先週末、グランプリ宇都宮が開催されました。
このような記事を書かせてもらっている身でありながら、4 勝 4 敗の初日落ちという箸にも棒にもかからない成績を残してしまった私ですが、後悔はあまりしていません。
もちろん、京都から宇都宮まで出掛けるのにかかった費用や時間、それまでの意気込みを考えると、満足行く成績ではなかったのは間違いありませんが、この遠征で得たものは少なからずあったと考えています。
今回の記事では、「失敗から学ぶ」ことをテーマに、私なりにGPを振り返ってみたいと思います。
4 日(金曜日)に私の家にオンスロートのパックが届いてから、その週末はドラフトの練習に明け暮れていました。人数の関係上、4 人ドラフトをしていたのですが、その過程でカードの強さを肌で知り、この環境の基本となりそうなものを見つけ出していきました。
中でも、「赤黒ゴブリン・システム」とでも言うべき超速攻型の赤黒の強さは一際際立つもので、これは信じるに値するだろうというのがその時点での結論でした。
しかし、シールドではそこまで統一性のあるデッキはなかなか組めないという事実に気がつきました。純粋に 2 色で組むことすら難しい世界では、赤黒は強さが薄れ、弱さが際立つものになってしまっていたのです。
そこで、さらに考えを進めていた結果、シールドでは大きさ・安定性の緑に赤または黒の除去を加えた構成が良いとの結論に達しました。
構築用のパックが配られた後、しばらく私は悩んでいました。
まずは実際に構築したデッキと、その他の考慮すべきカードをご覧下さい。
青はデッキにならず、《動員令/Mobilization(ON)》と兵士の白は今一つ押しに欠け、ゲームを決める爆弾カードは《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ON)》くらい。その緑と《死の脈動/Death Pulse(ON)》 2 枚を擁する黒がメインカラーになることははっきりしていました。しかしやや弱い赤に《焦熱の火猫/Blistering Firecat(ON)》《火花鍛冶/Sparksmith(ON)》といった優秀カードがあり、これを加えるかどうかが焦点でした。
果たしてより良いのは 2 色なのか、3 色なのか?
実際には安定性を優先して 2 色で組むことにしたのですが、そうする方が全 8 回戦(実際には 1 不戦勝を差し引いて 7 回戦)を勝ち抜くには適しているとの考えが大きな理由でした。
しかし、結論から言うと、その決断は間違っていました。その理由は後述します。
不戦勝明けの 2 回戦を《ケンタウルスの地/Centaur Glade(ON)》で制した直後の 3 回戦、2 枚の《賛美されし天使/Exalted Angel(ON)》を擁する対戦相手に土地事故もあって勝利します。しかし記憶には、ゲームを決める《天使》のイメージが強く焼き付いてしまっていました。それがその後の戦いに大きく影響していくことになります。
続く 4 回戦、白黒デッキに上手くテンポを取られとんとんと敗北してしまいました。これといったゴッドカードを見なかっただけに、見当たらない敗因を追ってしまうこととなり、リズムが狂いだしました。
もう負けることが許されない状況を認識したとき、「敗北への恐怖」はそのまま「ゲームを決めかねない変異クリーチャーへの恐怖」へと変わっていったのです。
5 回戦、1・2 本目とも《水銀のドラゴン/Quicksilver Dragon(ON)》が早期に降臨して手も足も出ず敗北。これで 2 日目進出の目はほぼなくなりました。レアのせいといえばその通りかもしれませんが、この 5 回戦から、プレイングが冷静であったとはとても言えない有様でした。
オンスロート・ブロックのリミテッドでは、どの対戦相手との対戦でも必ず変異クリーチャーが登場します。そのため、前の対戦の記憶、言うなれば「変異の影」を引きずりやすい状況にあるわけです。そうなると「気持ちの切り替え」が非常に重要になってきます。私はそれができませんでした。
そのままずるずると敗退していくことになります。
そして最終 8 回戦、信下淳氏と対戦することになりました。氏もパック運に恵まれず、この位置でグランプリを終えることになっていたのです。
「サイドボードの戻し忘れ」という、私のつまらない凡ミスもあり、あっさりと勝負はついたのですが、終了後、デッキ構築についての貴重なアドバイスを頂くことができました。
氏と岡本尋氏の研究によると、グランプリを勝ちぬくにはパワーカードが必須で、無理してでも入れるべきとの結論が出ていたそうです。特に変異クリーチャーについては、「表にならなくて当然、上手く変異コストが払えたらラッキー」ぐらいで構築する方が、過酷なグランプリの 1 日目を制するためには良かったのです。
そのアドバイスを参考に、私のデッキを再構築してみました。
また、私は事故を避けるためずっと後攻を選んでプレイしていたのですが、この環境においては、3 ターン目に変異クリーチャーを出し合った後の 4 ターン目の攻防を有利に進められることにより、先手のアドバンテージが大きく、絶対に先手を取るべきだとの言葉を頂きました。
相当な練習量を積み重ねてきたという岡本・信下両氏は、練習法も工夫されていました。「Fireball 式練習法」とでも名づけるべきそれの一部を紹介しましょう。
まずは普通にシールドデッキを構築し、練習します。シールド戦トーナメントに出たパックを使うのも良いでしょう。その後、その中で最強と思われる色を除いた、4 色でデッキを再構築してみるのです。こうすることで、カードパワーが弱かったときの構築法を学ぶことが出来ますし、なにより 1 回分のパックで 2 回の練習をこなすことができます。もう 1 色抜いて、3 色でやってみるのも良いかと思います(かなり厳しいデッキになるでしょうが…)。
シールドデッキ同士で対戦していると、デッキパワーがほぼ同じということは少なく、どうしても差がつきやすくなってしまいます。そこで、ライフ 25 対 15 でスタートするとか、強い方が常に後攻を取る(これは、先述した先攻絶対有利の理論によります)といったハンデをつけて練習します。そうすることで、ライフで窮地に追い込まれたときの戦い方やカードパワーに差のあるときの戦術を効率良く学ぶことができます。
シールド戦を含め、リミテッドの練習はお金がかかると敬遠されがちですが、工夫すればいくらでも練習は出来るのだということを、改めて思い知らされた次第です。
シールド戦のパックに偏りがあるのは仕方のないことです。実際、このグランプリでも、参加者の 9 割以上、618 人もの選手が初日で涙を飲むことになったのですから。
でも、パックは応えてくれないかもしれないけれど、結果は出ないかもしれないけれど、遠征で得た経験や人とのつながりは決して裏切らない、そう思います。だからこそ、一戦一戦を大事にしていきたいものですね。
良い遠征だったと思っています。対戦した皆様、話をしていただいた皆様に、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。またどこかでお会いしましょう。
今回もお読み頂き、ありがとうございました。
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ではまた再来週。