Peak Magic MtG戦略記事・カジュアル・トーナメントレポート・マジック記事投稿サイト

Peak Magic - Magic: The Gathering Japanese Column Data Base マジック・ザ・ギャザリング MtG の戦略記事・カジュアル記事・トーナメントレポートなどマジックをネタに投稿して賞金をゲットしよう



スタンダードやってる? 第10回

2004/07/07 12:29更新

スタンダードやってる? 第10回

Written by 平林和哉

フィフスドーン前のスタンダードは《頭蓋骨絞め/Skullclamp》と親和がすべてでした。たとえどのデッキを選ぼうとも、環境を支配する《頭蓋骨絞め》を意識せざるをえない-どのデッキも《頭蓋骨絞め》の対策カードを入れる必要に迫られていました。

その代表格として《減衰のマトリックス/Damping Matrix》が挙げられながらも、やはり攻める《頭蓋骨絞め》に比べるとかなり見おとりしてしまいます。《頭蓋骨絞め》が勝ちにつながるカードなのに《減衰のマトリックス》はそうではなく、また複数枚引くことのメリットの違い-このことが《頭蓋骨絞め》を使うビートダウンと、《減衰のマトリックス》の入ったコントロールの明暗を分けたともいえるでしょう。また《減衰のマトリックス》という存在が周知の事実になってしまい、結局アーティファクト破壊の的になってしまっていたのもコントロールが不利になっていた一因でした。

ところがコントロールは受けるだけではなかったのです。

ノントロン-攻めるコントロール

日本選手権予選のなかで一番最初に開催された東海地区予選。青春 18 切符が余っていたこともあり遊びに出かけたわけですが、思いのほか収穫がありました。それは当時ウルザ地形か《雲上の座/Cloudpost》を重ねて使うものと決まっていた《歯と爪/Tooth and Nail》を基本地形を並べまくることでプレイする一風変わったデッキ- GDW です。

GDW - Played by Kato Kazuki
 4  極楽鳥/Birds of Paradise
 4  ウッド・エルフ/Wood Elves
 4  ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
 4  真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
 1  白金の天使/Platinum Angel
 1  レオニンの高僧/Leonin Abunas
 1  映し身人形/Duplicant
 2  ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus

21 Creatures 4 神の怒り/Wrath of God 2 アクローマの復讐/Akroma's Vengeance 4 不屈の自然/Rampant Growth 3 歯と爪/Tooth and Nail 4 頭蓋骨絞め/Skullclamp
17 Spells 10 森/Forest 6 平地/Plains 2 ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus 4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
22 Land 60 Total Cards
 2  アクローマの復讐/Akroma's Vengeance
 1  レオニンの高僧/Leonin Abunas
 4  酸化/Oxidize
 4  減衰のマトリックス/Damping Matrix
 2  精神隷属器/Mindslaver
 1  映し身人形/Duplicant
 1  白金の天使/Platinum Angel

15 Sideboard Cards

Wood Elves

後藤祐征がつくった GDW -《ウッド・エルフ/Wood Elves》《頭蓋骨絞め》のエンジン。このシナジーに驚いたプレイヤーは多かったはず。かくいう私もその一人です。なにより予選段階にも関わらずデッキがシンプルにまとまっていたのもいい感じで、さっそく回してみようという気にさせられました。ビートダウンよりはアグロコントロールが好きな私にとってもこのデッキは手になじみ、しばらくのあいだ MO で調整することになったわけです。

まず最初に考えた変更案が、追加のフィニッシャーの必要性。《歯と爪》から出てくる《ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus》は分かりやすい勝ち手段ではありますが、そこに至るまでに時間をかけ過ぎてもいけません。《頭蓋骨絞め》を完全に封じることができるとはかぎりませんし、なによりライフ面でフォローができないデッキ(デザインした後藤は《新たな信仰/Renewed Faith》を入れていました)。《爆片破/Shrapnel Blast》《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》、いずれも複数そろう前に決着をつける必要があります。 そこで《正義の命令/Decree of Justice》《賛美されし天使/Exalted Angel》《正義の命令》をサイクリングして《頭蓋骨絞め》-なんとも安直な考えだとも思ったわけですが、それでも遅めのデッキに対しては異常なアドバンテージにつなげることができます。また《歯と爪》が効きづらいデッキである黒緑《死の雲/Death Cloud》に対しては強力なプレッシャーとなり、エンドカードを求めているときは天使トークンがすみやかな決着を。《賛美されし天使》は色マナの兼ね合いから変異経由で最速パターンこそ難しいものの、ライフ面でのサポートが魅力的です。《頭蓋骨絞め》の付いた《賛美されし天使》、なんてのはこのデッキぐらいでしか見られない光景だったり。

あとは《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》《酸化/Oxidize》への変更。これは一貴も考えていたようで、結局《頭蓋骨絞め》はインスタントタイミングで割らないとアドバンテージを取られてしまうという理由から。ただ《ヴィリジアンのシャーマン》を抜いてしまうと少なめのクリーチャーがさらに減ってしまう、というのが若干の問題ではありますが。

WGu Non-tron
 1  レオニンの高僧/Leonin Abunas
 4  極楽鳥/Birds of Paradise
 4  ウッド・エルフ/Wood Elves
 1  ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman
 4  真面目な身代わり/Solemn Simulacrum
 1  白金の天使/Platinum Angel
 1  ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus

16 Creatures 4 神の怒り/Wrath of God 2 アクローマの復讐/Akroma's Vengeance 3 正義の命令/Decree of Justice 3 酸化/Oxidize 4 不屈の自然/Rampant Growth 3 歯と爪/Tooth and Nail 4 頭蓋骨絞め/Skullclamp
23 Spells 11 森/Forest 4 平地/Plains 2 溢れかえる岸辺/Flooded Strand 4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath
21 Land 60 Total Cards
 1  島/Island
 1  アクローマの復讐/Akroma's Vengeance
 3  賛美されし天使/Exalted Angel
 3  機械の行進/March of the Machines
 1  酸化/Oxidize
 4  すき込み/Plow Under
 1  映し身人形/Duplicant
 1  隔離するタイタン/Sundering Titan

15 Sideboard Cards

(サイドボードの《賛美されし天使》《赤の防御円/Circle of Protection: Red》との選択で)

最終的にはこのようなレシピになりました。まず対コントロールで効果が大きい《すき込み/Plow Under》を採用。実はこのデッキ、メインでは本家ウルザトロンにかなり分が悪いため(《映し身人形/Duplicant》がないというのは微々たる問題。結局《ダークスティールの巨像》 2 体か《レオニンの高僧/Leonin Abunas》とセットで出てくる。単純に妨害要素がないためトロンの《歯と爪》が 2 ターンは早い)、サイド後は土地を攻めていく必要があったわけです。自身はマナブーストしながら彼我のマナ格差を広げる。こういう贅沢も《頭蓋骨絞め》のおかげというわけで。あとは《隔離するタイタン/Sundering Titan》が取り返しのつかないところまで引きずり込んでくれるという次第です。

March of the Machines

また大きな変更点としては《機械の行進/March of the Machines》でしょうか。結局どれだけ対策しようとも、致命的な一撃がなければ親和に確実には勝てないということはわかっていました。そして《粛清/Purge》では全然手ぬるく、《機械の行進》こそがその致命的なカードであったわけで、マナブーストの豊富なデッキゆえに 3 色目の《機械の行進》がタッチされることになったのです。これで親和に対する勝率がかなり確保され、自信の持てるレシピに仕上がりました。

……結局このデッキで予選を抜けることはなかったのですが。でも結構気に入っています。日本選手権の前日は親和で出るか、ノントロンで出るかかなり迷っていたぐらいです。

ふたたび Rats Deck Wins

ここで Rats Deck Wins の再登場。ちょうど時期的にはサンディエゴの一週間から二週間前ぐらい。

高桑祥広に「なにかいいデッキない?」と聞かれて渡したのが RDW。たぶん気に入るだろうな、と思ったら「もう選手権これで出るよ~」と言い出すほどで、それからサンディエゴまでの期間 MO で調整することになりました。はたしてサンディエゴを前にしてこんなことしてていいのか?という気になってたりもしましたが、モチベーションは自由になりません。むしろやる気のあるうちにやっておくのが一番です。

Rats Deck Wins ver.1.5
 3  ただれたゴブリン/Festering Goblin
 4  貪欲なるネズミ/Ravenous Rats
 4  騒がしいネズミ/Chittering Rats
 4  包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander
 4  真面目な身代わり/Solemn Simulacrum

19 Creatures 4 頭蓋骨絞め/Skullclamp 4 静電気の稲妻/Electrostatic Bolt 3 粉砕/Shatter 4 死の雲/Death Cloud 3 耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence
18 Spells 9 沼/Swamp 6 山/Mountain 4 アーボーグの火山/Urborg Volcano 4 血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire
23 Land 60 Total Cards
 3  迫害/Persecute
 4  残響する破滅/Echoing Ruin
 4  石の雨/Stone Rain
 4  宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator

15 Sideboard Cards

この段階でもまだ赤黒 2 色です。実は緑が足されたのはかなり後のほうで、長いあいだ赤黒 2 色で調整されていました。別に色を増やせば強くなるというわけでもないですしね。グランプリ横浜で使ったシルヴォスゲドンなんかがいい例です(悪い例?)。色マナの兼ね合いをつけることはできるのですが、土地が痛いのはどうしたって避けられない。ただでさえ《死の雲》で自らライフを削るというのに、肝心の土地が痛いなんて事態はなるべくなら控えたい-そう思ってたかどうだったかは忘れましたが、とにかく当時の私は補色を足そうとは考えていませんでした。

以前のバージョンからの変更点。

《ただれたゴブリン/Festering Goblin》の採用

Festering Goblin

これは近畿地区予選で権利を取ったゾンビデッキから。既存のデッキ以外にも目についたデッキは一通り MO で回していたのが功を奏し(ちなみに関東予選の《花盛りの春/Vernal Bloom》デッキも回しています。おかげでエルフ&ネイルが登場する前に安く《花盛りの春》を集めることができました)、《ただれたゴブリン》が結構やり手だということに気づきました。《貪欲なるネズミ/Ravenous Rats》《ウッド・エルフ》《ワイアウッドの伝令/Wirewood Herald》……といったクリーチャーたちはまさに《頭蓋骨絞め》で絞めるためにいるといっても過言ではない存在で、《ただれたゴブリン》もそのラインナップに充分な能力です。あと《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》で放り投げられるのに気がついて、ほんのちょっとの幸せ。

《耽溺のタリスマン/Talisman of Indulgence》の再採用(再々採用?)

本当に出たり入ったり忙しい《タリスマン》がまた復活。正直なところ、茶破壊が環境の基本な時代にアーティファクトでマナブーストするのは嫌なものですが、それ以上にマナブーストは極めて重要。なんのために除去を連打するのか?と言えば《包囲攻撃の司令官》《死の雲》につなげるためなのだから、それは早いに越したことはないはず。

サイドボードがすっきり

まず《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》。これは何度も《紅蓮地獄/Pyroclasm》も試したうえでの選択です。相手に大量のゴブリンが出てくると手に負えない。でもそれ以上にアドバンテージは大事。それにソーサリータイミングでは《頭蓋骨絞め》を阻止できない。以上の理由です。次に最終的にはクビになった《石の雨/Stone Rain》。当時はまだウルザトロン系列(ポスト、ノントロン含む)やコントロールデッキを意識していたため。結局はメタから切って抜いたわけですが、ネズミ軍団にバックアップされた土地破壊はかなりの嫌がらせになります。

あとは《迫害/Persecute》。使えるデッキが限られたカードとはいえ、これを苦手にするデッキは意外に多いもの。メタの変遷でエルフ&ネイルが登場してきたのも追い風でした。《頭蓋骨絞め》にさえ対処してしまえば、単体のカードで戦えるデッキではないですからね。

そんなこんなで RDW、結構調整されてました。やっぱりメタに存在しないデッキでトーナメントに出たいという欲求はあったわけで、いけるいけると思っているうちは楽しいものでした。もし日本選手権が一月前に開催されていたならば、親和ではなく RDW で出ていたと思います。

遅々としていますが、また次回。

(文中敬称略)

Tags: Strategy
■この記事はいかがでしたか?■
該当するものをいくつでも選んで送信ボタンを押してください
管理人に送信されます

役に立った 面白かった 興味深かった 分かりやすかった つまらなかった 難解だった 特にない

記事へのツッコミ(4) [ツッコミを入れる]
_ 渡辺 2004/07/04 13:49

スタンダードでは、頭蓋骨締めは禁止カードに指定されています。(詳しくはホビージャパンのホームページに

_ ダマ   2004/07/05 22:02

は?ちゃんとフィフスドーン前ってなってるし内容自体が日本選手権予選~日本選手権本戦のスタンのデッキ調整の過程なのにどうしてそんなツッコミがでるか理解できない。

_ 渡辺 2004/07/06 14:26

すみませんでした。<br>ダマさんのツッコミを呼んだ後<br>読み返してみて自分でも築きました。<br>今後はちゃんと呼んでからコメントしたいと思います。

_ buzz 2004/07/07 12:29

ちゃんと読んでもないのにコメントするのはどうかと思う。<br><br>今月のぎゃざにも載ってたバージョンにどう進化していったかが楽しみです。次も期待してます。


Wizards of the Coast, Magic: The Gathering, Magic, Limited Edition, Unlimited Edition, Revised Edition, Fourth Edition, Fifth Edition, Classic, Seventh Edition, Core Set, Arabian Nights, Antiquities, The Dark, Legends, Fallen Empires, Ice Age, Chronicles, Homelands, Alliances, Mirage, Visions, Weatherlight, Tempest, Stronghold, Exodus, The Rath Cycle, Urza's Saga, Urza's Legacy, Urza's Destiny, Mercadian Masques, Nemesis, Prophecy, Invasion, Planeshift, Apocalypse, Odessay, Torment, Judgment, Onslaught, Legions, Scourge, Mirrodin, Darksteel, Fifth Dawn, Champions of Kamigawa, Betrayers of Kamigawa, Saviors of Kamigawa, Unglued, Unhinged, Portal, Portal Second Age, Portal Three Kingdoms, Vanguard, Anthologies, Battle Royale, Arena, DCI, Dominia, Gen Con, Magic: The Gathering Pro Tour, Oracle, Deckmaster, Garfield Games, and all logo and card illustlation and the tap symbol and the mana symbols are registed trademarks of Wizards of the Coast, Inc.