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GP仙台レポート
Peak Magic をご覧の皆さん、こんにちは。エルシスです。ご無沙汰しております。
思い返してみると一年近く投稿していませんでした。私事で忙しく、特に昨年秋から冬にかけてはマジックをプレイする時間がほとんど取れなかったことが原因でしょうか。
去る 3/20 〜 3/21 に行なわれました GP 仙台には私も参加してきました。結果は 6-1-1、2-1、2-1 の 13 位。復帰直後の GP としては充分な成績であると思う反面、最終戦で敗れベスト 8 を逃した悔しさの方が先に立つ結果となりました。
今回は、私がシールド・ドラフトにおいてどのように考えながら 14 ラウンドを戦ったのかを中心にレポートをつづろうと思います。拙文ではありますがお付き合いいただければ幸いです。
初日:シールド
「シールドはマジック最大の運ゲーである」
はるか昔より言われ続けてきた言葉です。私もそのとおりだと思います。
しかし、本当の「クズパック」は会場でも少ないのではないでしょうか。ほとんどのパックは構築とプレイング次第で多少は戦えるものであり、一見ゴッドパックを引きながらも最適な構築ができず敗退するということはよく聞く話です。自分の目の前のパックに文句を言うより先にまず人事を尽くしてこそかと思います。
環境全体の特徴を踏まえながら、最適な構築をしていきたいものですね。
今回の GP 仙台において、私が引いたパックは以下のようなものでした。
白
- 《急報/Raise the Alarm》
- 《レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter》
- 《拘引/Arrest》
- 《剃刀の障壁/Razor Barrier》
- 《純潔の宝球/Sphere of Purity》
- 《レオニンの戦闘魔道士/Leonin Battlemage》
- 《残響する沈静/Echoing Calm》×2
青
- 《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》
- 《物読み/Thoughtcast》
- 《逆行/Regress》
- 《加工/Fabricate》
- 《時間の滝/Temporal Cascade》
- 《ヴィダルケンの技術者/Vedalken Engineer》
- 《精神の過負荷/Psychic Overload》
黒
- 《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》
- 《恐怖/Terror》
- 《秘宝の破滅/Relic Bane》
- 《浴びせかけ/Irradiate》
- 《精神ねじ切り/Wrench Mind》
- 《薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats》×2
- 《ドロスの脈動/Pulse of the Dross》
- 《本質の吸収/Essence Drain》
- 《屍賊の飢え/Hunger of the Nim》
- 《貪欲の重責/Burden of Greed》
赤
- 《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》
- 《煮えたぎる歌/Seething Song》
- 《戦争の扇動/Incite War》
- 《狂ったゴブリン/Crazed Goblin》
- 《よだれ垂らしのオーガ/Drooling Ogre》
- 《残響する破滅/Echoing Ruin》
- 《火の玉/Fireball》
- 《鋳潰し/Unforge》×2
緑
- 《テル=ジラードの流刑者/Tel-Jilad Exile》
- 《グロッフスキッサー/Groffskithur》
- 《ワーム皮の鍛冶工/Wurmskin Forger》
- 《解体/Deconstruct》
- 《テル=ジラードの狼/Tel-Jilad Wolf》
アーティファクト
- 《金のマイア/Gold Myr》
- 《鉛のマイア/Leaden Myr》
- 《マイアの精神使い/Myr Mindservant》
- 《マイアの適合者/Myr Adapter》
- 《ウィザードの模造品/Wizard Replica》
- 《エルフの模造品/Elf Replica》
- 《ゴブリンの戦闘車/Goblin War Wagon》
- 《機械仕掛けのクワガタ/Clockwork Beetle》
- 《鋼の壁/Steel Wall》
- 《鏡のゴーレム/Mirror Golem》
- 《発展のタリスマン/Talisman of Progress》
- 《教議会の聖域/Synod Sanctum》
- 《ひっかき爪/Scrabbling Claws》
- 《魔力の導管/Power Conduit》
- 《陽光の呪文爆弾/Sunbeam Spellbomb》
- 《活生の呪文爆弾/Lifespark Spellbomb》
- 《虚空の杯/Chalice of the Void》
- 《テル=ジラードの鉄筆/Tel-Jilad Stylus》
- 《溶接の壺/Welding Jar》
- 《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》
- 《電結の混種/Arcbound Hybrid》
- 《電結の暴れ者/Arcbound Bruiser》
- 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
- 《回転する破壊者/Spinecrusher》
- 《尖塔のゴーレム/Spire Golem》
- 《穴掘り掬い/Drill-Skimmer》
- 《レオニンの陽準器/Leonin Sun Standard》
- 《霊気の薬瓶/AEther Vial》
- 《ダークスティールのペンダント/Darksteel Pendant》
- 《ダークスティールの鋳塊/Darksteel Ingot》
- 《レオニンのボーラ/Leonin Bola》
土地
- 《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》
- 《教議会の座席/Seat of the Synod》
- 《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
- 《ミラディンの核/Mirrodin's Core》
シールドの構築のしかたは人によって違うかと思いますが、ここでは私がいつも行なっている構築方法にそって紹介していこうと思います。おそらく、他の方々の構築方法とさほど違わないはずです。
まずは「煮ても焼いても食えない」三流カードにはとっととご退場願い、次に構築するにあたって魅力を感じる、「俺を使えば勝てるぜ!!」とアピールしてくるカードに目星をつけていくことにします。また、その過程でクリーチャーは何枚でスペルは何枚なのか、マナコストによる分布はどうなっているのかを合わせて分析します。
この方法に基づいて削除・ソートしたリストを下に表示します。その際、アーティファクトでも基本的に色を必要とするカードはその色のカテゴリーに分類しています。また、非常に使いたいカードは赤で、普通に使いたいカードは太字で強調してあります。
白
2マナ
- 《急報》
- 《レオニンの空狩人》
- 《剃刀の障壁》
- 《レオニンの陽準器》
3マナ
- 《拘引》
4マナ
- 《レオニンの戦闘魔道士》
青
2マナ
- 《ニューロックの使い魔》
- 《ヴィダルケンの技術者》
3マナ
- 《ウィザードの模造品》
- 《加工》
- 《逆行》
4マナ
- 《精神の過負荷》
5マナ
- 《物読み》
6マナ
- 《尖塔のゴーレム》
余談ですが、《ウィザードの模造品》と《尖塔のゴーレム》は他のレプリカシリーズ、土地親和シリーズと違い、青くなくてもよくシールドデッキに入ります。それだけ飛行能力は偉いということです。
黒
2マナ
- 《薄黒爪のコウモリ》×2
- 《恐怖》
3マナ
- 《秘宝の破滅》
- 《ドロスの脈動》
4マナ
- 《屍賊の金切り魔》
- 《浴びせかけ》
5マナ
- 《本質の吸収》
赤
2マナ
- 《残響する破滅》
3マナ
- 《トゲ撃ちゴブリン》
- 《戦争の扇動》
- 《鋳潰し》×2
番外
- 《火の玉》
緑
3マナ
- 《テル=ジラードの狼》
- 《エルフの模造品》
- 《解体》
4マナ
- 《テル=ジラードの流刑者》
7マナ
- 《ワーム皮の鍛冶工》
アーティファクト
0マナ
- 《溶接の壺》
1マナ
- 《レオニンの円月刀》
- 《レオニンのボーラ》
- 《鋼の壁》
2マナ
- 《金のマイア》
- 《鉛のマイア》
- 《回転する破壊者》
- 《電結の荒廃者》
- 《発展のタリスマン》
- 《ダークスティールのペンダント》
3マナ
- 《ダークスティールの鋳塊》
4マナ
- 《ゴブリンの戦闘車》
- 《電結の混種》
- 《穴掘り掬い》
5マナ
- 《電結の暴れ者》
6マナ
- 《鏡のゴーレム》
実際の構築に入る前に、このミラディン&ダークスティールのシールドという環境にたいして、私が考えていたことを述べておきます。
まず、ミラディンのみの環境との一番の相違点は装備品です。
ミラディンの半分ほどの総枚数しかないのに、ダークスティールには《ヴァルショクの鉄球/Vulshok Morningstar》と《レオニンのボーラ》というコモンの強力な装備品が 2 種もあります。レアの《火と氷の剣/Sword of Fire and Ice》や《光と影の剣/Sword of Light and Shadow》に至っては、場に出されると思わず身悶えしつつ喘ぎ声の一つも出したくなるくらいの強烈な効果を持っています。引く可能性が上がったということは、どのデッキも強力な装備品を入れている可能性が高いということです。
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しかし、そのような状況にたいし、装備品は相対的に前環境よりも弱くなってしまったように思えます。
まずこの状況を踏まえ、最近のシールド構築では《灰塵化/Turn to Dust》や《鋳潰し》といった装備品メタのカードが投入されるようになりました。
また、環境全体にタッパー(《レオニンのボーラ》を含みます)が増え、ソーサリータイミングでしか使えない装備品は潜在的なディスアドバンテージを抱えることになってしまっています。
私が何回かの練習で感じたことは、「思い切って装備品をすべて切ることも必要」というものでした。
また、前環境で最弱色と目されていた黒はダークスティールで大幅にパワーアップし、充分選択するに値する色となっています。
ざっと各色を見た感じでは、白が飛びぬけて強いのがわかるかと思います。ゴッドカード《レオニンの陽準器》を筆頭に優秀な生物・除去も抱える文句なしの第一候補です。
他には《火の玉》を要する赤が目が止まります。しかし、この色は生物が《トゲ撃ちゴブリン》しかありません。限定戦においてはクリーチャーが主役であり、その数は最低でも 13、できれば 14〜15 は欲しい所です。白の生物(《急報》は生物に含みます)が 3 体なので、アーティファクトクリーチャーで 10〜11 体もの生物を用意できるでしょうか?
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アーティファクトクリーチャーは、《回転する破壊者》、《鋼の壁》などの微妙なカードを入れてもギリギリ 10 体にしかなりません。これはやや不安な数字です。また、赤の火力は《火の玉》だけで、除去となる取りまわしの良い火力がないのも考えものです。
青は「シールドにおいてドローはあるだけでゴッド」を体現する《物読み》がありますが、他のスペルは力不足。緑は緑のくせに小さい小さい。
そこで黒。この色にはグッドなクリーチャーが 3 体もおり、白と合わせると 6 体。これは充分な数字です。また、《恐怖》、《本質の吸収》という使いやすい除去もあります。
ということでメインカラーは黒白を選択しました。ただし《火の玉》だけは使わないと非常にもったいないカードなので、これをタッチすることに。黒白の 2 色だと茶色の除去がないので、《残響する破滅》も入れることにしました。
また、この過程で装備品は一枚も入れないことを念頭に置いています。数が 2 枚と少ないうえ、さほどゴッドカードというわけでもないので(《レオニンのボーラ》はいいカードなのですがね)、相手の装備品専用カードを無駄にして潜在的なアドバンテージを取りに行く構築を行ないました。
| Shield Deck - elsis / Grand Prix Sendai | |
|---|---|
1 レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter 2 薄黒爪のコウモリ/Grimclaw Bats 1 金のマイア/Gold Myr 1 鉛のマイア/Leaden Myr 1 電結の荒廃者/Arcbound Ravager 1 ウィザードの模造品/Wizard Replica 1 穴掘り掬い/Drill-Skimmer 1 屍賊の金切り魔/Nim Shrieker 1 レオニンの戦闘魔道士/Leonin Battlemage 1 ゴブリンの戦闘車/Goblin War Wagon 1 電結の暴れ者/Arcbound Bruiser 1 鏡のゴーレム/Mirror Golem |
|
《トゲ撃ちゴブリン》はタッチカラーではあまり強くなく、パワーが上がる見込みもないので外しました。
優秀な生物も除去もあり、おまけにフィニッシュブローの《火の玉》、ゴッドカードの《レオニンの陽準器》と、文句を言うと怒られそうなパックですね。
幸運に恵まれた私ですが、この構築は果たしてベストだったのでしょうか?
いま思うと若干の疑問があります。
まず、《レオニンのボーラ》を含めた装備品を抜いたために相手の装備品にたいして耐性が薄くなったため、相手のゴッド装備に殺されることを防ぎたいという狙いからメインで《鋳潰し》を入れたのですが、タッチカラーでパワーのやや劣るカードを入れるのは微妙だったかもしれません(実際に初日で《鋳潰し》を使った回数は「0」でした。勝つにしろ負けるにしろ、撃つまでもない状況がほとんどでした)。
これよりも、《電結の荒廃者》と強力なシナジーを形成する《電結の混種》が正解だったかも?という思いはあります。
また、一度も使ったことが無かったために投入をためらった《ドロスの脈動》ですが、話を聞いてみると中々強いという意見を耳にしました。やはりこの辺りは経験を積むしかない部分です。
対戦結果は
| 1回戦 | Bye | |
| 2回戦 | W-W | |
| 3回戦 | L-L | |
| 4回戦 | W-W | |
| 5回戦 | W-L-W | |
| 6回戦 | W-L-D | (鹿島彰浩氏) |
| 7回戦 | W-L-W | |
| 8回戦 | L-W-W | (大磯正嗣氏) |
の 6-1-1 でした。勝てたのは良く引けた《火の玉》のおかげでしょうか。特に 6 回戦で鹿島氏と引き分けて後が無くなった 7 回戦、先手ダブルマリガンからワンミス死亡のダメージレースを《火の玉》で制したときは、このスペルをタッチして本当に良かったと感じました。
2日目:ファーストドラフト
日が変わり、上位 64 名によるブースタードラフトが行なわれました。決勝進出のラインが 2 敗 1 分けであることを考えると、できればここで 3 連勝しておきたいところです。
初日 37 位の私は 5 番卓。同卓には去年の日本チャンピオン大塚高太郎氏、この GP でベスト 4 に入賞した佐々木裕介氏がいました。
何度かドラフトの練習をした結果、私は白系の装備品デッキと赤黒の除去デッキが手になじんでいたので、このどちらかをドラフトしたいと考えていました。逆に、緑はやや苦手なデッキタイプで、緑をドラフトして勝った記憶がほとんどなく、初手で《腐食ナメクジ/Molder Slug》か《グリッサ・サンシーカー/Glissa Sunseeker》を引かない限りやらないつもりでした。
最初のパックの初手。候補となるカードは《ピューターのゴーレム/Pewter Golem》、《まばゆい光線/Blinding Beam》、《精神隷属器/Mindslaver》の 3 枚でした。
白系デッキでは《まばゆい光線》は是非とも欲しい一枚。また《ピューターのゴーレム》は黒系デッキで強靭な生物として活躍してくれます。対して、《精神隷属器》はどちらかというと耐えて膠着させるデッキで真価を発揮するカードで、先に挙げた 2 つのデッキには必ずしもマッチするカードではありません。
それでも私は《精神隷属器》をピックしました。他の 2 枚もたしかに魅力的ですが、私は別に決め打ちをしているわけではないため、とりあえず強力なカードを取っておいて 2〜4 手目で流れてくるカードをにらみつつドラフトデッキの方向性を見定めたかったからです。
そして、その重要となる 2〜4 手目のピックは《拘引》→《真珠の破片/Pearl Shard》→《空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol》というものでした。この時点で白は確定です。
こうなると装備品は絶対に必要なパーツとなってきます。しかし、ミラディンでは《ヴィリジアンの長弓/Viridian Longbow》が取れただけで他の装備は一切目にすることはできませんでした。これでは 2 枚の《急報》も宝の持ち腐れです。また 2 色目もなかなか決まらず、2 枚確保してある《浴びせかけ》の黒がやや有力という程度の準白単です。《等時の王笏/Isochron Scepter》があるので、《残響する衰微/Echoing Decay》をピックすることを頭に置いてダークスティールへ。
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ダークスティール開封。一番欲しいカード《ヴァルショクの鉄球》は…………ない。しかし《残響する衰微》ならある。
とりあえずこれでも取っておくかと思いながらレアを見ると……そこには昨日も活躍した《電結の荒廃者》が。このカードは各種電結クリーチャーと組み合わせるとかなり凶悪な動きをします。これが一周する可能性は非常に低いので、コモンである《残響する衰微》なら一周目残り 6 枚の時点で《浴びせかけ》が流れてきたことを考慮にいれると、流れてくる可能性は十分あるだろうという考えからこのレアをピックしました。
しかし、結局《残響する衰微》は流れて来ず。
また、《電結の荒廃者》を取ったということは各種電結クリーチャー、特に飛行を持つ《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》が非常に高いシナジーを形成します。こいつは音速で取ってやるぜと思いながら 4 手目。ついに《電結のとげ刺し》発見!!
しかし、同じパックには 2 マナインスタント除去である《粛清/Purge》も!!
これは非常に迷いました。これも「迷ったらレアリティの高い方」という考えに基づき《粛清》をピックしましたが、ここは《電結のとげ刺し》を取るべきだったと反省しています。デッキの方向性を決めるピックは一貫性があってしかるべきですね。
| 1st Draft Deck - elsis / Grand Prix Sendai | |
|---|---|
2 オーリオックの貫通者/Auriok Transfixer 1 電結の働き手/Arcbound Worker 1 金のマイア/Gold Myr 1 銀のマイア/Silver Myr 1 電結の荒廃者/Arcbound Ravager 1 ヨーティアの兵/Yotian Soldier 1 ゴブリンの戦闘車/Goblin War Wagon 1 空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol 1 電結の混種/Arcbound Hybrid 2 剃刀のゴーレム/Razor Golem |
1 内面からの悲鳴/Screams from Within 1 チス=ゴリアの歯/Tooth of Chiss-Goria 1 沼/Swamp 1 神聖/Hallow |
かなり苦しいデッキです。ぶっちゃけゴミです。おまけに、トータルのカードを記入するのに手間取り構築の時間が充分に取れず、《内面からの悲鳴/Screams from Within》をサイドに落とすという大失態。いくら黒が薄いからってこれはないだろうとリストを提出してから思いました。サイド後はいつも《伝承の樹/Tree of Tales》と《溶接の壺》が《沼/Swamp》と《内面からの悲鳴》になっていました。
ドラフト直後はかなり「やっちまった」感満載。殴る生物が《空狩人の巡回兵》と《剃刀のゴーレム/Razor Golem》しかいないうえに、肝心要の装備品はわずか 1 枚。インスタントは 3 枚しかないのに、兵士トークン量産という勝ち手段に望みをつなぎ《等時の王笏》を入れていることからも、このデッキが弱いことがわかると思います。
何人かの知り合いにデッキを見せても微妙な笑いと共に「まあ頑張れ」という温かい激励の言葉を頂き、やる気……もとい、殺られる気満々で 9〜11 回戦に臨むことと相成りました。
で、対戦成績ですが
| 9回戦 | L-W-W | (緑白) |
| 10回戦 | L-W-W | (赤黒) |
| 11回戦 | L-L | (赤黒 佐々木裕介氏) |
なんと望外の 2 勝。決勝ラウンド進出に望みを繋げる結果となりました。9 回戦は《空狩人の巡回兵》+《チス=ゴリアの歯/Tooth of Chiss-Goria》で延々殴り続けることができたのと相手の事故、10 回戦は 2 回《精神隷属器》がヒットするなどして勝利。
さすがに 2 勝デッキ同士の戦いではあっさりと粉砕されたものの、このデッキで 2 勝できたことでモチベーションは上がりました。
2日目:セカンドドラフト
このドラフトで 3 連勝できれば決勝進出です。卓に名前の知られたプレイヤーは浅原晃氏のみで、他は全員アマチュア。強いデッキをドラフトすれば行けるかも、と思っていました。また、得意なデッキタイプで勝負したかったため、たとえ《腐食ナメクジ》でも緑はやるまいと考えていました。
初手は《氷の干渉器/Icy Manipulator》。ミラディンのアンコモンの中でも《水晶の破片/Crystal Shard》と 1、2 を争うトップカードです。追い風を感じながら喜んでピックします。
しかし 2 手目のカード群が非常に弱く、困りました。下手に色付きのカードを取るよりもここはデッキに確実に入るカードを、と《銀のマイア/Silver Myr》。
そして分岐点となったのは 3 手目。目を引くカードは《解体》のみ。これを取る誘惑はありました。実際一度手にとり、テーブルに置こうとしました。しかしテーブルまであと数センチのところで、「苦手なデッキタイプで 3 勝できるのか?」という思いからぐっと我慢をして《鉄のマイア/Iron Myr》をピックしました。
上はここから緑単に移行し、この選択は吉と出ました。
その後は《バンシーの刃/Banshee's Blade》、《レオニンの円月刀》と取れたために白装備系となるも、なかなか白が流れて来ず、我慢のピックを強いられます(上は途中まで白をやっていたそうです)。
それでも 2 パック目に望みを託し、弱い茶生物数体と、白いカードは 4 手目以降一枚も流さない徹底したピックで一周目を終えました。
|
そして 2 周目。初手は……コモンにいいカードがなくガッカリ。
祈りを込めてアンコモンに目をやると……そこには 2 枚目の《氷の干渉器》が!!
今年 3 月頭のエジプト旅行にて《氷の干渉器》をカイロ考古学博物館で見た恩恵がようやくここで!!などという私の日記を読んでない人にはわけのわからないネタを頭に浮かべながらこれをピック。ダブルアイシーはそれだけでデッキに勝つ権利を与えてくれます。あとはいい生物さえ取れれば、といったところです。
そして一周目で白を絞った恩恵がついにフィーバーします。
2 手目から《まばゆい光線》→《空狩人の若人/Skyhunter Cub》→《空狩人の巡回兵》→《空狩人の若人》→《拘引》→《ヴィリジアンの長弓》!!
これ以上ないという白の流れで、一気に勝てるデッキへと変貌。この流れはダークスティールになっても変わらず、初手できっちり《ヴァルショクの鉄球》を引き、《翼竜の幽霊/Pteron Ghost》が一周するなど、大きな手応えと共にドラフトは終了しました。
2 色目はダークスティールで 3 手目に流れてきた《精霊のワンド/Wand of the Elements》から青に。《尖塔のゴーレム》も入っているため、ほとんど白単の割にはたいして白マナを必要としないデッキということもあって、島を多めに投入しています。
| 2nd Draft Deck - elsis / Grand Prix Sendai | |
|---|---|
1 鉛のマイア/Leaden Myr 1 銀のマイア/Silver Myr 1 鉄のマイア/Iron Myr 2 翼竜の幽霊/Pteron Ghost 1 レオニンの居衛/Leonin Den-Guard 2 空狩人の若人/Skyhunter Cub 2 穴掘り掬い/Drill-Skimmer 1 ドロスの蠍/Dross Scorpion 1 電結の暴れ者/Arcbound Bruiser 1 チタンのゴーレム/Titanium Golem 1 尖塔のゴーレム/Spire Golem 1 空狩人の巡回兵/Skyhunter Patrol |
1 無効/Annul |
白装備系デッキをドラフトする時の落とし穴として、生物が取れずに弱くなってしまうことが挙げられますが、このデッキもその例に漏れず生物はかなり微妙です。
しかしそれを吹き飛ばすだけの良質な装備品 4 枚、必要なものがすべて揃っているスペル、デッキを見ると誰もが手を止めるダブル《氷の干渉器》と、充分に 3 勝を狙えるデッキがドラフトできました。
ここまで来たら、是非とも 3 勝したかったのですが……。
| 11回戦 | L-W-W | (白青) |
| 12回戦 | W-W | (緑単) |
| 13回戦 | L-W-L | (黒青白) |
最終戦、1 ゲーム届かず決勝進出を逃してしまいました。
デッキはやはり相当に強く、たいした引きもしていないのにデッキパワーで圧倒し、11、12 回戦は楽勝と言っていい内容でした。
そして、運命の最終戦。
1 戦目、がんがん押しながらも《忘却石/Oblivion Stone》ですべてをリセットされ、そのぶんのアドバンテージで負け。
2 戦目は速攻からの《まばゆい光線》で横綱相撲。
そして 3 戦目。
お互い引きがぬるく、少しこちらのライフが上の状況から私の《尖塔のゴーレム》と相手の《電結の暴れ者》の殴り合いが始まりました。
そのときの私の手札は《拘引》、《無効/Annul》。
横で見ていた平林氏によると、「《拘引》は秒で《電結の暴れ者》につけるべきだった」
お互い 2 勝デッキ同士でパワーにそれほど差はないため、できる限りライフ差はつけられる時につけておいたほうがいい、とのことからです。どうせ相手に援軍が出てきたらどちらかに《拘引》をプレイしなくてはなりませんし。たしかにそのとおりです。
結局そのときは 2 回殴られてから《拘引》を使ったのですが、そこからたいしてライフを削らないうちに相手は援軍を引き当て、最後には《立ちはだかる空護り/Looming Hoverguard》から《粛清》と繋いで《尖塔のゴーレム》を処理し、土地を引き続けた私のライフを 0 にしました。
負けてからしばらくはぐったりして言葉も出ませんでした。あのときライフを 2 回分、6 点残していればそのぶんで逆転できたのでしょうか?
少ししてから私はライブラリを 5 枚めくってみました。それは 4 枚の土地と《空狩人の若人》。装備も一枚も引かなかったため、これではまったく解決になっていません。
|
ですが、私はあのとき《拘引》をすぐにプレイしていれば、このドローは変わっていたのではないか?と思います。
むろん、物理的にそんなことはありえません。
しかし最善のプレイングをできなかった者に勝利の女神は微笑んでくれない、というのは私の持論です。勝負事全般に当てはまることとして。
みなさん、アナログマジックは好きですか?
私は大好きです。
勝つための戦術にデジタル、つまり論理的な思考は必要不可欠なものですが、それでも私はオカルト「も」信じているのです。
昨シーズンの GP 札幌で私は 13 位に入賞しました。そのときは素直に嬉しかったものですが、同じ順位でも今回は悔しさが色濃く残る結果となりました。
最後に、帰省中練習環境を整えてくれた北海道北見市の方々、本戦中に「頑張ってください」と声をかけて下さったすべての方々、最終戦負けて落ち込んでる私に「俺もタイブレーカーで 3 回死んでる。次は勝てるって」と慰めてくれた九州の志岐くん、そして最後までお付き合いくださった読者の方々に感謝しつつ、この稿を終えたいと思います。
次こそは勝ちたいものですね。
この記事はこれで終わりです。感想・意見・質問等は elsis@ma.nasicnet.com またはツッコミフォームから。みなさんの応援の言葉がライターたちに経験を与え、次の記事を書く活力となります。よろしくお願いいたします。






ドラフト時の思惑などが詳細に書かれており、自分がドラフトする際の参考にもなります。<br>文章自体非常に読みやすく、楽しめました。
シールドでの色選択の基準、わかりやすくていいですね。見習おうと思います。<br>それにしてもシールドのデッキを見る限り、初日5回戦当たったような・・・?
ドラフトと時の周りとの協調はさすがだと思いました。小さい店とかだと何もなかったかのように色をかぶせてきますからね(苦笑)最終戦のドラフトで、緑単色をドラフトした方の日記も読んで後だっただけに、お二人のやりとりがよくわかりました。
ファーストドラフトで上家(青黒)だった者です。<br>結局僕は実力不足で1−2×2と情けない結果に終わってしまいましたが、このような詳しいトーナメントレポートを読むと、少しリミテッドの力が付いてくる気がします。<br>楽しく読ませていただきました。
感想ありがとうございます。久しぶりの投稿でしたが、反応が頂けて嬉しいです。<br><br>なお、シールドデッキは40枚で組んでいます。記事執筆時に沼か平地を一枚多く書いてしまったようです。(どちらだったかは忘れてしまいました(^^;)おそらく沼だとは思うのですが)<br><br>>GASPさん<br>ありがとうございます。何気に日記拝見しております(笑)<br><br>>?さん<br>GP初日はチャコールグレーのジャケットにタートルネックのセーターという格好で、首からラピスラズリのペンダントを下げていました。<br><br>>TKさん<br>とは言っても、やっぱり被ってしまうことはあるものです。被るにしても、被っても大丈夫なアーキタイプとそうでないアーキタイプが環境ごとにあるものですし。<br><br>>pu-ziさん<br>確か、2日目の出席確認の時、私の正面に座っていましたよね(笑)
・・・まあそこらへんはご想像にw
楽しく読ませていただきました<br><br>装備品を抜くというシールドの組み方ってのはいいアイディアだと思いますが<br>シールドパックが強いときの贅沢な意見だと僕は考えます<br>装備品を抜いても強さを保てるだけのスペルが存在しないかぎりできないことかなと<br><br>あとシールドデッキについてですが<br>レオニンのボーラを使用しない事はありえないと僕は考えています<br>ましてこのデッキはマイアや急報などの1/1が多く存在するのだから<br>それを後半も利用できるようになるボーラは採用すべきかと<br>ボーラは唯一鋳潰しを回避できる(ディスアドバンテージとならない)装備品であるわけですし
>とどちゃまさん<br><br>・装備品0について<br>はい。仰る通りです。この環境はスペルが余ることが多いので、特に装備と親和性もない生物陣で弱い装備を3枚入れるよりは、装備を入れずにスペルと生物を入れた方がいいことが多いなとは考えていました。<br><br>>レオニンのボーラ<br>仲間からも結構突っ込まれたところです。《鋳潰し/Unforge》とデッキの中での役割はたいして変わらない上、ボーラの方が応用が効くわけですし。当時の私は、《鋳潰し/Unforge》に加え《灰塵化/Turn to Dust》や《錆胞子の羊/Rustspore Ram》まで無効化したいという考えがあったためにこだわりましたが、思い返してみるとどれほどの効果があったかはやや疑問です。蛇足ですが、ボーラは白系デッキと当たった時はサイドインしていました。
言わずとしれたセカンドドラフトで緑単をドラフトし、ファーストドラフトで赤黒をドラフトしてた本人なわけですが(w<br><br>セカンドドラフトは白決め打ちでしたか…。《レオニンの円月刀/Leonin Scimitar》と《バンシーの刃/Banshee's Blade》を流していたので装備から白に入る可能性は危惧してましたけど、そうカードを流されれば問答無用だわなぁ。その辺のカードが流れてきてれば決勝に行けたかもしれないなぁとか考えてしまう今日この頃です。<br><br>仙台では2回当たり両方の試合とも負けてしまいましたが、次当たることあれば今度こそ!と意気込んでいる次第であります。またよろしくお願いします。
>愁さん<br>挑戦はいつでも受け付けます。《よだれ垂らしのオーガ/Drooling Ogre》や《滋養/Nourish》には負けませんよ(笑)