブーメランでバウンス。 加えてこちらがほぼ完璧な周りを見せ、わずか 5 ターンで相手のライフを削りきってしまう。

2戦目

こちらが《雑種犬》、《物静かな思索》からのワームトークン 3 体という凶悪な回り。 相手も火力やチャンプブロック、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》で必死に 3 体とも除去するものの、2 枚目の《思索》から象トークンを追加。 相手のライフを 2 まで削り落とし、最後は相手がこちらの変異 2 体に対するブロッカーを用意できずに勝利。

6-1

8回戦 ID

この時点で 5 位。6 ~ 8 位の人とあたると ID できない可能性があったが、無事に ID できる人とあたり ID。

最終成績 6-1-1 (5位)

当日を振り返って

当日は予想よりも白緑赤が多く、若干メタを読み違えていた感もあったものの、恵まれたマッチアップもあってなんとか予選を通過することができました。

大会全体の傾向としてはビートダウン系、特に白緑赤が勝ち組となり、通過ライン上には多数のビートダウンデッキが存在していました。 その中を数少ないコントロールがかいくぐって権利を得ていたという印象でした。

負け組としては黒コントロールが挙げられます。純粋な黒コントロールは《たい肥/Compost》の海の中に沈んでいき、最終的に上位に残っていたのは白黒や青黒の中速ビートダウン・コントロールデッキでした。

サイクリングは使用者数は少ないものの、2 人の通過者を出しました。今後の予選では十分に対策が必要になると思います。

最後に

今後予選に参加されるみなさんは、プレイングの他にメタゲームを正確に読む力が問われます。 メタの中心に位置するデッキを見極め、それに有利なデッキ、もしくは有利になるようにデッキをアレンジして持ち込むことは予選通過のための重要なポイントです。

今週末は東海、そして甲信越、近畿、四国、関東とまだまだ予選は続いていきます。 今後予選を参加する皆さんに、私の未熟な文章が少しでも参考になれば幸いです。

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記事へのツッコミ(2) [ツッコミを入れる]
_ 工藤 耕一 2003/04/20 16:15

記事中の最後の文章で「東海、そして近畿、関東~」となっていますが、誤って甲信越と四国を抜かしてしまいました。<br>正しくは、「東海、甲信越、そして近畿、四国、関東~」です。<br>申し訳ございませんが、修正お願いします>みやけんさん

_ みやけん 2003/04/20 17:40

修正しておきました。


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