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現実に戦う 〜 yossy の日本選手権レポート(後編)
前編掲載から長らく間が空き、ご迷惑をおかけしました。
前回は初日 5-1-1 を果たしたところで終わっていましたが、現実にベスト 8 が望める位置に来たことになります。このような状況は初めてで、やはり緊張は隠しえませんでした。しかしそれ以上に、これから繰り広げられる戦いに心躍らせていました。それで、ちょっと寝不足気味に……(笑)
では、眠気も覚める強豪ぞろいのポッドに割り振られた第 2 ドラフトからお話の再開です。
第 2 ドラフト@ 2 番ポッド
席順
Kamei, Shunsuke → Aizawa, Keiji → Ogura, Ryou → Takakuwa, Akihiro → Tachibana, Satoshi → Yoshikawa, Yuusuke → Hayashi, Shinsuke → Ooiso, Masashi
ドラフト経過
今回の初手は《手綱取り/Grab the Reins》。確実に 2 対 1 交換が取れ、場合によってはフィニッシュカードになりうる優秀なカードで、文句なし。そして赤という色自体も受けが広い色のため、今後のピックに柔軟性が持てるようになった。だが逆に言うと方針が定めづらいということでもあり、フラフラしたドラフティングになってしまう危惧もあった。
そして、それは具体化してしまう。最初は黒赤の除去系デッキ志向だったのだが、黒いカードがほとんど流れてこない。今回の定番となった《屍賊の嘆き/Wail of the Nim》こそ入手するものの、デッキの根幹となりうるカードが手に入らない。なので、デッキの隙間を埋められるカードを中心にピックしておいた。それでも苦しかったのは事実なのだが……。
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ダークスティールに入り、初手は《ヴァルショクの鉄球/Vulshok Morningstar》。初手で除去に恵まれなかったこともあり、今大会中お世話になり続けたカードだった。続く 2 手目には《鋳潰し/Unforge》。以前練習中に「初手で」このカードを取って驚かれたこともあったのだが、アーティファクト除去が全体として減少しているなか、装備品除去とトリックの重要性は増していると思っている。それは第 1 ドラフトで痛感したことでもある。ちょっと極端かもしれないが、それがこのときの意識だった。
続く 4〜5 手目で《水銀のビヒモス/Quicksilver Behemoth》が連続して流れてくる。中〜大型クリーチャーが不足していたのと、これ以上黒に固執すべきでないと感じたことから、これを捕獲して青路線へ。ミラディンで青の有力カードを流しており(たしか《厳粛な空護り/Somber Hoverguard》となにか)、下家が青くなっているのは承知していたが、こちらとしても譲れるところではないため、踏み込む。続くパックで青いカードの重なりからあふれてきたと感じさせる《尖塔のゴーレム/Spire Golem》を取得。なぜか《クラーク族の火焚き/Krark-Clan Stoker》 3 枚取れたりもして(このカードがキーになるとは思わなかったのだが……)、いちおう見かけ上の枚数はそろえられそう。
フィフスドーンの初手は《注入の矢/Infused Arrows》。後で取った《モリオックの装具工/Moriok Rigger》と合わせ 3 色にすることが確定。4 手目に望外のフィニッシャー、《召喚基地/Summoning Station》を入手し、なんとか戦力をそろえることができた。構築に当たっては、エースたる《水銀のビヒモス》を生かすために多少カードパワーが低くともアーティファクトを一定数維持できることを念頭に置いた。
| Wish upon a Pincher - Yoshikawa Yusuke / 2004 Japanese Nationals 2nd Draft Deck | |
|---|---|
1 ニューロックの使い魔/Neurok Familiar 1 思考の急使/Thought Courier 1 熱風の操縦者/Thermal Navigator 1 エルフの模造品/Elf Replica 1 クラーク族の火焚き/Krark-Clan Stoker 1 モリオックの装具工/Moriok Rigger 1 四足マイア/Myr Quadropod 1 上位の空護り/Advanced Hoverguard 1 潜むエイノデット/Anodet Lurker 1 尖塔のゴーレム/Spire Golem 1 オキシダのゴーレム/Oxidda Golem 2 水銀のビヒモス/Quicksilver Behemoth |
1 チス=ゴリアの歯/Tooth of Chiss-Goria 1 鍛冶場の鎧/Forge Armor 1 クラーク族の火焚き/Krark-Clan Stoker 1 屍賊の嘆き/Wail of the Nim |
Round 8 vs. 林眞右(ランキング枠) 使用デッキ:青黒
Game 1
まずは下家との対戦となった。案の定《島/Island》を置かれ、色がかぶっていることが明らかになる。申しわけなくも思ったが、もう構ってもいられない。
相手の初動は第 4 ターンの《空護りの観察者/Hoverguard Observer》。こちらは《熱風の操縦者/Thermal Navigator》、《オキシダのゴーレム/Oxidda Golem》と展開しダメージ量で押す。さらに《ヴァルショクの鉄球》を追加して攻撃を継続し、地上が膠着したときには相手のライフはわずか 1。あとは飛行クリーチャーの数が相手を上まわるまで待ち、押し切る。
Game 2
相手先攻第 2 ターンに《盲目の忍び寄るもの/Blind Creeper》。青黒という相手のデッキの性質上、先行されるとまずいのだが、こちらの初動である第 3 ターン《尖塔のゴーレム》を《無効/Annul》され、テンポを掌握されてしまう。地上をなんとかしたころには既に遅く、飛行が止まらずに最後は《魂の消耗/Consume Spirit》で死亡。
Game 3
|
また序盤から押されるうえ、《ヴァルショクの鉄球》もふたたび《無効》されてしまう。さらには《屍賊の金切り魔/Nim Shrieker》に《囁き絹の外套/Whispersilk Cloak》がついてクロックがかかり大ピンチに。しかし、ここで大車輪の活躍をしたのが《クラーク族の火焚き》。まずは土地 5 枚から《召喚基地》をプレイすることを可能にし、続いて《囁き絹の外套》を《鋳潰し》しつつ《尖塔のゴーレム》を間に合わせる。《大笑いのインプ/Cackling Imp》がいて微妙なライフレースとなるが、トークンの大量生産で一気に追いすがる。相手が緩みからか 2 回ほど《大笑いのインプ》の能力起動を忘れてくれたおかげで、トークンの攻撃が間に合って勝利。
W-L-W 通算 6-1-1
Round 9 vs. 亀井俊佑(近畿地区) 使用デッキ:緑赤タッチ黒
Game 1
この時点で暫定順位が一ケタに。否が応にも緊張が高まる。
が、デッキは関係なく回る。相手の展開が遅いためあっさりと《召喚基地》が出て、そのまま破壊されることもなく物量で押し切る。
Game 2
しかし、ようやく緊張が乗り移った(?)のか、ここでマリガンを余儀なくされる。6 枚は満足いくものだったが、相手が第 3 ターンにプレイしてきた《トゲ撃ちゴブリン/Spikeshot Goblin》が手札の価値を暴落させる。ただでさえ土地の展開がうまくいっていなかったため、そのまま制圧されて負け。
Game 3
相手が第 2 ターン《電結のとげ刺し/Arcbound Stinger》→第 3 ターン《角兜/Horned Helm》装備から攻撃、私も《クラーク族の火焚き》から《オキシダのゴーレム》と対抗していく。
しかし《テル=ジラードの射手/Tel-Jilad Archers》をプレイした前後の相手の動きがどうもおかしい。手札があるのに使ってこないあたりに巨大化系スペルのにおいを感じ、有効活用させぬよう、ていねいにダメージを通していくことに。
こちらが《モリオックの装具工》に《炎叫びの杖/Fireshrieker》をつける勝ち筋を作ったとき、私のライフは 14。ここから相手は《電結のとげ刺し》攻撃からこれに《残忍な突進/Ferocious Charge》をプレイしライフは 8 に減少。返すターンの攻撃をチャンプ気味に止められたあと、もう一度《電結のとげ刺し》攻撃。異変を感じて《熱風の操縦者》でこれをブロックするも、さらに 2 枚(!)の《残忍な突進》をプレイされ、《角兜》のトランプルとあいまって 8 点のライフをちょうど削りきられた。
《残忍な突進》の気配を感じ取ることはできた。実際、相手はそれを持っていた。しかし使われるのを恐れた結果、この敗北をまねいた。もっとまっすぐプレイしていれば良かったのか? 恐れをなした時点で負けていたのだろうか? それはわからない。だが結果として、彼は Top 8 に残り、私は残れなかった。
W-L-L 通算 6-2-1
Round 10 vs. 小倉陵(東海地区) 使用デッキ:緑黒
Game 1
残るはドラフト最終戦、無敗は途切れてしまったものの望みをつなぐためにもぜひ勝ちたいところ。だが相手は《剃刀毛のマスティコア/Razormane Masticore》を《精神の眼/Mind's Eye》で維持するというスーパーレアコンボを内蔵した強力無比な緑黒。正直言うと当たりたくなかったのだが、組まれてしまったのだからしかたない。幸運を期待しつつ、全力で臨む。
さてゲームは相手先攻、《テル=ジラードに選ばれし者/Tel-Jilad Chosen》に対し《ニューロックの使い魔/Neurok Familiar》で応える立ち上がり。相手はこの 2 枚の交換を嫌って攻撃せず、ゆるやかな展開になる。しばし後《ヴァルショクの鉄球》を引き、これを《ニューロックの使い魔》に装備させて攻撃に出る。殴り合いになるもののこちらが有利で、相手の後続を《レオニンの刃罠》《撹乱のオーラ/Disruption Aura》でさばいていく。相手の引きがどうも今一つのようで、《炎叫びの杖》の二段攻撃でクロックを早めると妨害もなく、そのまま勝利。
Game 2
相手は第 3 ターンの《ドロスのゴーレム/Dross Golem》発進から。こちらも《エルフの模造品/Elf Replica》《上位の空護り/Advanced Hoverguard》で対抗するが、第 5 ターンに《ファングレンの初仔/Fangren Firstborn》が現れる。かなりきつい。奴をなんとかしなければ未来はない。
しかしこちらとしてもトリックがなく、せいぜいが《ニューロックの使い魔》を追加して《ドロスのゴーレム》に《撹乱のオーラ》を張るくらいしかできない。問題は《上位の空護り》をブロック用にに残すかだが、相手になにもなければ《ニューロックの使い魔》《エルフの模造品》でなんとか事足りるし、《上位の空護り》を失ってはクロックを維持できず相手に猶予を与えすぎてしまうと判断し、これは攻撃に向かうこととした。
続くアップキープに相手は少考しながらも《ドロスのゴーレム》を墓地に置き、《ファングレンの初仔》で攻撃してくる。無論《ニューロックの使い魔》《エルフの模造品》でブロック。表面上は平静を保っていたが、実際はトリックがなにかあったらすべてが瓦解してしまうため、祈りにも似た気持ちで相手の行動を待っていた。
果たして、相手は静かに《ファングレンの初仔》を墓地に置いた。賭けに勝った私は、《ヴァルショクの鉄球》をまとった《上位の空護り》でビートダウンを続行。第 7 ターンには《召喚基地》を設置し、地上をごまかしながらゴッドカードが現れる前に勝負を決めることができたのだった。
W-W 通算 7-2-1
正念場とも言えた第 2 ドラフトは 2 勝 1 敗、上々の成績だが、結果的には 3 勝を狙えただけに不満もいくぶん残った。
楽しかったリミテッドも終わり、ここからはふたたびスタンダードとなる。
Round 11 vs. 水谷直生(ランキング枠) 使用デッキ:ビーストタッチ青
Game 1
こちら先攻、割と満足の行く初手で《霊気の薬瓶/Ather Vial》を設置するが、即座に《酸化/Oxidize》される。気を取り直していきたいところだが、アーティファクトの数が微妙に足りず《マイアの処罰者/Myr Enforcer》を展開できなかったりと、どうも展開に足かせがかかりうまくいかない。
そんな風にモタモタしているうちに、相手は《肥沃な大地/Fertile Ground》から青マナを生成して《機械の行進/March of the Machines》。こちらも《大霊堂の信奉者/Disciple of the Vault》で粘り強くライフを削っていくも、残り 2 の段階で《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》が現れ、土地を置いても 1 残ってしまい敗北。
- out
- 3×《黄鉄の呪文爆弾/Pyrite Spellbomb》、1×《マイアの処罰者》
- in
- 2×《ちらつき蛾の生息地/Blinkmoth Nexus》、2×《ゴブリンの修繕屋スロバッド/Slobad, Goblin Tinkerer》
Game 2
ふたたび《霊気の薬瓶》設置スタート。今度こそ破壊されなかったので、第 2 ターンには《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》《金属ガエル/Frogmite》をプレイして《霊気の薬瓶》から《大霊堂の信奉者》。第 3 ターンにも《電結の荒廃者》を追加し、第 4 ターンには《ヴィリジアンのシャーマン/Viridian Shaman》の頭上をカウンターを一身に集めた《ちらつき蛾の生息地》が飛び越えて 4 ターンキル。
これくらいしないと勝てないんじゃないかと思っていただけに、嬉しい激回り。
- out
- 3×《マイアの処罰者》
- in
- 2×《黄鉄の呪文爆弾》、1×《ダークスティールの城塞/Darksteel Citadel》
Game 3
相手先攻から、第 2 ターン《不屈の自然/Rampant Growth》で《島》を調達、第 3 ターンに《機械の行進》。
もちろん後攻であるうえにマリガンスタートの私が抵抗できるはずもなく、投了。
L-W-L 通算 7-3-1
Round 12 vs. 城宏紀(近畿地区) 使用デッキ:白青コントロール
Game 1
相手先攻、プレイ《沿岸の塔/Coastal Tower》で白青と判明。そうと決まればていねいに、かつ迅速にビートダウンを決めることが急務だ。
第 3 ターンには早くも《減衰のマトリックス/Damping Matrix》を設置されるのだが、あらかじめ《頭蓋骨絞め/Skullclamp》を装備しておいた《金属ガエル》と《大霊堂の信奉者》で押す。《神の怒り/Wrath of God》がプレイされれば《爆片破/Shrapnel Blast》で末期の一撃を放ちつつ《ちらつき蛾の生息地》が引き継ぐ。そうして相手のライフを 5 まで落とし、手札には 2 枚目の《爆片破》が。すぐには撃たず、相手の行動に対応して、と思っていたが 3 枚目を引く。もちろん相手が対応できようはずもなく。
- out
- 3×《黄鉄の呪文爆弾》、2×《マイアの処罰者》
- in
- 2×《ちらつき蛾の生息地》、3×《マナ漏出/Mana Leak》
Game 2
今ひとつ相手のメタカードが刺さらず、リセット警戒の《マナ漏出》を抱えてまったりとビートダウンしていたら勝ってしまった。
昔からそうだが、攻撃的なデッキで有利な盤面を維持しながらカウンター呪文を握り締めているときほど安心感を持てる展開はないと思うし、そのような状態を作れるデッキばかりを選んできた気がする。それは私によい影響も悪い影響も与えてきたのだが、大舞台で自分の本来のリズムをつかめると、やはり気分のいいものだ。
W-W 通算 8-3-1
Round 13 vs. 板東潤一郎(ランキング枠) 使用デッキ:白青コントロール「人類の英知」
Game 1
前ラウンドに引き続いての白青コントロールとの対戦。もう 1 敗も許されない状況ではあったものの、さきほどの勝利のイメージが残っていたため、だいぶ楽観的な感覚を持って対戦に臨んでいた。初手は土地が《ちらつき蛾の生息地》《空僻地/Glimmervoid》で展開に不安を感じさせる、それほど強力とはいえないものだったが、楽観からそのままキープ。
しかし相手のデッキの完成度がそれを打ち砕く。《沿岸の塔》を重ねるスタートに対し、アーティファクト土地を引けた私は第 2 ターンに悠々と《電結の荒廃者》でダメージを先行しようとする。だが、これに《無効》が飛んでくる。よくよく考えれば可能性として十分ありえた選択なのだが、当時の私に冷水を浴びせるには十二分の一撃だった。
これによって出鼻をくじかれた私は、アーティファクトが足りず《マイアの処罰者》を展開できないというお決まりのハザードに陥り、《減衰のマトリックス》の前に沈黙。いちおうプレイは続けるものの、《正義の命令/Decree of Justice》で天使トークンを出されたのを見とどけて投了。
- out
- 3×《黄鉄の呪文爆弾》、2×《マイアの処罰者》
- in
- 2×《ちらつき蛾の生息地》、3×《マナ漏出》
Game 2
もう負けられない、背水の戦い。でもさきほどの敗戦でカードの選択の差、デッキの完成度の差を感じてしまい、あまり勝てる気がしなくなっていた。もちろん、その場ではそんな感情はおくびにも出さずにさばさばとしていたのだが。
それでもデッキはその気持ちを感じ取っていたのかもしれない、なんて書くとあまりにオカルトチックなのだが、事実として私はマリガンを余儀なくされ、第 2 ターンの《金属ガエル》を《無効》で叩き落された時点でほぼ大勢は決していた。
もちろん最後は《機械の行進》で。
L-L 通算 8-4-1
Round 14 vs. ユン・スハン(オープン予選) 使用デッキ:電結親和
Game 1
Top 8 の目は前のラウンドで潰えた。しかし、ここで勝てばまだ Top 16、賞金圏内の可能性があるということで、最後まで負けられない。とはいえ、重圧のかかり方がさきほどよりだいぶ弱くなっているのは事実だった。
さて最後の戦いは親和同士のミラーマッチ。こちら先攻から《電結の荒廃者》で押すと、相手は《頭蓋骨絞め》を 1 枚、2 枚。さらに《物読み/Thoughtcast》で 1 枚、2 枚。こちらはそれらが引けずにいて少し苦戦を予感するも、相手に肝心要のクリーチャーが出てこない。そうとなれば物量がものをいう前にと、《電結の荒廃者》 2 枚目を追加してビートダウン。結局相手のクリーチャーが間に合う前に、勝負を決することができた。
Game 2
今度は相手が本来の展開。《電結の働き手/Arcbound Worker》→《電結の荒廃者》と展開され、一気呵成の構え。こちらも対抗したいところだが、目の前には《霊気の薬瓶》が 1枚、2 枚、3 枚……。ここまで壊されて困ったことはあっても余って困ったことはなかっただけに、困惑しつつもしかたないかと自分を納得させる。そうは言っても無駄カードがこれだけあれば劣勢には変わりなく、遅れて《電結の荒廃者》 2 枚で押し止めるも、引きまくった割に展開が落ち着き気味の相手の手札には当然《爆片破》がいるわけで。
Game 3
泣いても笑っても最後の戦い。だが、やはり《頭蓋骨絞め》に代表されるドローソースを多く引いた方がそのまま勝つのは道理で、それを跳ね返すには相当の技術と幸運が要るもの。平たく言えば「引きの勝負」で、それはここまで 3 回あったミラーマッチの結果からも明らかなことだ。
幸いにして、このとき主導権を握ることができたのは私だった。初手から《電結の働き手》→《頭蓋骨絞め》&《大霊堂の信奉者》とライフ的にもカードカウント的にも先行できる状態で、さらに《頭蓋骨絞め》がこれらのカードの 2 枚目を呼び込む。こうなってしまえばあとは一撃必殺の《炉のドラゴン/Furnace Dragon》による逆転をされなければ良いだけ。相手も《頭蓋骨絞め》で掘り進めようとするが、私の側にある 2 枚の《大霊堂の信奉者》がそれを許さず、結局《煮えたぎる歌/Seething Song》を握り締めたまま投了となった。
W-L-W 通算 9-4-1(最終 14 位)
戦い終えて
こうして私は、日本選手権出場 3 回目にして初のマネーフィニッシュを果たすことができました。そして結果から言えば、あと 1 勝、勝ち点にして 2 点で Top 8 =日曜日進出ができたかもしれない位置にいたことになります。
しかし、私は「あと一歩」という感じが、いまでもしていません。この 1 勝、この 2 点は、今回の私にとっては大きな壁であったように思うのです。ドラフトにおける唯一の敗戦はともかく、6 回戦における引き分けは避けられたはずのものであったでしょうし、そしてなによりスタンダードでの 3 敗は、私の準備不足が招いたものだったと思います。つまりは、力不足です。
前編の使用デッキ解説において、私は技量の差を埋めるためのデッキ・カード選択をしたと書きました。その方針そのものは間違っていなかったのでしょうが、そもそも技量の差を少しでも埋めようとしていたか? というところに問題があったといまさらながらに思うのです。少なくとも、準優勝の津村くんをはじめとする「コガモ団」が使用した親和デッキとは完成度の差が明らかにあったと感じていますし、ある程度オリジナルな部分を追求するにしても、もう少し綿密な研究があって良かったのではないかと思っています。それは、私が「勝ちたい」ではなく「勝てたらいいな」程度の考えでこの大会に臨んでいたということの現れだったと思うのです。
私は、元来勝負にこだわり、熱くなりやすい気質のため、これまでは一度崩れると立ち直りが効かないという悪癖がありました。そこで今回は、努めて気楽な状態を保ち、大きな目標を持たず「まずは次の 1 勝」を確実に取りに行くことを念頭に置いていました。現実問題、勝とうが負けようが一つのラウンドで得られる白星は一つ、黒星も一つのしかないわけですから。その意味では今回は連敗もしませんでしたし、成功と言えるのかもしれません。しかし、やはりその程度の意識では Top 16 が関の山だったのだ、との思いもあります。この 2 点が、このレポートの表題を「現実に戦う」とした理由です。
各ラウンドで、現実を把握し、今できることをして勝ち星を拾っていく。これはできました。しかし、自分が勝つということを現実として見据えて準備を進め、あるいは大局的な目標を設定していく。これができなかったのが、今回の私ということになるでしょう。そして、今回それが完璧にできたのが、今年の日本チャンプ、藤田剛史その人であると、私は考えています。
勝つことが夢物語であるのも、悪くはないと思います。しかし、このような大舞台で壇上に上がるためには、夢物語を現実として直視していくことが必要なのではないかというのが、今回の感想です。
9 月には、この日本選手権の「その先」である世界選手権が開催されます。私は「その先」に行くことはなくなりましたが、参加される皆様方の健闘を期待します。日本人がプロツアーの日曜日で活躍することが珍しくなくなった今だからこそ、最高の準備をして素晴らしい戦いを見せてほしいと思いますし、それができるのが今回の権利持ちメンバーであると私は思っています。
私自身の次の大きな目標は秋のグランプリ横浜〜年明けのプロツアー名古屋になります。今回感じたことをどれだけ活かしていけるかはわかりませんが、こんな文章を書いた人間として、恥ずかしくない戦いをしたいと思います。
長々とした文になってしまい申しわけないのですが、ここまでお読みいただいたことに感謝いたします。そして、最後になりましたが、ここにお名前を挙げた対戦相手の方々にあらためて御礼を申しあげて、結びの言葉としたいと思います。
ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。


