リミテッド・脱初心者講座
第1回「シールド運ゲーと言わないために」

吉川祐輔

皆様改めましてこんにちは。京都でプレイヤー&ジャッジ&コーディネイター活動をしております吉川祐輔と申します。

4 月の Peak Magic 発足から現在に至るまで、何度か記事を投稿させて頂いていましたが、幸いにも好評だったということで、今回より隔週での連載という形で書かせていただくことになりました。何分未熟な私ですから、至らない点も多いかと思いますが、中級者の私なりの視点で記事を書いていきたいと思います。今後ともよろしくお付き合いください。

プレリリース、あるいは怪獣大決戦

さて、オンスロートのプレリリースはいかがでしたでしょうか。残念ながら参加できなかった方も、多くのサイトから情報が伝えられていることと思います。

私は大阪会場のスタッフとして会場内を駆け回っていたのですが、回が進むにつれ、上位卓ではますますオーバーパワー化するレア・アンコモンをよく目にすることとなりました。

実際にテーブルの反対側にそんな「ゴッドカード」を見たとき、自分より上手いプレイヤーならともかく、プレイングレベル的に同等、もしくはそれ以下の相手には(カードのせいで)負けたくない!と思うのは当然のことでしょう。

今回はそんなときの「ゴッドカードとの戦い方」を書きたいと思います。

辺りを見まわす

まずはカードリストを見回し、真に強力なカードは何かを知ることが先決です。まだの方はじっくりと目を通しておくことをお勧めします。特に、クリーチャーを除去することができるスペルがどの色のどのレアリティに何枚あるか、ゲームエンド・カードとなり得るカードはどのくらいあるか、をチェックしましょう。

強力なレアカードは見つかりましたか?そうしたら、それへの対処法を見つけましょう。いくら強力そうに見えるカードにも、必ず対処法はあるものです。

例を挙げて考えてみましょう。

戦慄をなす者ヴィザラ/Visara the Dreadful(ON)

6 マナ 5/5 飛行、タップだけで対象のクリーチャー(黒くともよい)を破壊する能力を持ったレジェンドです。これがのさばっているようでは、戦線の構築など望むべくもありません。

では具体的な対策を、より低いレアリティで考えてみましょう。まずはいつもの通りコモンから。

直接的なクリーチャー除去を考えたとき、3 点火力の陽光の突風/Solar Blast(ON)や 4 点の狙いすましたなだれ/Pinpoint Avalanche(ON)では届きません。

ですが、黒にしては珍しく黒いクリーチャー(ゾンビ以外)を対象に取れる残酷な蘇生/Cruel Revival(ON)なら除去可能になります。また、上に挙げた火力も、火花鍛冶/Sparksmith(ON)と組み合わせれば上手くいきます。

また、手札にある間に除去する方法として、憑依された死者/Haunted Cadaver(ON)もあります。アンコモンですが、脅迫状/Blackmail(ON)煙霧の連鎖/Chain of Smog(ON)はより直接的な手段と言えるでしょう。《ヴィザラ》のような「ゴッドカード」は重いことが多いので、手札で待機中に潰してしまうのが有効になるのです。

対策が直接除去に寄ってしまいましたが、青なら(これまたアンコモンですが)紛糾/Complicate(ON)》《まごつき/Discombobulate(ON)といったカウンターを狙いすまして浴びせれば良いでしょうし、緑なら機能する前に戦闘トリックで踏み潰していくことになるでしょう。「変異/Morph」ギミックも効果的になります。前述の通り、「ゴッドカード」は重いですから、出現前に上手く優位な戦線を作っておければベストです。

注意すべきなのは、このような高い対処能力を持ったスペルを安易に使ってしまわないことです。《ヴィザラ》が出てきたとき、虎の子のスペルが墓地にあっては何の解決にもなりません。もちろん、引っ張りすぎて使い時を逸するのも良くないのですが、せっかちな人は一呼吸おいて考えてみるなど、自分の普段の癖を見極め、スペルの「旬」を逃さないようにしたいものです。今回の記事の肝はここです。

ドラフトにて

GP 宇都宮、及びその後に続く PTQ シーズンでは、勝ち進むとロチェスター・ドラフトが待っています。読者の皆様方の中にはロチェスターをプレイされたことがない方もいるかもしれませんが、時間に余裕のある時には是非お勧めしたいフォーマットです。

そのロチェスターにおいては、全てのプレイヤーのピックしたカードは公開情報です。ということは、誰のデッキに何が入っているかは、かなり高い精度で推測できるわけです。普通のブースタードラフトでも似たようなことは言えるのですが、大抵の場合最初に対戦することになる対面のプレイヤーのピックが分かっているのは非常に大きいと言えます。

そこで上に書いたようなことを思い出すのです。対面に強力クリーチャーが行ったのなら、タッチ色に対策除去を加えてみたり、エンチャントメントが厄介だからメインに啓蒙/Demystify(ON)を入れたり…云々。自分のデッキを強くするのはもちろんのことですが、相手を見ながら、自分のデッキに欠けたるものを補充していくのも、この場合重要なのです。どこかで聞いたような台詞で表現するなら、大事なのは「敵を知り、己を知る」ことといったところでしょうか。

でもやっぱり

負ける時は負けるものです。相手の方がカードパワーが高いのなら、それは当然のこととも言えます。

ですが、決着がついたそのとき、腹を立てたりせずさわやかに「ありがとうございました」と言うためにも、最善と思えるプレイが必要だと考えます。

逆に、ミスをしてカードパワーだけで勝てても、結果に慢心していては何も得ることはできません。得意げになることなど、相手の神経を逆なでこそすれ、その後良い結果を生むことなどないのです。

よく聞く、「マジック運ゲー」などという台詞は、本当に努力を重ねた人しか言ってはいけない台詞だという意見には、全くもって賛成です。実を言うと私自身、そう言っていた時期もあったのですが、考えてみるとマジックは運だけで決まるゲームでは決してありません。そう気づいたとき、もう運のせいにするのは止めました。全ては自己責任です。第一、カードのせいにしていては楽しくないでしょう? それよりもそこから何かを得ようとする方がずっと建設的です。

結果は二の次です。あなたが満足行くプレイができたか、次回につながるプレイができたか、それこそが重要なのです。

もし強いパックに当たったのなら、幸運に感謝し、普段よりも更に細心の注意を持ってプレイすべきでしょう。しっかり準備をしてきた方なら、自分のデッキの勝ちパターン、その主力たるカードの弱点も把握済みのはずです。序盤、中盤、終盤に、しっかりとしたプランを持って戦いに臨みましょう。程よい緊張感は、最高の結果を生みます。

これから始まるリミテッド・シーズン、皆様が楽しい時間を過ごされることを祈念して今回の締めくくりとします。

GP 宇都宮でお会いしましょう。

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