OBC徹底研究2 〜ビートダウンデッキ編〜

すれいと

JU発売から1ヶ月が過ぎ、だいぶカードにも馴染んできた頃だと思います。今の時 期だと、皆さん7月からの 新スタンダード・OBCと、調整に余念が無い事と思います。さて、今回は前回に続い てOBCのお話です。前回 分で紹介し切れなかった数々のデッキを、サンプル用のレシピと共に解説を加えてい こうと思います。

今回のメインは「ビートダウン」デッキ。ダメージレースを展開するデッキが、こ の限定環境ではやはり主軸に なると思い、まずはそこに焦点を絞ろうと思います。

その中でも、活躍が予想される「願い」に特に注目してみました。

青緑系

前回の記事でも構成については触れましたが、やはりOBCのメタゲームの出発点は 青緑で間違いなしでし ょう。《物静かな思索/Quiet Speculation(JU)》によるサーチ能力、《生ける願い /Living Wish(JU)》のインカーネ ーション発掘能力。スピード・サイズ・ドローサポート。どれをとってもこの環境で 随一の実力です。

同型対決が多くなりそうな状況下で《クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)》の注目が集まっています が、さらに一歩進めた《地の封印/Ground Seal(OD)》も無視出来ない勢力です。さら に進めてエンチャント対策 カードをサイドボードに用意すべき状況も予想できます。

《物静かな思索/Quiet Speculation(JU)》で引っ張ってこれる《天啓の光/Ray of Revelation(JU)》か、《生け る願い/Living Wish(JU)》で出せる《ドルイドの抒情詩人/Druid Lyrist(OD)》と いった所が有力候補でしょう。

なお《物静かな思索/Quiet Speculation(JU)》は相手に対しても使えるという事を 覚えておくと楽になる展開 もあります。

サンプルデッキ UG Beat
Main Deck Sideboard
4 日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)
4 野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)
2 呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur(OD)
4 幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)
4 ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)
2 不可思議/Wonder(JU)

4 物静かな思索/Quiet Speculation(JU)
4 霊気の噴出/AEther Burst(OD)
2 リスの巣/Squirrel Nest(OD)
4 堂々巡り/Circular Logic(TO)
3 生ける願い/Living Wish(JU)

11 島/Island
11 森/Forest
1 セファリッドの円形競技場/Cephalid Coliseum(OD)
3 種蒔き時/Seedtime(JU)
3 クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)
2 方向転換/Divert(OD)
1 天啓の光/Ray of Revelation(JU)
1 地の封印/Ground Seal(OD)
1 不可思議/Wonder(JU)
1 起源/Genesis(JU)
1 ドルイドの抒情詩人/Druid Lyrist(OD)
1 セファリッドの女帝ラワン/Llawan, Cephalid Empress(TO)
1 森を護る者/Sylvan Safekeeper(JU)

赤緑系

ステロイド系のデッキ。JUから《幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)》が加 わって、ようやく主砲が出 て来たのですが、課題はやはり《ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)》の6/6という サイズ。加えて《ラノワ ールのエルフ/Llanowar Elves(7E)》というマナ・ブーストが無い環境で、《物静か な思索/Quiet Speculation(J U)》を擁する青緑に対抗するのは至難の業です。

ここでメインから取れる策としては、《稲妻の波動/Lightning Surge(JU)》《生け る願い/Living Wish(JU)》など のカードだと考えます。《焚書/Book Burning(JU)》を介して6点叩き込める火力は、 コストはやや重いながらも、 環境に対する回答にはなっています。

《生ける願い/Living Wish(JU)》では《ナントゥーコの追跡者/Nantuko Tracer(JU)》や、白まで伸ばせば《根 気強いハンター/Dogged Hunter(OD)》の投入も考えられます。

ともあれ、序盤の展開力では決して青緑に引けを取らない赤緑。メイン・サイドを フル回転させて素早くかつ 柔軟に場を構築していく戦いが求められそうです。

サンプルデッキ ステロイド
Main Deck Sideboard
4 日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)
4 野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)
4 藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper(JU)
4 ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)
4 幻影のケンタウロス/Phantom Centaur(JU)

4 炎の稲妻/Firebolt(OD)
4 焚書/Book Burning(JU)
4 怒鳴りつけ/Browbeat(JU)
3 稲妻の波動/Lightning Surge(JU)
2 生ける願い/Living Wish(JU)

7 森/Forest
5 山/Mountain
1 平地/Plains
4 モスファイアの谷/Mossfire Valley(OD)
3 裂け岩の扉/Riftstone Portal(JU)
2 ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery(JU)
1 サングラスの大草原/Sungrass Prairie(OD)
3 種蒔き時/Seedtime(JU)
3 クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)
3 呪文散らしのケンタウルス/Spellbane Centaur(OD)
1 ドルイドの抒情詩人/Druid Lyrist(OD)
1 ナントゥーコの追跡者/Nantuko Tracer(JU)
1 起源/Genesis(JU)
1 栄光/Glory(JU)
1 根気強いハンター/Dogged Hunter(OD)
1 平地/Plains

青白

OD・TOでは不遇だった白は、JUを得てようやくトーナメントレベルのデッキを構築 できる様になってきました。 ただ、どうしても生物1体1体のサイズが一回り小さくなるので数に頼らざるを得ませ ん。そのあたりは黒コンな どの全体除去に対して課題を残しています。しかし、大型生物に依存しない戦い方は 《霊気の噴出/AEther B urst(OD)》に対して耐性を持っているとも言えます。

《金切るときの声/Battle Screech(JU)》の展開力は随一ですし、システムクリー チャーを駆使して相手防御 陣をこじ開けていくのが基本戦術になっていくでしょう。

対応力を考えると、サイド後の2本目・3本目が真価の見せ所な色の組み合わせと考 えられます。

サンプルデッキ WU Beat
Main Deck Sideboard
3 献身的な世話人/Devoted Caretaker(OD)
4 幻影の遊牧の民/Phantom Nomad(JU)
4 巡視犬/Patrol Hound(OD)
4 遊牧の民のおとり/Nomad Decoy(OD)
4 秘教の十字軍/Mystic Crusader(OD)
4 金切るときの声/Battle Screech(JU)
2 栄光/Glory(JU)

2 強制/Compulsion(TO)
3 聖餐式/Divine Sacrament(OD)
4 霊気の噴出/AEther Burst(OD)
3 綿密な分析/Deep Analysis(TO)

15 平地/Plains
4 島/Island
4 広漠なるスカイクラウド/Skycloud Expanse(OD)
4 被覆/Envelop(JU)
2 朝明け/Morningtide(TO)
2 方向転換/Divert(OD)
3 義務の領域/Sphere of Duty(OD)
2 名誉の神盾/Aegis of Honor(OD)
1 聖餐式/Divine Sacrament(OD)
1 綿密な分析/Deep Analysis(TO)

赤黒

当初、《焚書/Book Burning(JU)》《怒鳴りつけ/Browbeat(JU)》を導入しての赤単 を調整していたのですが、 火力サイズ・スピード共にUGに対して不足気味だったので黒を加えて一発除去と墓地 対策を加えました。

ノン・クリーチャーの構成ですが、ダメージレースで勝つデッキなのでこれもビー トダウンとする事にします。

基本はバーニングブリッジを彷彿とさせるフルバーン。そこに《燃え立つ願い /Burning Wish(JU)》を加えて、 よりアグレッシヴに、より柔軟に戦えるデッキを考えてみました。ここまでで紹介し たデッキ同様、「願い」にか かるウェイトは小さくありません。サイドカードを持ってくるもよし、使い切った ソーサリー火力を補充するもよし。 使い方は様々です。《埋め合わせ/Recoup(OD)》エンジンの活用が鍵になります。

またメインエンジンでもある《触媒石/Catalyst Stone(OD)》は、相手のフラッ シュバック封じとしての機能も大 きく、メタゲームの中での活躍が期待出来そうです。サイドの《鋭い痛み/Flaring Pain(JU)》は幻影生物と《法 の領域/Sphere of Law(OD)》対策。《破砕/Demolish(OD)》は同系と《リスの巣 /Squirrel Nest(OD)》対策です。

《不快な夢/Sickening Dreams(TO)》は、青緑系デッキに積まれると思われる《森 を護る者/Sylvan Safekeep er(JU)》に対する回答として投入してあります。

課題は同系と、対策出来るとはいえ勝率は5割に満たないUGです。まだまだ改良の 余地を残しているという 事でしょう。とはいえ《燃え立つ願い/Burning Wish(JU)》のもたらすアドヴァン テージは計り知れません。

サンプルデッキ BR Burn
Main Deck Sideboard
4 触媒石/Catalyst Stone(OD)

4 無垢の血/Innocent Blood(OD)
2 チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)
4 焚書/Book Burning(JU)
4 怒鳴りつけ/Browbeat(JU)
4 埋め合わせ/Recoup(OD)
4 炎の稲妻/Firebolt(OD)
2 激発/Violent Eruption(TO)
2 降り注ぐ塊炭/Shower of Coals(OD)
4 稲妻の波動/Lightning Surge(JU)
1 悲惨な結末/Grave Consequences(JU)
3 燃え立つ願い/Burning Wish(JU)

12 山/Mountain
6 沼/Swamp
4 シャドーブラッドの尾根/Shadowblood Ridge(OD)
4 巣立つドラゴン/Fledgling Dragon(JU)
2 破砕/Demolish(OD)
2 鋭い痛み/Flaring Pain(JU)
1 チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)
1 墓火/Tombfire(OD)
1 震央/Epicenter(OD)
1 圧服/Overmaster(TO)
1 降り注ぐ塊炭/Shower of Coals(OD)
1 消えないこだま/Haunting Echoes(OD)
1 不快な夢/Sickening Dreams(TO)

黒緑系

デッキバランスを取るのが比較的難しい色の組み合わせ。今回は《ゾンビの横行 /Zombie Infestation(OD)》 を使用したマッドネス+墓地利用デッキです。正直な所、マッドネスデッキをやるな ら青緑の方が強いのですが 、《納墓/Entomb(OD)》エンジンを使ったN.W.O.に近いデッキ構成での多色化の挑戦 というテーマで構築しまし た。黒緑2色でも組めますが、ここでは白も加えた3色デッキの構成です。

ここでも「願い」がキーカードとして活躍します。サイドカードのみならず、《占 骨術/Skeletal Scrying(OD)》でリ ムーヴした生物や《ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery(JU)》も回収出来るな ど、面白い動きを見せます。

あらゆるパーマネントに手を出せる色なので、様々なデッキと互角に渡り合う力は ありますが、パーミッション でもコントロールでも無い構成でありながらやや受動的な展開をする上に、完全に 《納墓/Entomb(OD)》に依存 したデッキなので、序盤にうまく展開出来ないとあっという間にたたみ掛けられる危 険性とは常に隣り合わせで もあります。

サンプルデッキ OBC Junk
Main Deck Sideboard
4 日を浴びるルートワラ/Basking Rootwalla(TO)
4 野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)
4 藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper(JU)
4 ワームの咆哮/Roar of the Wurm(OD)
4 尊大なワーム/Arrogant Wurm(TO)
1 起源/Genesis(JU)
1 栄光/Glory(JU)

4 納墓/Entomb(OD)
2 ゾンビの横行/Zombie Infestation(OD)
4 チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)
3 生ける願い/Living Wish(JU)
2 占骨術/Skeletal Scrying(OD)
1 クローサ流再利用/Krosan Reclamation(JU)

10 沼/Swamp
4 森/Forest
4 サングラスの大草原/Sungrass Prairie(OD)
3 ナントゥーコの僧院/Nantuko Monastery(JU)
1 裂け岩の扉/Riftstone Portal(JU)
3 種蒔き時/Seedtime(JU)
1 ティーロの信者/Teroh's Faithful(TO)
1 ドルイドの抒情詩人/Druid Lyrist(OD)
1 ラクァタスのチャンピオン/Laquatus's Champion(TO)
1 顔なしの解体者/Faceless Butcher(TO)
1 消えないこだま/Haunting Echoes(OD)
1 起源/Genesis(JU)
1 不浄/Filth(JU)
1 栄光/Glory(JU)
1 罪を与えるもの/Guiltfeeder(JU)
1 ナントゥーコの追跡者/Nantuko Tracer(JU)
1 幻影のニショーバ/Phantom Nishoba(JU)
1 裂け岩の扉/Riftstone Portal(JU)

青黒ブレイズ

最後はブレイズデッキです。PT大阪では黒コンの対同系用サイドボードとして活躍 した《陰謀団の先手ブレ イズ/Braids, Cabal Minion(OD)》ですが、スタンダードに近い形にしてソフトロッ クを目指したビートダウンデッ キを構築しました。

4マナから動き始める事の多いOBC環境下では、特に先手での《陰謀団の先手ブレイ ズ/Braids, Cabal Min ion(OD)》は、相手にとって脅威になります。展開はスタンダードと大差ありません が、メタゲームによっては《 激動/Upheaval(OD)》を投入して《イチョリッド/Ichorid(TO)》とのコンボを狙う作 戦も考えられます。

最大の敵はやはり《リスの巣/Squirrel Nest(OD)》です。その為、ブレイズデッキ で無くともエンチャントが壊 せない黒や赤のデッキは《腐臭の地/Rancid Earth(TO)》《破砕/Demolish(OD)》など の土地破壊。青は《オー ラの移植/Aura Graft(OD)》が、デッキのどこかに必須となります。

また《方向転換/Divert(OD)》は、スペルが比較的重いOBCにおいて効果的なサイド ボードになっている点も 注目でしょう。《綿密な分析/Deep Analysis(TO)》《消えないこだま/Haunting Echoes(OD)》などを跳ね返すと 面白いと思います。

サンプルデッキ UB Braids
Main Deck Sideboard
4 ナントゥーコの影/Nantuko Shade(TO)
4 催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend(TO)
4 影魔道士の浸透者/Shadowmage Infiltrator(OD)
4 陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion(OD)
4 よろめく大群/Shambling Swarm(TO)
2 イチョリッド/Ichorid(TO)

2 狡猾な願い/Cunning Wish(JU)
4 チェイナーの布告/Chainer's Edict(TO)
4 霊気の噴出/AEther Burst(OD)
4 腐臭の地/Rancid Earth(TO)

14 沼/Swamp
3 島/Island
4 汚れた島/Tainted Isle(TO)
3 ダークウォーターの地下墓地/Darkwater Catacombs(OD)
4 被覆/Envelop(JU)
2 方向転換/Divert(OD)
2 不快な夢/Sickening Dreams(TO)
2 恐ろしい死/Ghastly Demise(OD)
2 棺の追放/Coffin Purge(OD)
2 処刑/Execute(OD)
1 消えないこだま/Haunting Echoes(OD)

こうして記事を書いている間にも、次々とデッキタイプは生まれています。ここで 紹介したデッキは、既に過去 のものかも知れませんし、これからのデッキである可能性もあります。7月からはPTQ ヒューストン・GP札幌トラ イアルが始まりますので、参加される予定のある方はもう準備に入る時期ですね。こ の記事が少しでもOBC限 定構築にチャレンジする方々の指針になればと思います。

本稿に関するご意見・ご感想等はメールPeak Magic掲示板にてお待ちしております。