リミテッドに強くなろう!〜その瞬間を見極めて〜

吉川祐輔

オデッセイブロックのブースタードラフト戦。自分赤緑、相手白青。

こちら先攻で快調に攻めていた4ターン目、相手が《鏡の壁/Mirror Wall(JU)》をキャスト。

攻勢が止まったのでこちらは《凶暴象/Rabid Elephant(OD)》で対抗したところ、相手は少し考えた後《平地/Plains》を置いてターンエンド…。

良くある光景です。

果たして、この返しのターンで、《凶暴象》でアタックすべきなのでしょうか?

今回は、リミテッドでもその使い方に技術が現れる「インスタント呪文」にスポットを当てたいと思います。

まずはカードを知ることから

普段リミテッドをやり慣れた方なら、すぐにピンと来たことでしょう。白を含む5マナを立たせて待つ…《考え直し/Second Thoughts(OD)》待ちの典型的なパターンです。

マジックという競技、特に使われるカードが多いリミテッドにおいては、「カードを知っている」ことは非常に重要なことです。冒頭の例でも、《考え直し/Second Thoughts(OD)》を知らなかったとしたら、多少不自然さを感じるだけに終わるでしょう。そして、重要なアタッカーを失うことになるかもしれないのです。

ここでオデッセイ・ブロックのリミテッドにおいて良く使われる、コモンのインスタント呪文の例を挙げてみます。

<白>

オデッセイ
《励まし/Embolden(OD)》《考え直し/Second Thoughts(OD)》《避難/Shelter(OD)》
トーメント
《無視/Pay No Heed(TO)》《ほとばしる魂/Spirit Flare(TO)》
ジャッジメント
《狙い撃ち/Guided Strike(JU)》《虹色の断片/Prismatic Strands(JU)》

<青>

オデッセイ
《霊気の噴出/AEther Burst(OD)》《追い返し/Repel(OD)》《中略/Syncopate(OD)》《拒絶の儀式/Rites of Refusal(OD)》
トーメント
特になし
ジャッジメント
《見張り番/Keep Watch(JU)》《忘却の掌握/Grip of Amnesia(JU)》《被覆/Envelop(JU)》

<黒>

オデッセイ
《恐ろしい死/Ghastly Demise(OD)》《苦悩/Afflict(OD)》
トーメント
《やつれ/Waste Away(TO)》
ジャッジメント
《毒の臭い/Toxic Stench(JU)》

<赤>

オデッセイ
《集中砲火/Flame Burst(OD)》《炎熱の突風/Thermal Blast(OD)》《入門の儀式/Rites of Initiation(OD)》
トーメント
《癇しゃく/Fiery Temper(TO)》《大音響攻撃/Sonic Seizure(TO)》
ジャッジメント
《溶岩の投げ矢/Lava Dart(JU)》《鋭い痛み/Flaring Pain(JU)》

<緑>

オデッセイ
《象の待ち伏せ/Elephant Ambush(OD)》《筋力急伸/Muscle Burst(OD)》《リフレッシュ/Refresh(OD)》《一瞬の平和/Moment's Peace(OD)》
トーメント
なし
ジャッジメント
《突然の力/Sudden Strength(JU)》

色の特性と言えばそれまでなのですが、白と緑には戦闘を有利にするスペルが、赤と黒にはクリーチャーを直接除去するスペルが、青には呪文に対するリアクションになるスペルがそれぞれ多く含まれています。警戒するタイミングを考える上でのヒントになるでしょう。

相手を観察する

通常、相当なことがない限り、2色5マナが揃えばクリーチャー呪文をキャスト出来ないことはほとんどありません。そうなると、ここは意図的にしなかった、と考えるのが妥当になるのです。

対戦相手が残した不自然なマナ。土地に手をかけて、考えてやめる、なんてことがあればなおのことです。この他にも似たような状況は多くあるでしょう。それに対し、何らかの意図を読み取る。「嗅覚」と表現することもできる、その感覚を鋭敏にしていけば、最終的に相手の手札を見抜くこともできるのです。

その上で、良く使われるスペルのマナ・コストを覚えておくことは非常に重要です。冒頭の例でも、《考え直し/Second Thoughts(OD)》が5マナでなく6マナだと覚え違いをしていたら、読み取れるものも読み取れなくなるのです。

(だからと言って、実は、4マナしかないから安心して攻撃すると、アンコモンの《懲罰/Chastise(JU)》が飛んできてがっかり…ということも、時にはあるのですが。)

逆手に取る

さて、冒頭の例ですが、赤緑側が攻撃を思いとどまったとしましょう。

実は白青側には《考え直し/Second Thoughts(OD)》はなく、マナの余裕を得てコントロールを確立するのが目的だった…ということも、時にはあるのです。考えてみれば、《考え直し/Second Thoughts(OD)》はドラフトでも貴重なスペルですし、そもそも手札にあるとは限らないのです。要はブラフというやつです。

もう一つ例を挙げてみましょう。

アンタップ状態の3/3クリーチャーがいる状態なのに、対戦相手の2/2クリーチャーが平然とアタックしてきたら…? ここまで読んでくださった皆さんなら、ブロックを思いとどまることになるのではないでしょうか? そして、それこそがアタックした狙いだとしたら…?

カードを知り、相手の手札を推測することは、ここまで述べた通り重要なことです。しかし、それが時には落とし穴になることも、また事実なのです。虚と実を見極め、そういった駆け引きができるようになれば、リミテッドの技術に自信を持っても良いのではないでしょうか。

構築戦での見極め

ここまで書いてきましたが、実はそれほど難しいことではありません。スタンダード構築戦で、手札をたくさん持った相手が《島》を2枚アンタップ状態で残していたとしたら、本命スペルで突っ込んでいくプレイヤーはいないでしょう(場合によってはそれが最善かもしれませんが)。だからと言って《対抗呪文/Counterspell(7E)》を持っているとは限らないというのも同じです。

要は、対戦相手の行動から、手札にあるカードを推測し、そこからとり得る行動のオプションを考えていく。それを自分の判断に活かしていくのです。そして、それをもう少し踏み込んで、「自分ならどうするか、どうしたか」を考えていくことで、プレイング技術は向上していくと思います。

何はともあれ、まずはカードを知ること。10月に『オンスロート』が発売されたときも、インスタント呪文をきっちり覚えていくようにすれば、きっと仲間内でのドラフトをリードできるようになりますよ!

この「リミテッドに強くなろう!」シリーズは、中級者である私が、ここまでステップアップしてきた過程を思い起こしながら、リミテッドの基本的な技術について書いています。ですから、普段ドラフトをバリバリやっているプレイヤーの方々には、少々つまらない内容かも知れません。しかし、これを読んで、リミテッドをプレイしてくれる方が増えたとしたら、それはライター冥利に尽きるというものです。 ご意見・ご感想をお待ちしております。

文責:吉川祐輔
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