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マナが無くては戦(デュエル)はできぬ

2003/08/06 20:58更新

マナが無くては戦(デュエル)はできぬ

Written by 深紅

「Peak Magic」読者の皆様、はじめまして。

ついに第 8 版(コアセット)が発売されました。1 ヶ月以上前にカードリストが発表されたので、かつての愛用カードが再録されたり意外な主力カードが落ちたりして一喜一憂した方も多いことでしょう。

第 8 版がスタンダードで使えるようになるまでは、まだしばらく時間があります。その隙に今回は、「マナ基盤」にスポットを当てて考察してみようと思います。

第8版におけるマナ基盤の変動

Llanowar Elves
基本セットから脱落したことは大きな衝撃

第 7 版まで当たり前のように使われてきた《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》が基本セットから脱落したことは、大きな衝撃でした。

《ラノワールのエルフ》は緑を含むデッキの多くで採用され、序盤のマナブースト兼アタッカーとして重宝したのですが、昨年の WoC 公式サイトで行われた投票で《極楽鳥/Birds of Paradise》《ぶどう棚/Vine Trellis》のタッグに敗れたのは、いまだ記憶に新しいところです。

その代わりに基本セット入りしたのは《エルフの開拓者/Elvish Pioneer》《ぶどう棚》ですが、どちらも《ラノワールのエルフ》が果たしていた役割をそのまま引き継ぐことは期待できません。

また、《カープルーザンの森/Karplusan Forest》《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》等のペインランドも落ち、代わりに《シヴのオアシス/Shivan Oasis》《沿岸の塔/Coastal Tower》等のタップインデュアルランドが収録されました。

この変更は、後述するゲームの展開速度とは別の面から、個人的に評価したいところです。なぜなら、多色デッキを組む上で必須ともいえる 2 色ランドのレアリティが下がって揃えやすくなることは、新規プレイヤーにとって優しい環境だと言えるからです。

City of Brass
スピード重視のデッキで使用頻度が増えるかも

ちなみに 5 色何でも OK の《真鍮の都/City of Brass》は残留。ペインランドが落ちたので、もしかすると今後はスピード重視のデッキで使用頻度が増えるかもしれません。

ウルザトロンの復活は意外でしたが、なかなか面白いと思います。トーナメント環境への影響は未知数であるものの、こうした派手で華のあるカードの再録は、カジュアルプレイヤーに歓迎されることでしょう。

マナ生成アーティファクトに目を向けますと、各色のダイアモンドが消滅し、代わりに《星のコンパス/Star Compass》が再録されました。

ダイアモンドは《嵐の大釜/Storm Cauldron》等を用いた土地ロック系のデッキ、あるいはコントロール系デッキのマナサポートに使われる程度で、トーナメントデッキには殆ど入る余地がなかったようです。《苔色のダイアモンド/Moss Diamond》に至ってはマナ生物が充実しているがため全く出番をもらえなかったので、5 色の機能を一つにまとめた(その代わりタッチカラー用のマナサポートには不向きな)《星のコンパス》への交替劇は、ひとまず妥当だと言えるでしょう。

この他に地味なところでは、《繁茂/Wild Growth》が消えて《肥沃な大地/Fertile Ground》が再録されました。

もちろん「1 マナ→緑マナだけ」と「2 マナ→全色 OK」では役割が大きく異なりますが、(オンスロートブロックのダブルフェッチランドと併せて) 5 色デッキが組みやすくなっていることは要注目ですね。

第8版環境のスピードは?

Duress

青の《手練/Sleight of Hand》《魔力の乱れ/Force Spike》や黒の《強迫/Duress》落ちにも示されているように、第 8 版では明らかに「従来よりも遅いゲーム展開」が意図されています。

……しかし、これを鵜呑みにするのは危険です。自明のことですが、スタンダードデッキは基本セットだけで組むものではないからです。

現在スタンダードで使えるオデッセイブロックとオンスロートブロックには、高速展開向けのカードがゴロゴロしています。オンスロートのダブルフェッチランドは言うまでもありませんが、オデッセイのフィルターランドやトーメントの黒系 2 色ランドも、今後しばらく重要度を増すことでしょう。

有力なデッキタイプの構成パーツと照らし合わせて考えれば、基本セットの入れ替えによって打撃を受けるデッキタイプと、そうでないデッキタイプの差が、有利不利に直結してくるものと思われます。

主要デッキタイプへの影響は?

そこで、ある程度は呪文の入れ替えも考慮しつつ、主にマナ基盤と低マナ域呪文から見た主要スタンダードデッキの今後を検討してみましょう。

端的に言えば、立ち上がりの速さを重視する友好色デッキが打撃を受け、それ以外のデッキタイプが相対的に強さを増すことが予想されます。

ステロイド

最も深刻なダメージを受けると思われるデッキタイプです。

序盤からの展開速度を重視するステロイドにとって、《カープルーザンの森》《ラノワールのエルフ》の脱落は致命的と言えるでしょう。

サイドボードに欠かせなかった《たい肥/Compost》が消えるのも、今後の黒コン隆盛を思えば苦しいですね。

ただし《極楽鳥》《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》は健在なので、もしかすると《カープルーザンの森》《真鍮の都》に替えて強引に生き残るかもしれません。新環境で猛威を振るいそうな《物語の円/Story Circle》に対抗しうる《野生の雑種犬/Wild Mongrel》の常駐デッキでもあることですし。

ちなみに同じ赤緑でも、オンスロート中心のエルフ・ビーストデッキなら……?

サイカトグ

ステロイドと並んで、あるいはステロ以上に先行きが厳しいと思われます。

むしろサイカの場合は、《地底の大河/Underground River》よりも《魔力の乱れ》《対抗呪文/Counterspell》《記憶の欠落/Memory Lapse》といった打ち消し呪文の喪失が大きな痛手となりますが。

数少ない好材料は、《マナ漏出/Mana Leak》の復活と、難敵のステロイドが道連れに鈍化してくれることくらいですが……、打ち消し呪文への依存度が高いサイカは、下手をすればデッキごと姿を消してしまうかもしれません。

マッドネス

ステロの不安定化により、相対的に勢いを戻すのでは?と思われるデッキタイプです。

なにしろ青緑なので、友好色ペインランドが消えたところで痛くも痒くもありません。また、打ち消し呪文も《堂々巡り/Circular Logic》がメイン……というか、要するに基本セットへの依存度が極端に低かったデッキなので、ミラディン登場までの短い間ですが再び活躍することが期待できます。

重要なドローパーツだった《マーフォークの物あさり/Merfolk Looter》が退場するのは痛いところですが、代替品が無いわけでもないですし。

ウェイク

立ち上がりは遅くなるものの、環境の低速化によって恩恵を受けそうです。

ただし確定カウンターが《巻き直し/Rewind》《まごつき/Discombobulate》といった 4 マナ圏に暴騰してしまうのは、このデッキに限らず痛いところですね。

サイクリング

白赤なので大きな影響は無い、でしょう。多分。

黒コントロール、ゾンビなど

単色なのでマナ基盤への影響はありませんが、黒コンを支えていた《強迫》《堕落/Corrupt》という二大呪文が落ちるので、おそらくノンクリーチャー系では無理でしょう。

ゴブリン、赤単

赤単色な上にフェッチで土地を圧縮してまで高速展開を図るスライは、おそらく以前よりも勢力を伸ばすことでしょう。

ところで 3 マナ域以降に《ヴィーアシーノの砂漠の狩人/Viashino Sandstalker》《レッサー・ガルガドン/Lesser Gargadon》《溶岩の猟犬/Lava Hounds》《双頭のドラゴン/Two-Headed Dragon》といったユニークなヘビーパンチャーや《ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan》が再録されたのは喜ばしいですが、おそらく実戦的なデッキで使われる機会は少なそうです。中速~低速の赤単コントロール系は成立が難しいので、エンチャント対策を施した赤白・赤緑などのカジュアル系多色デッキで活躍することを祈りましょう。

めでたく復活したリセット呪文《抹消/Obliterate》も、《霊体の地滑り/Astral Slide》で対戦相手が主要クリーチャーを避難させる恐れがあるので、微妙なところですね。

白単

ゴブリンへの対抗上、白単(特にコントロール系)も台頭の予感が。

白青パーミッション

《対抗呪文》落ちによって多くの青使いが絶望や呪いの叫びを漏らす中、「ひょっとしたら大穴的に猛威を奮うのでは!?」と期待されているデッキタイプです。

マスクスブロックがスタンダードで使えた頃、《物語の円》《石臼/Millstone》を中核にした「ミルストーリー」が活躍しました。白から《解呪/Disenchant》が消えたのでミラーマッチになった場合は不安が残るものの、同じヘビーパーミッション系でも《賛美されし天使/Exalted Angel》の方が多用されそうなので、アーティファクト依存のミルストーリーを使えば裏をかけるかもしれませんよ。

おわりに

ざっと駆け足で眺めてきましたが、スピードとデッキ相性の変化が環境全体にどのような影響を及ぼすかは、まだまだ未知数です。

もちろん、新しく 8 版に再録された意外なカードが重要な役割を果たすことになる可能性も、決して無視できません。

まずは初心に戻って、デッキ構築を楽しみながらデュエルを重ねて新環境に親しんでみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見がありますよ。

Tags: Casual
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記事へのツッコミ(17) [ツッコミを入れる]
_ おなか一杯 2003/07/24 17:28

実はカウンターでは巻き直しと中略が結構なシナジーを形成したりするんですな。

_ G 2003/07/25 00:11

楽しく拝見させていただきました。<br>雑感総まとめ、といった感じで、今後の見解に触れているあたりは、メタに関してのプレイヤーの思考の一例、という点でも参考になりました。

_ 青愛好家 2003/07/25 11:27

今後の環境についていろいろと触れられていて、楽しく見られました。<br>今後の環境の参考になりそうです。

_ Gix 2003/07/28 07:24

全体的によくまとまっていました。<br>デッキに対する影響の考察が面白かったです。<br><br>今回の変動により、様々なデッキが現れることを期待します。

_ yuki 2003/07/28 03:20

強迫のイラストが・・・(文章内のツッコミでなくてすいませんw)

_ みやけん 2003/07/28 09:29

イラストがどうかされたのでしょうか?

_ もちき 2003/07/29 11:00

ツッコミではなく感想ですけど、やはりまとめが上手く、読みやすかったです。<br>今後のメタの参考にもなりました。<br>深紅さん、これからも頑張って下さい。<br><br>それでは。

_ おなか一杯 2003/07/29 11:27

7thのくせに黒枠だ!ってことじゃないですかね

_ 名無し 2003/07/30 20:18

>青の《手練/Sleight of Hand》 《魔力の乱れ/Force Spike》 や黒の《強迫/Duress》 落ちにも示されているように、第 8 版では明らかに「従来よりも遅いゲーム展開」が意図されています。<br><br>この辺のカードからは「環境を遅くする」という意図は十分に見えないと思いますが・・・展開にそこまで影響を与えるカードたちではないですし。<br>寧ろ,《対抗呪文/Counterspell》を落としたことなどがそれに当たるかと。

_ おなか一杯 2003/07/31 09:49

カード制作陣の意図をくみ取るとしたら<br>多色やカウンターをベースとするコントロールはそう易々と序盤から主導権を握らせないよ、ではないかなと。早いデッキは後半に息切れするし、遅いデッキは序盤をいかにしのぐか問題である、と。<br>寧ろ序盤中盤後半いつでも強かった昔のUbrサイカみたいなのが異常に思える。<br><br>強迫や対抗呪文は、略奪などのように『いつでもどんなときでも』役に立つカードを極端に制限したからではないかな、青に復刻したかカウンター群を見やると顕著。

_ なべ 2003/07/31 14:13

記事を読んでて思ったのですが、確定カウンターや軽いカウンター、軽い手札破壊が消えることによって、ウィニーデッキやコンボデッキがどんどん増えそうで楽しみです。<br>楽しく読めました。

_ HOT 2003/07/31 19:32

完成度の高い、すばらしい記事でしたよ

_ しらたか 2003/07/31 21:28

楽しく拝見させていただきました。<br>文章もまとまっていて、読みやすかったです。<br>赤スライや白ウィニーは当然出てくるでしょうし、<br>クリーチャーメタのコントロールデッキも<br>出てきそうな予感がします。<br>今、私はONSブロック構築+αな<br>デッキで考えていますが...。

_ 深紅 2003/08/01 05:08

ツッコミや感想を下さった皆さん、ありがとうございます。<br>予想していたよりも好意的な評価をいただいて、恐縮するやら気恥ずかしいやら。これを励みにして精進します。<br><br><br>※名無しさんのツッコミ(手練、強迫、魔力の乱れの役割)に関して<br><br>>強迫や対抗呪文は、略奪などのように『いつでもどんなときでも』役に立つカードを<br>>極端に制限したからではないかな、青に復刻したかカウンター群を見やると顕著。<br><br>という、おなか一杯さんのご指摘どおりだと思います。<br>ゲームスピードと呪文の役割を混同してしまい、失礼しました。<br><br><br>※この記事で触れた以外のデッキタイプについて<br><br>最近の公式戦で暴れ回っているタッチ黒の「ゴブリン召集」は、7版落ちで《硫黄泉》や<br>《ゴブリンの女看守》が消えてしまうので、痛手を被りそうなデッキの典型ですね。<br>(某所に8版への対応に関する考察記事が載っていました。興味深かったです)<br><br>また、ONBCではゴブリンメタの黒青コントロールも好成績を残しています。<br>これを原型にしたデッキがスタンダードに現れる可能性にも、要注目かと。

_ 深紅 2003/08/01 06:18

……それから、これは自分も皆さんに訊いてみたかったのですが、<br>「白ウィニーがトーナメントレベルで活躍する見込みは?」<br><br>マナ域の話に絡めますと、白は第8版では特例的に1~2マナ域のカードが強化されているんですよね。<br>《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》や《陽光尾の鷹/Suntail Hawk》に、ONSブロックの《白騎士/White Knight》《銀騎士/Silver Knight》などを加えて《栄光の頌歌/Glorious Anthem》で強化した速攻は、確かに魅力的で面白いのですが……、<br>《ハルマゲドン/Armageddon》のようなロック手段が無い、全体除去に弱い、単色では《罠の橋/Ensnaring Bridge》や《野火/Flashfires》が辛い……などの点で、やはり厳しいのではないかと思います。かと言って、色を散らすと遅くなりますし。

_ おなか一杯 2003/08/02 10:26

白ウィニーはゴブリン相手にしてダメージレースで勝てるとはおもえんのよな。<br>『白にしかできない』がマスデストラクションに偏ってきた上に<br>『白だとできない』ものが多すぎる。<br>クリーチャーの質も決して高い方じゃないし。<br>ライオン?とりあえず雑種犬が落ちて、次のエキスパンションの中身を見てからですか。

_ 深紅 2003/08/06 20:58

やっぱり厳しいですね……。


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