デッキ構築の色覚補正

小堺透雄

皆さん、はじめまして。…ではありません。

今回から連載記事を担当します、無頼雲こと小堺透雄です。埼玉を中心に関東で活動しています。みやけんさんからの提案もあり、連載は HN ではなく本名でやっていく事にしました。連載記事の方は、過去の投稿と同じくスタンダードを中心とした構築戦の分析とメタゲームの考察をメインに取り上げていく予定です。

そんな訳で、堅苦しい挨拶はこのぐらいにしておいて、早速本題に入りましょう。

はじめに

いきなりですが、今のこの時期はスタンダードのデッキが非常に組みづらい時期にあります。

GP 宇都宮を控えてのリミテッドと冬の代名詞とも言えるエクステンデッドが待つ中で、12 月末の Finals まで間のあるスタンダードに対して、特にプレミアイベントを志すプレイヤーはテンションを維持するのが難しくなっているかと思います。

しかし、ブロックの入れ替えという転換期に構築戦を楽しまない手はありません。まず第1回の今回は、インベイジョンブロック落ちに伴ってのこれまでの有力デッキの戦力分析と、新たなデッキの可能性について、色を基調にして簡単におさらいする事にします。

色覚補正

まず、これまでの構築戦で主力を張った3色デッキが光を失う所から始まります。

それはトレンチ・青緑タッチ赤・タッチ赤サイカトグ・ディードトグなどがそれに当てはまります。それぞれ対抗色のダメージランドとマルチカラー(分割カード)のキーカード、さらに嘘か真か/Fact or Fiction(IN)を失い、デッキそのものの形態を維持する事が出来なくなります。

OD のフィルターランドや、新たなフェッチランドや大闘技場/Grand Coliseum(ON)を使って活路を見出したい所ですが、オンスロートのカードを眺めていくと現状これらのデッキの穴を埋められる優秀なカードは見当たりません。つまりデッキ構築はこれまでの 3 色から、今後は 2 色以下を基本線とする事をオンスロート(以下 ON)は求めておりそれに伴う色覚補正がまずデッキビルダーに必要になってきます。

特に「トリコロール」や「青緑+赤」の様な対抗3色のデッキは、今後は逆風である事は間違いありません。

しかし、3 色デッキが完全に無くなるかというとそういうわけでもありません。パーミッションと言う形を捨ててターボスレッショルドを目指す狩猟場/Hunting Grounds(JU)デッキや、ミラーリの目覚め/Mirari's Wake(JU)を使ったコンボデッキなどには可能性が残されています。マナ供給をいかに安定させるかが課題として残りますが「カードを引く」デッキを中心にトーナメントに残ってくると思います。

前スタンダードの有力デッキから考える

結局、大きく 2 極化して幕を閉じる事になる前スタンダード。サイカトグ VS 青緑。

この 2 大勢力に敵うデッキは皆無で、特にサイカトグは長い期間スタンダードの王として君臨してきました。しかし、《嘘か真か》夜景学院の使い魔/Nightscape Familiar(PS)排撃/Repulse(IN)という参謀を失った裸の王様は、次期スタンダードでの苦戦が必至です。サイカトグ/Psychatog(OD)自身も、終止/Terminate(PS)以外の黒いインスタントでは除去されないという強みがありましたが、燻し/Smother(ON)の登場によってその存在意義が危ぶまれています。

果たして《サイカトグ》で攻めるのか、それとも再びゾンビの横行/Zombie Infestation(OD)が登場するのか。しかし、OBC では激動ゾンビは青緑にやられています。メタゲームの展開次第でしょうか。

一方の青緑は、失った物と言えばヤヴィマヤの沿岸/Yavimaya Coast(AP)ぐらい。主力のほとんどが OD ブロックで構成されている青緑は大した戦力ダウンも無く環境の移行を迎えました。しかし失う物が無い反面 ON から得る物もほとんど無く、高いレベルでの現状維持といった印象です。

ただ、11 月以降はメタゲームがハッキリするまで青緑を中心に考えて良いと思います。

その理由として、ON がテーマに掲げているカード群から「4 ターン目に出てくる 6/6 飛行」に対処出来るデッキが見当たらないからです。赤単や黒系ビートダウン(ブレイズデッキを含む)、動員令/Mobilization(ON)デッキにしても、テンポかカードアドヴァンテージのどちらかに引っ掛かります。

単純にサイカトグがいなくなったと考えるならば、青緑をメタるデッキは「バーニング・ブリッジ」や、OBC で活躍した青白の「パニッシャー」くらいでしょうか。特に白は ON で更に強化された印象のある色なので、これからの構築で台風の目になっていく事は間違いないでしょう。

新たなデッキ

駆け足で解説していきましたが、まずデッキを作る前にこれだけの事は抑えておこうというポイントだけおさらいしてみました。具体的なデッキ構築方法や主力になりうるデッキのレシピは次回以降(なるべくインビテーショナルの前までにはw)に順次掲載していこうと考えています。なにせ世界のトッププレイヤーが考えたデッキが一気に 16 個出てくる訳ですし。それらも踏まえた解説をインビテーショナル以降に進めていこうと思います。

で、11 月を迎える、と。

では、最後に調整中のデッキレシピを紹介して今回は締めにしたいと思います。かつての「アデプト・グリーン」の新スタンダード版、エンチャントレスビートダウンです。サイドボードはまだ流動的なので割愛します。

実は現在 GP 宇都宮の練習に手一杯でスタンダードまで回っていません… GP が終わったら本格的にデッキ調整を始めますので、次回以降もよろしくお願いします。それでは皆さん、宇都宮でお会いいたしましょうw

Enchantress Beatdown
Main Deck
3 極楽鳥/Birds of Paradise(7E)
4 野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)
4 遊牧の民の神話作家/Nomad Mythmaker(JU)
4 新緑の女魔術師/Verduran Enchantress(7E)
4 藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper(JU)
2 栄光/Glory(JU)

4 繁茂/Wild Growth(7E)
4 象の導き/Elephant Guide(JU)
4 女魔術師の存在/Enchantress's Presence(ON)
3 神話的体形/Mythic Proportions(ON)
2 浮揚盾/Floating Shield(TO)
1 独房監禁/Solitary Confinement(JU)

7 森/Forest
2 平地/Plains
4 低木林地/Brushland(7E)
4 吹きさらしの荒野/Windswept Heath(ON)
3 サングラスの大草原/Sungrass Prairie(OD)
1 ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery(JU)