本当はマジック・インビテーショナルが終わる前に書き上げたかったのですが。
さて、今回は前回の続編の新スタンダードのデッキ紹介と、新環境の傾向と対策を少しお話しましょう。
今回はオンスロートに限らず新環境に移行する際に、ポイントとして押さえておくと未知の環境でもしっかりテーマ付けが出来たデッキを構築出来るのでは、という内容を簡単にまとめました。
まぁ「知っとくと楽」ぐらいの程度ですが。
さて、件のインビテーショナルの中で新スタンダードのフォーマットがありました。
おそらく 11 月からの大会では、これらのレシピを参考としたデッキで「様子を見に来る」プレイヤーと独自路線を追求して「ネタバレ前に暴れに来る」プレイヤーとで大きく分かれると思います。
既に非公式での大会は各地で開催されている様で、その中で「赤バーン」「黒コントロール」「動員令」「青緑」などの前評判の高いデッキが結果を出しています。こうした結果を受けて、新環境のデッキの作り方を考えてみましょう。
まず、上に挙げたデータだけではメタゲームの流れを完全に掴むのは不可能です。
この時期にどんなに考え込んだとしても、やはりどんなデッキが出てきてもおかしくない状況。環境の節目では何を出されてもとりあえずカウンターが出来る「青」を選択するプレイヤーが多いというのがこれまでの定説であり、今回もまた例外ではないと考えています。
そういった中で「動員令デッキ」や、キャントリップと《企業秘密/Trade Secrets(ON)》を多用する「新サイカトグ」はある程度の計算が立ちます。特に「動員令」の方は隆盛の時期としては《不可思議/Wonder(JU)》が抜けてからだと思っていただけに、これだけ早く出てきたのはやはり「環境の変わり目の青いデッキ」だからでしょう。
最終的に、不確定な要素が多い環境下ではコントロールデッキはより手広く構え、ビートダウンデッキはより先鋭化して対応される前に相手を倒すという構成が望まれます。…言うのは大変に簡単ですがw。
では、具体的にどうするのか?
ここで気を付けなくてはならないのが「器用貧乏」なデッキにしない事です。ある程度の対策カードをデッキに積んだ上で、高いポテンシャルを維持しなくてはなりません。つまりデッキとしての動きが見えない構成だと厳しいという事につながります。
理屈だけで究極を言うと「5 色防御円デッキ」が最強デッキなのかも知れませんが、これはデッキとして回りません。かなり極端ですが良い例かと思います。
デッキの形態を維持して対策をするデッキが望まれる形。今は「願い」という便利なスペルがあり、これを活用出来るデッキは最大限活用すべきであるというのが考えです。
そして「願い」とほぼ同等の働きをするカード、それが「教示者」です。これらの理由付けを踏まえまして、まずは「手広い」黒コントロールデッキの紹介です。
デッキに 1 枚ずつのパーツが数枚投入された黒コントロールデッキです。
必要に応じて《汚れた契約》《魔性の教示者》でキーカードを探し、不要ならば《アンデッドの剣闘士》で回してしまえばいいという構成になっています。新環境がクリーチャー主体の世界である事はとりあえずわかっていますので、デッキ選択としては充分あり得ると思います。
また、各種《防御円》などに対しては《激浪の複製機》が役立ちます。またライフの損失が必要な状況下では『種族:クレリック』を選択したトークンを《星明りの聖域》で飛ばしてしまえばゲームエンドです。状況に応じて 1 枚だけ入っている《汚れた原野》で回復を選択する事も可能です。後は基本的にはこれまでの黒コントロールデッキと動きは大差ありません。
しかし、これに限らずギミック満載な「蜘蛛の巣」デッキと呼ばれるものには、「ギミックの部分だけ引いてきちゃいました」という状況や、上手くサーチカードと噛み合わない瞬間も度々出てきます。これはもうこの手のデッキの宿命とあきらめるしか無く(いや、本当に)、考えられる限りのデッキを考えてサイドボードを調整するのが前向きかと思います。
次は先鋭化したデッキです。
ここで勘違いしてはいけないのが、先鋭化しているからといって相手がいない訳ではないという点です。
わかりやすく言いますと、「ただ殴るだけのデッキを作っても勝率は上がりませんよ」という事です。
青緑マッドネスが良い例でしょうか。もし青緑マッドネスが《堂々巡り/Circular Logic(TO)》もバウンスも引き増しも無く、ただ殴るだけのデッキであったならばここまでの安定感と実績は誇れなかったでしょう。
つまりデッキのスピードに乗せた上で、ある程度の妨害手段を用意しない事には高い勝率のデッキは組み上がらないと。こういうワケです。
ではどうするかと言いますと、「手札・土地・クリーチャー」のどれかを縛れないと相手との相対的なスピードは維持出来ません。それは《強迫》であり《略奪/Pillage(7E)》であり《霊気の噴出/AEther Burst(OD)》だったりもする訳ですが、デッキとの相性も良く根本的解決になるカードが投入されたデッキが以前から存在はしていました。
このレシピを見て、古いプレイヤーの方は「コリアン・ハンマー」が浮かんだと思います。
デッキの「先鋭化」の部分はメインのフルバーンの構成が担当し、「相手を見る」部分は《罠の橋》とサイドボードがそれぞれ担当します。
緑のカードが入っているのは ON で導入されたフェッチランドによる所が大きいです。これによって安定してサブカラーをデッキに持ってこれるようになり、赤いデッキでありながら ON 環境下で強化されたエンチャントに対して対抗手段を得る事が出来ます。また《戦争の言葉》はカウンター出来ない火力である点も注目です。
弱点はこれまでと同じく、対青緑やサイカトグの《激動/Upheaval(OD)》がネックです。また青緑も間違い無く《帰化》を積んでくるでしょうから、サイド戦は更に厳しいものになると予想出来ます。
なんにせよ、先鋭化したデッキの最低限の仕事は 1 本目を確実に取る事です。
では今回は最後に独自路線デッキを。
まだまだ実験段階ですが、コンボデッキというものを久しく回していなかったのでとりあえず楽しい。と、いうのが素直な感想です。
むしろ《サファイアの大メダル/Sapphire Medallion(TE)》《直観/Intuition(TE)》や各種ピッチカウンターなどがあるエクステンデッドでこそ可能性のありそうなデッキかも知れませんが。
まもなくシーズン開幕ですし、今後はエクテンもやっていくとしましょう。
回し方は見ての通り、偏頭痛ロックです。ひたすら引き増しとバウンスを撃ち続けてロックを掛けるのが勝ち筋です。デッキとしては「ブルー・バイス」に近いでしょうか?
サイドチェンジでは「激動ゾンビ」に変更というのを現状では考えていますが、まだまだ流動的です。叩き台にするには充分に面白いデッキですので、構成要素をさらに詰めていこうと思います。
新環境デッキの構築時のジレンマとして、新しいカードが入ってくるとつい過去のカードを忘れがちになります。例えば基本セットには ON のテーマの「種族」カードが多数含まれていたりと、いろいろ面白い再発見があります。
そこで次回は、新環境で話題のデッキタイプをちょっと違った視線で見てみようと思います。その他、デッキレシピも例によっていくつかご用意いたします。
それでは、また次回に。