トーナメントの基礎知識 ― 高いレベルのトーナメントを目指す方々のために

翻訳:進藤欣也
校正・改編:鈴置了

この文章は、プロツアーや世界選手権、マスターズ、グランプリと言った、高いレベルのトーナメントを目指す方のために書かれたものですが、普段のトーナメントでも重要な内容が多く含まれています。

(編註:本稿の原文は、世界選手権の Players Packet 中にある Highlevel Tournament Information です(→http://www.wizards.com/worlds/downloads/WorldsPacket.doc)。 これを、広くトーナメントプレイヤーのみなさんに読んでいただくために、翻訳、校正されたものを、編集、掲載いたしました。 日本語原文はこちらです)

1. ルール適用度

各トーナメントには、それぞれのトーナメントのレベルに応じたルール適用度(Rule Enforcement Level)があり、それによりジャッジのプレイヤーに対するルールの適用の厳しさやペナルティが決められます。ルール適用度は、適用度1から適用度5までの5段階になっています。ほとんどの高いレベルのトーナメントは、適用度4〜5です。

適用度5は、ルールが最も厳しく適用されるレベルで、世界選手権、プロツアー、マスターズで採用されます。この適用度では、違反をしたプレイヤーに対するペナルティは非常に厳しくなります。この適用度のトーナメントに参加するプレイヤーは、自分の責任を熟知していることが要求され、寛大な措置が取られることはありません。これには意図していない違反なども含まれます。

適用度4の厳しさは適用度5とほとんど変わりませんが、ジャッジの判断やペナルティの適用に若干の融通が認められます。適用度4は、国別選手権、グランプリ、大陸選手権、マスターズ・ゲイトウェイで採用されます。

それぞれの適用度に対応するイベントは以下のとおりです。

適用度5
世界選手権、プロツアー、マスターズ
適用度4
大陸選手権、グランプリ、国別選手権、マスターズ・ゲイトウェイ
適用度3
プロツアー予選、地方選手権
適用度2
グランプリ・トライアル、プレリリース・トーナメント
適用度1
一般の大会

2. 時間切れのゲームの処理

時間切れになった時点で続行中のゲームに関しては、追加の5ターンが与えられます。ただし、終了時点のアクティブ・プレイヤーのターンは、追加ターンには含まれません。追加ターン中でも、プレイヤーは通常のテンポでのプレイングが要求され、それに従わない場合は遅いプレイングによるペナルティが与えられます。ターンに入ったかどうかは、そのターンのアンタップの意思を示したかどうかで判断します。実際のターン進行は以下のようになります。

  1. 時間切れになる。
  2. プレイヤーA(現在のアクティブ・プレイヤー)がターンを終了させる。
  3. プレイヤーBのターン(Bの追加1ターン目)を行う。
  4. プレイヤーAのターン(Aの追加1ターン目)を行う。
  5. プレイヤーBのターン(Bの追加2ターン目)を行う。
  6. プレイヤーAのターン(Aの追加2ターン目)を行う。
  7. プレイヤーBのターン(Bの追加3ターン目、最終ターン)を行う。
  8. マッチ終了。

3. デッキリスト

デッキリストは読みやすい文字(英語の場合は活字体)で書き込んでください。ペナルティを受けないためにも、十分時間に余裕を持って書き込んでください。

全てのカード名は、アルファベットによる英語カード名か、漢字かな混じりによる正しい日本語のカード名で書き込む必要があります。それ以外の言語(例:Ruggito del Wurm)、読み仮名(例:はめつてきなこうい)や、英語のカタカナ読み(例:カウンタースペル)などは認められません。

デッキリストに名前やDCI番号を忘れた場合、ペナルティが発生します。

デッキの内容とデッキリストの内容が異なる場合、ペナルティが発生した上で、デッキの内容をデッキリストに合うように変更します。

デッキリストに関するよくあるミスに、名前の書き忘れ、サイドボードの書き忘れ、土地の枚数の書き間違いなどがあります。プレイヤーはデッキリストが正しいかを必ず確認し、リストとデッキのカードが合っているかを数回数えなおすことをお勧めします。

4. ゴミ

トーナメント会場にゴミを残さないで下さい。ここでの"トーナメント会場"には、実際にイベントを行うエリアの他に、物販エリア、食事エリア、会場の建物の中や周囲などが含まれます。

トーナメントを行うテーブルの上に飲食物を置かないで下さい。

会場にゴミを残しているプレイヤーには、必要に応じたペナルティが与えられます。

5. 遅刻

ラウンドの開始時に席についていないプレイヤーに対しては、遅刻のペナルティが与えられます。一般に、開始時に席についていないプレイヤーには、ゲームロスのペナルティが与えられます。さらに10分たっても席につかないプレイヤーに対しては、マッチロスのペナルティが与えられ、さらに自動的にトーナメントを棄権したことになります。

ラウンド終了後、ただちに次のラウンドが開始となります。プレイヤーは自分の責任でラウンドの進行を確認してください。

6. 遅いプレイ

すべてのプレイヤーには、容認されるテンポでゲームを進める義務があります。これは、時間無制限のゲームや、ラウンド終了時の追加ターンであっても同様です。

プレイヤーのプレイが遅いと判断された場合、必要に応じたペナルティが与えられます。

プレイヤーが意図的に遅いプレイをしているとヘッドジャッジが判断した場合、"遅延行為"として、さらに重いペナルティが与えられます。

7. シャッフルとサイドボード交換

シャッフルとサイドボードの交換に使える時間は3分間です。

各マッチの開始時と、ゲームとゲームの間に、プレイヤーはシャッフルとサイドボードの交換を、それぞれ3分以内に完了させなければいけません。

対戦相手から(自分で十分なシャッフルを行った後で)デッキを受け取ったら、そこから1分以内でそのデッキをシャッフルします。

マリガンの決定は、これらの時間制限に含まれません。マリガンの決定は30秒以内に行います。

アクティブ・プレイヤー(そのゲームの先攻プレイヤー)がすべてのマリガンの処理を先に完了させることに注意してください。

プレイヤーが相手のデッキのシャッフル中にカードを見てしまった場合、"過剰のカードを見た"ことによるペナルティが与えられます。さらに、それが意図的なものであると判断された場合は、不正行為としてさらに厳しいペナルティが与えられます。

8. スリーブとカードの裏

スリーブ(もしくはカードの裏)は、区別できる状態であってはいけません。

プレイヤーには、自分のスリーブが区別できる状態でないことを常に確認する義務があります。新しいスリーブを購入した場合は、必ず確認を行ってください。

スリーブが、特定のカードに偏って区別ができる状態である場合、不正行為とみなされます。カードにスリーブをかける際は、あらかじめカードをシャッフルしておくことをお勧めします。

カードの向きは、必ずそろえておいてください。

9. 対戦結果の報告

大きい大会では、対戦結果の報告は対戦記録用紙(Result Entry Slip)で行います。

各プレイヤーは、必ず先に対戦結果を記入し、それを確認してからサインをしてください。

両方のプレイヤーがサインを行ったら、勝ったプレイヤーが対戦記録用紙を提出します。ただし、スリップにジャッジのサインが必要な場合は、その場で手を上げてジャッジを呼んでください。

両プレイヤー(ジャッジのサインが必要な場合はさらにジャッジ)がサインを行ったら、その用紙に記入された結果は最終決定となります。必ず用紙に書き込まれた内容を確認してから、サインを行ってください。これは非常に重要なことです。

10. 対戦記録用紙の記入方法

対戦記録用紙にジャッジのサインが必要な場合、ジャッジが結果を確認してサインを行うまで、テーブルを離れてはいけません。

マッチが終了したら、各プレイヤーが獲得したゲーム数を、名前の脇の空欄にはっきりとわかりやすく記入してください。

その後、各プレイヤーは両方の結果が間違い無いことを確認して、サインを行ってください。結果を記入する前にサインをしてはいけません。

引き分けになったゲーム数も記入してください。最後までできなかったゲームも引き分けになります。

ジャッジが(ルール説明、デッキチェックなどで)時間の延長を行う場合、その内容はジャッジが対戦記録用紙に記入します。

プレイヤーがトーナメントを棄権(ドロップ)する場合、自分の名前の行の"Drop"の欄に記入を行います。

棄権は、結果用紙に記入した場合のみ認められます。

正しい手順で棄権を行わなかったプレイヤーは、次のラウンドのペアリングに参加することになります。そのゲームに参加しない場合、ペナルティが与えられます。

11. 情報の公開

プレイヤーがジャッジに対して誤った情報を伝えたり、ペナルティを回避する目的で必要な情報を提供しなかったりした場合、不正行為として扱われます。

プレイヤーは、公開情報を正しく相手に伝える必要があります。これには、残りライフ、カウンターやパーマネントの情報、タップされているかどうかなどが含まれます。あるプレイヤーが意図的に相手やスタッフに不正な情報を伝えたとヘッドジャッジが判断した場合、詐欺行為として扱われます。

12. トーナメントからの離脱

プレイヤーがトーナメントから棄権する場合は、結果記録用紙の、自分の名前の"Drop"欄に「Drop」か「Yes」と記入してください。その際に、自分の名前と「Drop」と書いた単語の両方をまるで囲っておくと、はっきり目立ちます。

プレイヤーがスコアキーパーやジャッジに結果記録用紙を提出したら、そのプレイヤーはこのラウンドで棄権することはできません。

トーナメントから離脱するためには、結果記録用紙への記入が絶対に必要です。

結果用紙の"Drop"欄に、間違って何かを書き込まないように注意してください。

13. 投了と故意の引き分け(Intentional Draw)

プレイヤーは、好きな時点でゲームやマッチを投了することができます。

プレイヤーは、好きな時点で互いの了承の元に、マッチを故意の引き分け(Intentional Draw)にすることができます。故意の引き分けの場合は、対戦記録用紙の各プレイヤーのゲーム数と引き分け数の欄すべてに"0"を書込み(0勝0敗0分)、さらに名前のすぐ横の空欄に"ID"と書き込んでください。

14. 紳士的行為

非紳士的行為は、どの種類のDCI認定トーナメントにおいても、断じて認められません。これには、ジャッジに相手へのペナルティを要求する、相手のことを悪し様にののしる、スタッフの指示に従わないなどが含まれます。

対戦相手が違反行為をしていると感じたプレイヤーは、ただちにジャッジに知らせる必要があります。可能な限り早くジャッジに知らせることで、事態を確実に処理することができるでしょう。

15. 上訴

プレイヤーがジャッジの裁定に間違いがあると思う場合、ヘッドジャッジに上訴することができます。

一般のジャッジの裁定が出た後でなければ、ヘッドジャッジへの上訴は行えません。

上訴の際は、現状を理解しやすいように説明する必要があります。

ヘッドジャッジが、プレイヤーが上訴のシステムを悪用していると判断した場合、そのプレイヤーは非紳士的行為でペナルティを受けます。