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2003世界選手権 ファーストドラフト・5番ポッド レポート

2003/08/09 09:03更新

2003世界選手権 ファーストドラフト・5番ポッド レポート

(訳注:プレイヤー名の後にある括弧つき数字は席番号であり、訳者が便宜上加えたものです。)

ドラフトのピック譜は http://www.wizards.com/default.asp?x=sideboard/worlds03/dr1picks にあります。 以下のフィーチャーマッチ・レポートもチェックをお忘れなく。(リンク先は英語)

Brian Kibler, Dirk Baberowski, William Jensenを中心に

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ドラフトはエキサイティングなパック―というか、「Brian Kibler (1) にとって」エキサイティングなパックで始まった。Kibler がパックを並べるとそこには《賛美されし天使/Exalted Angel》があり、Kibler はヘッドジャッジである Rune Horbik のドラフト開始のコール前に《天使》を掴み取ってしまいそうな勢いだった。

この環境にしては珍しく、その最初のパックは非常に意味のあるものであり、カード選択を示すことで 8 人全員が確かな色主張をすることができた。Steven Wolfman (2) が《稲妻の裂け目/Lightning Rift》、Gerard Fabiano (3) が《燻し/Smother》、William "Baby Huey" Jensen (4) が《ショック/Shock》を取った後、Dirk Baberowski (5) は自分と Kibler (1) の間に誰も白使いがいないのを見て、白を主張するべく《山麓の案内人/Foothill Guide》を取った。結果 Daniel Brasil (6) は喜んで《毒吐きゴルナ/Spitting Gourna》を取り、Wolfgang Eder (7) は《乱打する岩角獣/Battering Craghorn》を取った。最後に Mongkol Tochasukjai (8) が《霧衣の壁/Mistform Wall》《映像の造形者/Imagecrafter》と集め、青―おそらく青赤になるであろう―を主張した。

第 2 パックには《火花鍛冶/Sparksmith》《クローサの拳カマール/Kamahl, Fist of Krosa》という 2 枚のゴッドカードが含まれており、Wolfman (2) が前者を、Gerard (3) が後者を取り、Gerard は緑黒に向かうこととなった。Huey (4) は《ゴブリンの監督官/Goblin Taskmaster》で赤路線、Dirk (5) は「彼が白をやりたいということを分かってない人が万が一いたときのために」《篤信の魔除け/Piety Charm》を取った。無論皆それを理解していたのだが、問題があるとすれば彼に渡せる白いカードがないことだった。Dirk は第 3・4 パックでそれぞれ《ダールの騎兵/Daru Cavalier》を取り、続く自分のパックでも 3 枚目を取る機会があったが、ここは《陰謀団の執政官/Cabal Archon》を優先した。 867.jpg

Kibler (1) もまた白を取ろうともがいていたのだが、防御的な黒いカードを手に入れることができただけで、《天使》以降プレイに値する白いカードを手にすることができていなかった。その一方、Huey (4) もドラフトの未来図を描く段階に来ていた。Huey は《暴動/Insurrection》《稲妻の裂け目》を連続して取れていたのだが、2 色目が不透明だった。上家の Gerard (3) は緑黒に向かおうとしており、青赤はすでに Wolfman (2) と Mongkol (8) の 2 人が主張している。3 人目の青は厳しいため、Huey (4) は Gererd (3) が《平穏な茂み/Tranquil Thicket》を取ったところで《うねるバジリスク/Serpentine Basilisk》《樹を跳ねるロリアン/Treespring Lorian》を取るという決断に出た。以降、この 2 人は喧嘩にならないように緑を取り合っていくことになる。「色を共有してくれるのなら、できる限り協力的にドラフトしよう。」というわけだ。

だが、Huey (4) はドラフト自体の結果には不満のようだった。曰く、「ダメだ…全然ダメダメだね。」 Huey は誰かに不満をぶつけるというわけでもなかったが、その矛先はパックの内容へと向いた。「カードの内容がひどすぎたと思うんだ。こんなになるとは思ってもみなかったね。」彼は大層ご不満の様子だったが、勝利への鍵を《森林守りのエルフ/Timberwatch Elf》に見出した。「これを引けて、なんとか勝てる見込みができたね。」 彼は最終パックで《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》を手に入れている。これは彼のデッキで非常に良い働きをするだろう。彼はスリヴァーのセットをカメラに向かって見せ付けながら、何も良いカードがないと文句を言っていたものの、《暴動》という勝ち筋はあるし、それを《ゴブリンの乱伐者/Goblin Clearcutter》《エルフの逸脱者/Elvish Aberration》で加速するプランもある。もちろん、《森林守り》+《共生虫》のコンボが決まれば、その必要すらない。最低 2-1 はできると予言しよう。

Kibler (1) はかなり興奮していた。デッキ登録の際に同じデーブルだった Antonino De Rosa から祝福を受けていたりもした。De Rosa は誇らしげにカードの束の一番上にある《天使》を見て、うらやましげに「なんてラッキーな奴なんだ。」と言っていた。

Kibler は首をすくめて同意した後、「《天使》は取れたけど、他にいいカードがないから差し引きゼロさ。」と言った。彼はオンスロートのパックからほとんど白いカードが出なかったという奇妙な事態も認めた。「Dirk (5) と僕 (1) が唯一の白使いで、しかも対角線上に並ぶようにしたのに、《ダールの槍騎兵/Daru Lancer》も、《栄光の探求者/Glory Seeker》も、《疾風衣の侵略者/Gustcloak Harrier》も、果ては《急降下爆撃兵/Dive Bomber》も出ないんだもの!」 レギオンに入っても、彼らは自分のデッキが白くなるのかさえ疑わしくなる有様だった。事実、レギオンのパックからは 4 枚もの《ダールのとげ刺し/Daru Stinger》が出たものの、2 人の手に渡ったのはわずかに 1 枚のみ、そして Kibler はそれをデッキに入れていないのである。 870.jpg

「でもまあ、ドラフトの進行自体には満足してるんだよね。」 ドラフトのキーポイントは、カードが貧弱だったにもかかわらず、彼が頑固なまでに白黒に固執したことにあった。彼のピックした 45 枚のカードを見渡しても、白でも黒でもないカードはわずかに 3 枚のみなのである。「デッキに入れる価値のあるカードがなくとも、僕は白と黒のカードを何よりも優先して取ることで、他のプレイヤーが黒白に参入してくるのを防ぐ狙いがあったんだ。」 Kibler は、3-0 狙いのデッキを組み上げたのだ。

ひとたび白使いとしてオンスロートを耐え抜けば、残りのパックで非常に強力な白のカードを受け取ることができる。Kibler 同様、白のカードに恵まれなかった Dirk もその道を選んだ。彼のデッキには、《戦場の衛生兵/Battlefield Medic》や、驚くべきことに《山麓の案内人》が入っている一方で、《ダールの騎兵》は抜けている。「私はこのカードが嫌いなんだ。プレイしたくない。」 《騎兵》は既に、白を主張するという役割を果たしていて、それで十分というわけだ。「私のデッキは十分戦える。それは、卓に白が 2 人という時点である程度わかってはいたがね。」 しかしその後、彼が自分のデッキを戦えるものにしている理由を考え直すと、実はほとんど白いカードをプレイしていなくて、黒のカードがデッキを強固なものにしているということに気づく。

彼は白いカード、特筆すべきは《病みあがりの介護/Convalescent Care》さえも、をデッキから排除しようとしたが、やめた。彼はこのポッドの全てのプレイヤーが良いデッキを組み上げていると考えたが、中でも Huey に強い印象を受けたそうだ。「彼 (4) は Gerard (3) のすぐ後ろで緑に参入したが、あれはとても素晴らしい転換だった。私に影響を与えることなく、Gerard に打撃を与えたのだからね。」 Dirk のデッキはいささか貧弱のように見えるが、《陰謀団の執政官》《星明りの聖域/Starlit Sanctum》のお蔭でなんとか 2-1 はできそうに思う。

対戦結果

  • Steven Wolfman (2) : 3-0 (Kibler, Baberowski, Jensen に勝利)
  • Wolfgang Eder (7) : 2-1 (Tachasukjai, Baberowskiに勝利)
  • William Jensen (4) : 2-1 (Fabiano, Ederに勝利)
  • Mongkol Tachasukjai (8) : 2-1 (Fabiano, Kiblerに勝利)
  • Dirk Baberowski (5) : 1-2 (Brasilに勝利)
  • Gerard Fabiano (3) : 1-2 (Brasilに勝利)
  • Brian Kibler (1) : 1-2 (Brasilに勝利)
  • Daniel Brasil (6) : 0-3

Translated by Yusuke Yoshikawa

訳者よりひとこと

皆様ご無沙汰しておりました。

私事ながら、日本選手権以降というもの、諸般の事情もありなかなか記事を書けずにいましたが、今回世界選手権というイベントにあってなかなか興味深い記事を見つけましたので、翻訳に挑戦してみました。いかがでしたでしょうか?

今大会はロチェスター・ドラフトで行われるため、非常に面白い(プレイヤーは必死なのですが)駆け引きが繰り広げられます。その中でも「色の転換・主張」という重要なテーマが取り上げられた文でしたので、お楽しみ頂けるのではないかと思います。

それでは日本選手団の活躍と、皆様の楽しいリミテッド・ライフを祈って、この辺で失礼します。

ご意見・ご感想をお待ちしております。翻訳についてのアドバイスも頂けると幸いです。

Tags: Strategy
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記事へのツッコミ(1) [ツッコミを入れる]
_ おなか一杯 2003/08/09 09:03

名前の後に番号を振るだけでここまで理解が容易になるとは…


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