Peak Magic MtG戦略記事・カジュアル・トーナメントレポート・マジック記事投稿サイト

Peak Magic - Magic: The Gathering Japanese Column Data Base マジック・ザ・ギャザリング MtG の戦略記事・カジュアル記事・トーナメントレポートなどマジックをネタに投稿して賞金をゲットしよう



スタンダードやってる? 第8回

2004/02/12 01:18更新

スタンダードやってる? 第8回

Written by 平林和哉

前回はグールの基本形ができたところまで紹介しました。きっかけ自体は些細な思い付きでしたが、調整は短期間ながらも集中してやったつもりです。ぎりぎりまで細かい変更の繰り返しで、結構大変ではありましたが。

ということでグールの調整編と、グランプリ岡山でお送りします。

ダンシンググール-日々微調整

作ったグールを対戦相手ありで調整したのが千葉予選の後。水曜日に一貴(加藤一貴)が成田からアムステルダムに出発するため、それまでみやけんさんの家に泊めてもらっていたので(千葉予選で権利を取れない場合は東京 3 次にも出るつもりだった)、その時に一貴とグール vs その他のデッキで調整しました。

手持ちのデッキが RDW ( Red Deck Wins )、サイカトグ、マルカデス、エンチャントレスで、この時はエンチャントレス以外とメインボードで一通り回してみたのですが、

RDW
まず負けない。というより RDW 側が投げ出したくなるほど。コンボ要素が妨害されないため《吸血の教示者/Vampiric Tutor》から《裏切り者の都/City of Traitors》《モックス・ダイアモンド/Mox Diamond》でのブーストも容易な上、 24 枚の土地により土地が詰まることも少ない。
マルカデス
《悪魔の布告/Diabolic Edict》はさすがになんとかなるが、《花の壁/Wall of Blossoms》 2 枚で勝てなくなったのにびっくり(そういえばエンチャントレスの時も《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla》でロックできなくなるのに気づいたのが PTQ だったし)。《破滅的な行為/Pernicious Deed》を 7 マナキープされたり、《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》などダメパターンが意外に多かった。後は思いのほかクロックが早く、期待していたほど《綿密な分析/Deep Analysis》が役に立たず。
サイカトグ
予想通りもっとも厄介な相手。大抵が相手の《狡猾な願い/Cunning Wish》次第で、できる限り手札破壊で落としておきたい。メインは《燻し/Smother》が腐るので相手も楽じゃないが、サイド後はどちらも全力勝負。

といった感じになりました。

ビートダウンに対して安心できる勝率が確認できたのは良かったこと。特に初手にコンボパーツが揃っているにも関わらず、土地が詰まって死ぬということがほとんど無かったので、土地は増やして正解だったと。

ただ逆に楽だと思っていたマルカデスに意外な負けパターンが多く見つかったのが問題で、おまけに《マナ切り離し/Mana Severance》《ゴブリンの放火砲/Goblin Charbelcher》で解決できた試しがほとんどない……実際このコンボは重いですからね。《綿密な分析》でアドバンテージを重ねないと難しく、そもそも《綿密な分析》自体が怪しい状況ではうまく動くはずがありません。

そんなこんなで一貴がアムステルダムに出発して、私も滋賀に戻りグールの改良点を色々考えていました。最初に考えたのが《シャドーの裂け目/Shadow Rift》。これだといつ引いても無駄カードにはならないし、ブロッカーに立ってる《サイカトグ/Psychatog》を突破できて、《花の壁》でも止まらない。しかしいまいちパッとしない。

そこで出た案が、「《シャドーの裂け目》《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》の方が良くないですか?」といったものでした。これはエクステンデッドをあまりやってなかったため私のデッキを使うことにした三津家くん(三津家和彦)の意見で、これを聞いて再検討。

Fling
かなり対応力を秘めたカード

《蒸気の連鎖》は確かに色々戻せて便利そうだが、手札に来てもあまり嬉しくない。《ゴブリンの放火砲》などで採用されていた《急流/Rushing River》は効果が大きくなっているが、重くてうまく使えるか怪しい……と色々考えていた中、思いついたのが《投げ飛ばし/Fling》でした。確か MO (マジックオンライン)でエクステンデッドのカードプールを眺めていた最中でしょうか。ファンカードみたいな雰囲気のカードながら、考えてみるとかなり対応力を秘めたカードです。各種バウンス、《パララクスの波/Parallax Wave》、高タフネスのブロッカー、などなど。面白かったのが三津家くんも独自に《投げ飛ばし》という電波を受け取っていたことだったり。

周波数合ってるし。

それからグランプリ岡山の一週間前の土日を使ってさらなる改良が行われました。まずはかの“みのむしぶらりんしゃん”を使っていた三津家くんの案である《圧服/Overmaster》。これは思ったより使えるカードで、相手の手札がカウンター祭りでも確実にマナを使わせることができる点が優れています。また《圧服》の追加からマナベースを若干いじりました。対サイカトグでは《モックス・ダイアモンド》をサイドアウトすることもあり、赤マナの増量が急務だったのです。

後は使うことの少なかった《マナ切り離し》《ゴブリンの放火砲》と、マルカデスにも間に合わなかった《綿密な分析》を抜き、《燃え立つ願い/Burning Wish》用のソーサリーを増やしてみることに。《崇拝/Worship》対策である《死の茂み/Brush with Death》、サイカトグのクロックを外す《無垢の血/Innocent Blood》(これは通常のリアニメイト対策を兼ねてあったので、岡山では残しておけば、とちょっとだけ思いました)、リアニメイト対策の《腐朽/Decompose》(ミラーマッチで活躍してました)。

Corpse Ghoul ver 1.5
 2  縫合グール/Sutured Ghoul
 3  クローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraper

5 Creatures 4 渦巻く知識/Brainstorm 2 神秘の教示者/Mystical Tutor 4 吸血の教示者/Vampiric Tutor 4 死体のダンス/Corpse Dance 4 強迫/Duress 3 生き埋め/Buried Alive 1 投げ飛ばし/Fling 1 圧服/Overmaster 4 燃え立つ願い/Burning Wish 4 モックス・ダイアモンド/Mox Diamond
31 Spells 1 島/Island 2 沼/Swamp 1 山/Mountain 4 裏切り者の都/City of Traitors 3 地底の大河/Underground River 2 硫黄泉/Sulfurous Springs 1 シヴの浅瀬/Shivan Reef 3 汚染された三角州/Polluted Delta 3 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire 4 真鍮の都/City of Brass
24 Land 60 Total Cards
 1  秘儀の研究室/Arcane Laboratory
 1  無垢の血/Innocent Blood
 1  陰謀団式療法/Cabal Therapy
 1  死体発掘/Exhume
 1  腐朽/Decompose
 1  生き埋め/Buried Alive
 1  死の茂み/Brush with Death
 3  圧服/Overmaster
 1  紅蓮地獄/Pyroclasm
 4  防御の光網/Defense Grid

15 Sideboard Cards

これが土日の調整ででき上がったレシピです。実際に岡山で使ったレシピと異なるのはサイドボードの《無垢の血》《秘儀の研究室/Arcane Laboratory》《無垢の血》《減衰のマトリックス/Damping Matrix》と入れ替わり、《秘儀の研究室》《天啓の光/Ray of Revelation》へと。

《減衰のマトリックス》を入れた理由としては仙台予選の赤黒ブレイズの登場が大きなもので、《萎縮した卑劣漢/Withered Wretch》を完全に止めるには《減衰のマトリックス》ぐらいしかありません。マルカデスの《萎縮した卑劣漢》《生ける願い/Living Wish》経由がほとんどなので、序盤なら《陰謀団式療法/Cabal Therapy》、ある程度進んでも《紅蓮地獄/Pyroclasm》で対処できますが、赤黒ブレイズの場合《吸血の教示者》《繰り返す悪夢/Recurring Nightmare》とその気になればどこからでも出てきてしまうわけで。《減衰のマトリックス》自体は《萎縮した卑劣漢》以外にも、《サイカトグ》《等時の王笏/Isochron Scepter》《鞭縄使い/Whipcorder》《スランの鋳造所/Thran Foundry》《コーのシャーマン/Shaman en-Kor》など、効くカードが多くて結構役に立ったのでラッキーでした。

《秘儀の研究室》は一貴と一緒に岡山に向かっている電車の中で受け取ったメールによってクビに。これまた三津家くんからだったのですが、「《秘儀の研究室》置いておくと《投げ飛ばし》できなくて半ロックになってしまいますね」というもの。もともと《秘儀の研究室》は対エンチャントレスにおいて、《気流の言葉/Words of Wind》を置かれた後に即勝てない場合の緊急避難用に入れていたものだったのですが、確かに言われてみれば《退去の印章/Seal of Removal》があった場合、こちらの《投げ飛ばし》戦略にも問題が発生してしまいます。ということで 8 枚のマルチマナというのはいささか不安ではありますが、《天啓の光》へと差し替えられることになりました。ただ色マナが合わない可能性があるとはいえ、《気流の言葉》だけでなく《退去の印章》《崇拝》もついでに割れるというのは便利な点であり、また《モックス・ダイアモンド》経由ならばパーマネントを全部戻されても復旧できるわけで、これはこれで便利だったようです。

グランプリ岡山-吹き荒れるコンボの嵐

ということでグランプリ岡山。私のダンシンググールを使うことになったのは総勢 10 人。まあ最近マジックをしていなかった人を含んでたりするので、ベスト 8 に二人残ればいいなぁなんて考えていたのは SBJ に出ている通りです。ちなみにエンチャントレスはあくまで PTQ で使っていたデッキだというだけであり、尋さん(岡本尋)や小倉(小倉陵)は自分たちで調整してグランプリに臨んでいた、ということを追記しておきます。時間があればエンチャントレスもバージョンアップしたかったところなのですが、まあグールにそれだけ入れ込んでいたので。

Round 1 Bye
Round 2 Bye
Round 3 Bye
Round 4WB Beatdown2-1
Round 5Malka-Death2-1
Round 6UB Reanimate0-2
Round 7Dancing Ghoul2-1
Round 8Wu Weenie2-0

実はグランプリ仙台以来の 3 バイ。しかもたまたまプロツアーニューオーリンズの結果が反映されてないので 3 バイというちょっと恥ずかしい話だったり。まあどんな形でも 3 バイは 3 バイです。

最初から《陰謀団式療法》《悪魔の布告》を落としたにも関わらず次ターントップデッキされてみたり、《パララクスの波》を出して勝った気でいる対戦相手を《投げ飛ばし》で呆然とさせてみたりで 7-1 。途中格さん(石田格)にはかなりメタメタにされたものの、あれもほとんど一手差の勝負だったので仕方ありません。なにより《生き埋め/Buried Alive》で埋めた《縫合グール/Sutured Ghoul》《再活性/Reanimate》されようとは夢にも思っていませんでしたし。後は 7 戦目に気まずい三津家くんとのミラーマッチ。なんとか勝ったものの、 2 戦目先手 2 ターンキルされた時はポカーンとしました……他には当たりたかった赤系ビートダウンに全然当たらなかったこともあり、最後の相手がセット《平地/Plains》《サバンナ・ライオン/Savannah Lions》と出してきた時は内心大喜びだったり。

結局初日を抜けたのは他に中島さん(中島主税)の 7-1 、他が池田さん(池田剛)と三津家くんの 6-2 。実はすでにプロツアー神戸の権利を持っている人だけ二日目に残るという興味深いデータが。

さて二日目です。

Round 9Enchantress2-0
Round 10RDW2-0
Round 11Dancing Ghoul2-1
Round 12UBR Psychatog0-2
Round 13MonoRed Goblin2-0
Round 14BR Goblin-Death1-2
QuarterfinalUB Reanimate0-2

今見ると最後の 3 戦が 1-3 ……ちょっとしょぼいですね。まあそれでもこの日はついてました。中島さんと私は同じ RDW に当たっていますし、何より 2 敗が私、中島さん、浅原君(浅原晃)、池田さん、土井飛鳥と並んだところで( 13 回戦)、下のゴブリン( 1 敗 2 分け)と当たるという幸運。このペアリング次第ではトップ 8 を逃す可能性は十二分にあったような気もします。池田さんはここで勝てばトップ 8 というところだったので残念。

思えば GP 仙台も荒堀くん(荒堀和明)に予選ラウンド、決勝戦と負けたのですが、今回も同じように格さんに負けてしまいました。いちいち説明するのは長くなるので避けますが、最後のゲームで私が与えられた選択だけ紹介しておきます。

《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》《強迫/Duress》《吸血の教示者》《神秘の教示者/Mystical Tutor》《燃え立つ願い》《縫合グール》《死体のダンス/Corpse Dance》

若干記憶があいまいなのでちょっと違うかもしれませんが、こんな感じの手札でした。さてどうプレイしたものでしょう?

私が選んだのは《血染めのぬかるみ》を置いてターンエンド→《沼/Swamp》を持ってきて《吸血の教示者》から《真鍮の都/City of Brass》を調達→《強迫》という手順でした。理由としてはまず《真鍮の都》が無いとデッキが動かないこと。だったらマリガンしろって話もありますが、《吸血の教示者》から土地を持ってきたらマリガン 1 回ぶんとあまり変わらず、むしろ悪化する危険もあります。《強迫》をすぐ使わないのは、もし格さんが手札破壊 1 枚しか持っていないならそれを落とせば済む問題ですが、《強迫》だけでなく《陰謀団式療法》もありますし、仮に《陰謀団式療法》が手札に残れば《吸血の教示者》と宣言される可能性は大です(赤マナが見えていなくてまだ仕掛けてない序盤ですし)。確かに《渦巻く知識/Brainstorm》で逃げられる可能性はありますが、まずは自分の場を整えることを選びました。

Vampiric Tutor
血をもって土地を呼ぶ

しかし世の中良くできてるもので、私が《強迫》を使ったときに格さんがとった行動はレスポンスの《吸血の教示者》。そして開示された手札は 2 枚の《渦巻く知識》《入念な研究/Careful Study》《再活性》《戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful》《陰謀団式療法》! 格さんの土地はただ 1 枚置かれている《沼》だけでした。

そう、格さんもまた《吸血の教示者》《地底の大河/Underground River》を持ってきたのです。なかなかに興味深い結果だとは思いませんか?

結局私は《再活性》を落とさざるをえなくなり、最終的には《戦慄をなす者ヴィザラ》《朽ちゆくインプ/Putrid Imp》、場には《エネルギー・フィールド/Energy Field》《渦巻く知識》でライブラリーの上には追加の手札破壊とリアニメイト-という状況で完全に負けてしまいました。

もちろん、もしこうしていたら~ということはあり得ないことではありますが、第 1 ターンに《強迫》を撃っていたならば、結果はどうあれ勝負はまた全然違ったものになっていたはずです。

まあ何が言いたいかというと、コンボ対決は回ったもの勝ちと言うほど単純なものじゃないということですね。その中にもたくさんの選択肢があり、冷静に決断することが大切だと。《渦巻く知識》はターン終了時に使うべきか、それとも効果を最大限にするためにメインで使うのか。ここで《生き埋め》を持ってくるために《吸血の教示者》を使ってしまっていいのか、それとも待ってドローを進めたほうがいいのか。私の《強迫》のように正解が無い決断を迫られる時もあるわけですが、それでも自分が思った最善の決断ができるようにしたいものです。

ちなみに私は後悔していません。

(文中敬称略)

Tags: Strategy
■この記事はいかがでしたか?■
該当するものをいくつでも選んで送信ボタンを押してください
管理人に送信されます

役に立った 面白かった 興味深かった 分かりやすかった つまらなかった 難解だった 特にない


Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, Limited Edition, Unlimited Edition, Revised Edition, Fourth Edition, Fifth Edition, Classic, Seventh Edition, Core Set, Arabian Nights, Antiquities, The Dark, Legends, Fallen Empires, Ice Age, Chronicles, Homelands, Alliances, Mirage, Visions, Weatherlight, Tempest, Stronghold, Exodus, The Rath Cycle, Urza's Saga, Urza's Legacy, Urza's Destiny, Mercadian Masques, Nemesis, Prophecy, Invasion, Planeshift, Apocalypse, Odessay, Torment, Judgment, Onslaught, Legions, Scourge, Mirrodin, Darksteel, Fifth Dawn, Champions of Kamigawa, Betrayers of Kamigawa, Saviors of Kamigawa, Unglued, Unhinged, Portal, Portal Second Age, Portal Three Kingdoms, Vanguard, Anthologies, Battle Royale, Arena, DCI, Dominia, Gen Con, Magic: The Gathering Pro Tour, Oracle, Deckmaster, Garfield Games, and all logo and card illustlation and the tap symbol and the mana symbols are registed trademarks of Wizards of the Coast, Inc.