PTQ Houton サーキットの最終戦、そしてオデッセイブロック構築(OBC)の総決算となる名古屋予選は、遠征組を多数含めた 123 人が参加。上位2名に与えられる PT への権利を争い、名古屋国際会議場にてスイスドロー7回戦で行なわれた。
この記事では、ジャッジから見たトーナメント・レポートをお送りする。
当日のデッキ分布は以下のとおり。
| デッキ | 使用者数 | Rate% | 成績15pts以上 |
|---|---|---|---|
| 青緑系 | 41 | 33.3% | |
| U/G Madness | 21 | 17.1% | 2 |
| U/G Threshold | 8 | 6.5% | 4 |
| U/G Flashback (Quiet-Roar) | 12 | 9.8% | 3 |
| 黒系 | 31 | 25.2% | |
| Black Control | 16 | 13.0% | 3 |
| Black Braids | 5 | 4.1% | 1 |
| B/U Braids | 8 | 6.5% | 1 |
| B/R Braids | 1 | ||
| B/G Beat | 1 | ||
| 流行 | 31 | 25.2% | |
| W/G Beat | 12 | 9.8% | 2 |
| W/U Punisher | 8 | 6.5% | |
| B/U Zombie-Upheaval | 11 | 8.9% | 1 |
| コンボ | |||
| Solitary Confinement | 1 | ||
| Mirari's Wake | 3 | 1 | |
| Test of Endurance | 1 | ||
| Hunting Grounds | 1 | ||
| その他 | |||
| R/G Stroid | 4 | ||
| R/U Cephalid Constable | 1 | ||
| R/B Flashback | 3 | ||
| R/B Zombie-Burn | 3 | ||
| R/B Dwarf | 1 | ||
| R/W Beat | 1 | ||
| Red Burn | 1 | ||
| TOTAL | 123 | 100% | 18 |
青緑と黒系で全体の 60 %を占めた一方、白緑が 12 名と数多く見られた。黒コントロールは、一時期の隆盛に比べるとさすがに数が減っている。
今回の分類では、共鳴者(《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》《アクアミーバ/Aquamoeba(TO)》)の枚数と、マッドネス呪文(《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TO)》など)の枚数、そして《触媒石/Catalyst Stone(OD)》の有無を考慮して、U/G Madness と Flashback を分類しているが、実際にはこれらのデッキの大半が Quiet-Roar エンジンを搭載している。
6回戦終了時点で全勝者が0人となり、16 点が3人、15 点が9人もいる状況となった。15 点の全員にチャンスが残されているものの、ID するか戦うか、非常に判断が難しい状態であった。
16 点の中村 宏也、中嶋 久智は早々に ID を選択。
残る 16 点の一人、浅野 誠(U/G Madness)は 15 点の野瀬 康二(Zombie-Upheaval)との対戦となった。決勝進出をかけたマッチは、1戦目は野瀬の土地事故により浅野の勝利。2戦目は野瀬が圧倒的なドローアドバンテージをもって勝ち、1-1 とする。そして3戦目、浅野は《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TO)》と《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)》のビートダウンで、決勝1位進出を決めたのである。
15 点同士の八木 敬史(Mirari's Wake)−田中 じゅんいち(Black Control)、小宮 忠義(U/G Threshold)−林 宏樹(U/G Flashback)の4名は、1ゲームを行った後、ID を選択。
そして、この4名のうち決勝へコマを進めたのは、八木、小宮、林の3名であった。
R6の時点で 15 ポイントの下位1,2番目で、Opp% も同率であった林と田中だが、上位陣のガチンコの合間をぬってランクアップ。さらには Opp% の変動もあり、林がトップ8にギリギリ滑り込んだ。田中はわずか3%の差で、決勝進出を逃した。
黒コントロールの全滅。PTQ 名古屋は、このような結果となった。そして、緑を使うプレイヤーは7名も残ったのである。
質・量とも随一を誇る緑、それに対する手段も持つ緑。他の色は、緑のクリーチャーを支えるための補助に過ぎなくなったのであろうか。
準々決勝は、青緑同士がつぶし合い、白緑がそれぞれ Braids、Mirari's Wake と当たる組み合わせになった。
加藤−八木の対戦は、1戦目は八木が順調に土地を並べ、《ミラーリの目覚め/Mirari's Wake(JU)》から《ワームの突進/Crush of Wurms(JU)》へ繋げて勝利。しかし2,3戦目は加藤が一気に連取した。特に3戦目、八木は手札に《カーターの怒り/Kirtar's Wrath(OD)》を持ちながらも、加藤の場にある《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper(JU)》の存在を気にするあまり、プレイしないまま敗れてしまった。
浅野 1-2 林 中嶋 2-1 中村 加藤 2-1 八木 野上 0-2 小宮
このマッチの勝者に、PT Houston の参加権が与えられる。
準決勝の中嶋−林の対戦は、1戦目は《栄光/Glory(JU)》によって中嶋の先取。2戦目には《セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress(TO)》+《現実の修正/Alter Reality(TO)》コンボで中嶋のクリーチャーを抑えた林が取った。
そして3戦目、ただ1枚の《司令官イーシャ/Commander Eesha(JU)》が5ターン目に登場すると、これが淡々と攻撃を続け、ゆっくりと中嶋の勝利が決まったのである。
加藤−小宮戦は、加藤が2連勝をあげ、PT の権利を得た。
中嶋 2-1 林 加藤 2-0 小宮
残ったのは WG Beat 同士。最後に頂点に立つのはどちらか?
1戦目、双方ともマリガンスタートとなった。《栄光/Glory(JU)》が墓地に落ちず、真正面からの殴り合いとなる。
《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》+《象の導き/Elephant Guide(JU)》、《拒絶魔道士の代言者/Spurnmage Advocate(JU)》、《日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)》を並べる中嶋。《尊大なワーム/Arrogant Wurm(TO)》、《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)》、《野生の雑種犬》で攻める加藤。この対決は、トータルのサイズで勝る加藤が殴り勝った。
2戦目は一方的展開だった。加藤の《雑種犬》のディスカードが《ルートワラ》《ワーム》《栄光》のテンパイ状態。
2戦あわせてわずか 10 分。加藤が優勝を飾ったのである。
クリーチャー除去不在の OBC 環境。マナカーブを無視した大型クリーチャーが、空を飛んだりプロテクションを得たりして、ブロックができないという状態。これに対する最後の答えが、《濃霧/Fog》となってしまった。
明らかな時間稼ぎでしかないはずのこのカードが、決勝卓に 15 枚も存在することに対して、皆さんはどう思われるだろう?
予選ラウンドでも、不用意に全クリーチャーで攻撃を仕掛け、《一瞬の平和》されて逆転される、というシーンをよく見かけた。準決勝の加藤−小宮戦においては、小宮の《敏捷なマングース/Nimble Mongoose(OD)》×2、《熊人間/Werebear(OD)》×2が攻め立てる中、加藤は2枚の《平和》で時間を稼ぎ、《栄光/Glory(JU)》によって逆転勝利した。
クリーチャー戦がより難しくなった、といえば聞こえはいいが、筆者としては、根本的な解決になっていないこの状態に、物足りなさを感じるのである。
ジャッジメント登場時から、このエンチャントメントを使った大量マナデッキが存在していたが、ここに来てトーナメントのトップ8を獲得するに至った。
その影には、やはり《一瞬の平和》の存在が関わっている。Black-Control およびサイドチェンジした Braids が緑青の物量戦に破れ、窒息戦術が衰退した現在、クリーチャーの暴力に対処する手段があれば、この重マナデッキが生き残る道が開けた。その答えが《カーターの怒り/Kirtar's Wrath(OD)》であり、《一瞬の平和》であった。
八木のデッキにはこの2種類のカードが計7枚投入されている。序盤には脆さも見受けられるが、場を掌握してからの強さはずば抜けていた。
ここからは運営面から見た感想を。
今回は大きなペナルティもなく、デッキリストの不備も1名のみ(Illigal Sideboard-List)と、非常に素晴らしい状態。延長時の極端な長考や Slow Play も少なく、PTQ トーナメントに対する、プレイヤー諸氏の意識がとても高くなっていると感じた。
ジャッジとしては、この状態を維持すると共に、ジャッジとしてもプレイヤーに劣らず、意識向上に努めたいと思っている。
この PTQ の翌週には、いよいよオンスロート・プレリリーストーナメントが行なわれます。環境がクリーチャー主体となっている昨今、昔からのプレイヤーとしてはハンデス、火力の復権を期待して止みません。
それでは、ありがとうございました。ご意見、ご感想をお待ちしております。