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「ミラディン」世界への船出 ~3章 呪文書の考察

2003/10/27 22:28更新

「ミラディン」世界への船出 ~3章 呪文書の考察

Written by 吉川祐輔

シリーズ 3 回目の今回は、各色に存在するインスタントスペルを中心に、「ミラディン」環境における色の特性を見ていくことにします。

今までの記事の概要、及び今後の連載予定につきましては、1 章の冒頭部分をご参照下さい。

色という概念の変化

先日、近くのショップで行われたプレリリース・パーティーに参加してきました。

私自身は、かなり良いパックをもらったものの、引きが噛み合わず散々な結果に終わったのですが、それでも貴重な実践の機会を得て、肌でミラディンのカードを感じたのは収穫でした。

さて、「ミラディン」においては、従来の色の概念が大きく変化しています。

これは言うまでも無く、アーティファクトが前面に押し出されたセットデザインによるものです。例えば、前述のプレリパーティーの際の私のメインデッキは、アーティファクトカードが 14 枚、非アーティファクトカードが 9 枚という構造になっていました。

つまり、もうお分かりかと思いますが、従来の「色をアーティファクトが補強する」感覚ではなく、「アーティファクトを色が支援する」感覚が必要になっているのです。

しかしながら、アーティファクトにできないことがあるとすれば、それは「インスタントスペルによるトリック」です。

もちろん、今回はアーティファクトのセットだけあって、その例外すらも破る《チス=ゴリアの鱗/Scale of Chiss-Goria》なども存在はしているのですが、基本的にこの種のトリックは色のついたスペルによるものです。そして、それが今環境の「色の特性」を体現するものであり、カード選択・色選択の基準となっていくものと考えられます。

以下では、各色のコモン・アンコモンに存在する有用なスペルのチェックを中心に、その「色の特性」を探っていくことにします。

カード評価

コモン
アンコモン

Arrest

白と言えば、軽減・プロテクション・無力化の申し子です。「ミラディン」の白はコモンに優良スペルを抱え、インスタントトリックにも富んだ構成になっています。

《拘引》は「メルカディアン・マスクス」からの再録ですが、コモンになったこと、また何よりこの環境にはメインデッキに入り得るエンチャント除去がほとんどないことを考えると、以前よりずっと優秀であり、見る機会も多い除去になると考えられます。また、装備品を複数つけた攻撃が正当化される中にあって、《魂の閃き》は非常に優秀なトリックとなりうることでしょう。

問題は、どのスペルも今一つ押しに欠ける点です。《剃刀の障壁》《避難/Shelter》と異なりドローがついていないので 1 対 1 交換以上のものは望めませんし、《畏敬の一撃》も膠着の結果クリーチャーのぶつかり合いが少ないシールド戦では効果的な場面が少ないと感じます。

他の色以上に、状況に応じたシビアなカード選択が必要になるものと思われます。

コモン
アンコモン

Domineer

最近の傾向通り、青はカードドロー以外にできることが少なくなっています。そしてドローはアーティファクトによってもできるのが現状ですし、デッキに入らないレベルのカードが多いのもマイナスです。

そんな中で、青の強さを残すのが《横暴》です。アーティファクトにしかつけられないという制限は制限にならず、単なる軽い《説得/Persuasion》です。《拘引》のときも言及しましたが、エンチャント除去が少ないこともこの強さを後押しします。強力なアドバンテージカードであり、場合によってはエンドカードとなり得る強さを持っています。また、《逆行》は基本的ですが効果的なスペルで、相手が青いときには常に頭の片隅に入れておきたいものです。

カードがばらけるシールド戦においては見ることは少ないでしょうが、固め打ちが期待できるドラフトでは、強力な 1 色目をサポートする色として力を発揮しそうです。

コモン
アンコモン

Consume Spirit

黒と言えば、クリーチャー除去の大御所であり、それは《恐怖》を擁する今回も変わらないわけですが、アーティファクト躍進のあおりをまともに食った色でもあります。つまりは、「アーティファクトを壊せない」という欠点が大きく浮き彫りになってしまったわけで、あまり人気も高くはないのが現状です。

それでも、軽いクリーチャー除去はテンポを取りやすく、何よりコモンの X 火力《魂の消耗》は十分に魅力的です。アンコモンまでいけばアーティファクトクリーチャーも除去できる《肉体の裏切り》も存在し、カードが揃ったときの爆発力は相当なものがあると考えられます。逆に言うと、色がばらけたときには使いづらい色であることは、《魂の消耗》の特性上からも分かります。

どちらかと言えばドラフト戦で注目すべき色になるでしょう。

コモン
アンコモン

Shatter

《粉砕》を擁する赤。今回の赤を語るには、その一言で十分な気がします。従来からあった、アーティファクトを壊しやすい破壊的な色という性質に、時代が追いついたとでも表現できるでしょうか。

インスタント・トリックが軒並み軽く、テンポ・ゲームという観点から見ても強力な色であることは間違いありません。加えて、色マナ拘束が比較的軽いことも評価できるでしょう。《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》ともども、この環境をリードする色になることは間違いありません。

アンコモン以上はさらに強力なスペルが並びますが、追加コストとしてアーティファクトを要求するスペルが多く見られます。よもやそのコストに困ることはないと思いますが、使うタイミングを選ぶことでより強さを発揮するものと思います。

コモン
アンコモン

Deconstruct

戦闘トリックの中でも《巨大化/Giant Growth》は基本になるものであり、それを含めた攻防を考えることがときに必要となることもあります。そして、《巨大化》と言えば緑です。

今回も緑に 2 種の《巨大化》系スペルがあり、その軽さから大きな活躍を見込めそうです。また、《解体》によりアーティファクトに直接干渉できるうえ、マナが出るので展開速度を損ねないのもメリットと言えます。アンコモンまで含めれば、《忍び寄るカビ》による柔軟性も見込めます。

マナに恵まれるというメリットは《マイア/Myr》シリーズの存在により帳消しになり、どうしても愚直なぶつかり合いにしか活路を見出せず、時には膠着にはまることも多いと思われるこの色ですが、やはり大きいことはいいことです。《巨大化》系の使い方が勝負を分けることになるでしょう。

逆転を生むトリック

クリーチャーが戦線を支え、装備品がそれを支援する。それが今環境のリミテッド戦における基本であることは疑いないことですが、やはり一瞬のトリックを持つものが優位に立てるのがマジックだと思います。装備品の影響で、デッキに入る枚数が限られているとはいえ、相手が何を考え、何を待っているのかを知ることは、ゲーム・プランを考える上で非常に重要なことです。

引きを嘆く前に、今自分ができる最高のカード選択・プレイング選択ができれば、負け試合の 1%でも勝ちにできるかもしれません。そしてそれが、「実力」と言われるものになると思います。

次回、大阪予選に間に合えば、現状のまとめをしていきたいと思います。

今回もお付き合い頂き、ありがとうございました。

yossy54-lj@infoseek.jp

Tags: Strategy
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記事へのツッコミ(7) [ツッコミを入れる]
_ なべ 2003/10/06 17:04

さらっと読みました。(まだ突き詰めて読んでいませんが)<br>自分の好きな黒に関していえば、私もシールドではなくドラフトに使う色だと思っています。<br>ただ、<br>>アンコモンまでいけばアーティファクトクリーチャーも除去できる《肉体の裏切り》 も存在し<br>とありますが、《浴びせかけ/Irradiate(MRD)》はこの環境ではほぼ確定除去(再生不可)です。<br>《血のやりとり/Barter in Blood(MRD)》も相手のゴッドクリーチャー(アンタッチャブルなど)を見たときにはイケル一枚となります。<br>《魂の消耗/Consume Spirit(MRD)》はどれだけ黒が濃いかによるため、タッチ黒になりやすいドラフトではそれほどでもないと思います。<br><br>また、青において《無効/Annul(MRD)》の重要性が書かれてないのが不思議です。1マナでカードプールの半分をカウンターできるこのカード、入れてはずしたことはありません。

_ yossy 2003/10/07 12:06

>なべさん<br>ご意見ありがとうございます。<br>確かに、スペルの有用性について見落としていた部分は多くありました。反省しております。特に、《血のやりとり/Barter in Blood》はPTQで使われて、また《無効/Annul》は自分で使ってその強さを実感しました。<br>今後の記事では、このご指摘を活かし、より良い記事を作成していこうと考えております。

_ Macky 2003/10/09 13:00

<肉体の裏切り/Betrayal of Flesh><浴びせかけ/Irradiate>は十分強いと思いますし,タッチカラーとしても早めに取るべきカードでしょう。<br>一方<血のやりとり/Barter in Blood>は,序中盤で相手の先行を阻止する,<br>或いは相手のザコクリーチャーが少ない時の中堅クリーチャーの破壊には十分有効でしょうが,<br>なべさんの言うゴッドクリーチャー対策にはなりにくいのではと考えます。<br>他のクリーチャーをかなり除去していったならともかく,ゴットクリーチャーが出る頃にザコ(+中堅)クリーチャーが2体しかない事は少なく,<br>もしそうでも,一気にこちらが壊滅するような場合でなければ使わなくても勝てそうな状態が多いと愚考するのですがいかがでしょうか?

_ なべ 2003/10/09 14:58

>yossyさま<br>お返事ありがとうございます。<br>>Mackyさま<br>《血のやりとり/Barter in Blood(MRD)》についてのご意見、その通りだと思います。ゴッドクリーチャーを狙って除去できるわけではないので、多くの場合はMackyさまの言うとおりになりそうです。<br>ドラフトにてたまたま私の対戦相手が除去満載デッキを組み、自分が「これなら除去されまい」と思って出したクリーチャーをこれで除去された経験があり、勘違いしておりました。ありがとうございます。

_ ベイヤ 2003/10/26 23:17

非常に真面目な評論、御苦労様でした。少々辛口になりますがコメントさせて下さい。(私がこの評論に好感を持ったということの証と考えて下さい)<br>折角のカード分析ですが切り口がありません。単にカード評のようなものに仕上がってしまっています。きっと起稿段階では「アーティファクトとの相性」など前面に出すネタをお考えになったのでしょうが、カード種類が少ない事や必ずしもアーティファクトとマッチングしないカード評などを加える過程でボヤケてしまったのかも知れません。<br>吉川さんが最後にお書きになっているようにインスタント=タイミングカードということに絞って「逆転のギミック」という切り口なら、掲載するカードの種類は限られる評論でもより面白かったように思いました。

_ yossy 2003/10/27 02:05

>ベイヤさん<br>コメントありがとうございます。<br>おっしゃる通り、この文章は発売直後に「私がこの環境を分類から理解していく過程」を文章化したもので、今となっては焦点がぼやけたものになっているのは私自身も痛感しております。<br>現在新しい記事のアイデアを練っていますが、これを参考に、より鋭い文章を書いていきたいと思います。

_ ベイヤ 2003/10/27 22:28

期待しています。盛り上げて下さい。


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