リミテッドに強くなろう!〜 "Let's enjoy Pre-Release!"

吉川祐輔

暑かった夏も終わり、季節は秋。そして、新大型エキスパンション「オンスロート/Onslaught」の発売も間近です。皆さんも大きな関心を持っておられることでしょう。

発売に先立ち、今週末に各地で、いち早くオンスロートのカードに触れられる機会となる「プレリリース・トーナメント」が開かれます。そこで、本記事では、このトーナメントを存分に楽しむために、シールド戦の基本事項をまとめてみたいと思います。

リミテッド戦の基本

まずはデッキの内容についておさらいをしてみましょう。

デッキの総枚数は 40 枚以上と規定されていますが、やはりその最低ラインである 40 枚(もしくは 41 枚)がベストです。それ以上多くするのは、質の低いカードを投入することにつながり、良くありません。

デッキの根幹たる土地は 17 ± 1 枚。スペルの平均マナコストにより加減します。15 枚以下にすることもできなくはないのですが、デッキ自体の戦闘力を考えると、低マナ域のカードを投入しすぎるのは考え物です。これについては後述します。

クリーチャーは 14 ± 2 枚が良いでしょう。除去スペルを大量に詰め込んでクリーチャーは 8 体前後という戦術も時には成立するのですが、カードがばらけるシールド戦においてはあまり得策ではありません。残るスペルは 8 枚前後としておきます。

パックを開けたら

実際のシールド戦トーナメントの流れを追っていきましょう。

シールド戦のトーナメントでは、大抵の場合、全プレイヤー着席の後パックのチェックが行われます。カードの強さに一喜一憂するのも良いですが、手早くカードを色別に分けてリストに枚数を書きこんでいきましょう。思ったより時間は少ないものです。

その後、ようやく自分の使うパックがやってきます。合図の後パックを開けたら、まずは全体に目を通しながら、色に分けていきます。この際、明らかに入らないと思われるカードは抜いておくと効率が良くなります。

次に、各色でカードをマナコスト別に分け、バランスを見ます。クリーチャーとその他のスペルはこのタイミングで分けておきましょう。そうした後、高マナ域にしか使えるカードが無く、かつ数が少ないなど、明らかにカードの質で劣る色を排除し、強さとマナバランスを天秤にかけつつカードを選択していきます。3 マナ域が頂点になるように、各色で調整し、使う色を選択していきます。シールド戦の場合、基本は 2 色にタッチ 1 色となります。ほとんどの場合、土地配分は 7-7-3 枚か、8-6-3 枚となるでしょう。

シールド戦の特有事項

思ったより少し重めに

まず、戦況が膠着しやすいことから大型・回避能力つきクリーチャーが重要になります。逆に、低マナ域のクリーチャーは、よほど数が揃っていない限り優先度を下げた方が良いでしょう。もちろん、序盤やられ放題というのも困りものですが…。

「コンボ」は狙わない、「シナジー」は狙う

特定の組み合わせでのみ強いカード(コンボ)は、入れないようにします。構築戦の感覚で、つい入れてしまいがちになりますが、リミテッド、特にシールドにおいては、カード単体の強さが重要です。しかしながら、カードの組み合わせでもともと強いカードがさらに強くなる現象(シナジー)は、構築の段階で頭に入れておくようにします。

3 色も辞さず、土地を整えられるスペルは重要

前述の通り、シールドではある程度カードパワーを優先していった方が上手くいくことが多いです。また、優良カードはどうしても各色に散らばることが多く、2 色にこだわるのはあまり得策とは言えません。3 枚程度の 3 色目を入れていった方が良いと思われます。この際、マナバランスが崩れやすくなりますから、土地を整えられるスペルは重要です。4 色・5 色については、よっぽど多色を生成できるマナソースがない限り、考慮すべきではありません。

相手の「ゴッドカード」対策を盛り込む

昨今のエキスパンションでは、レアカードのオーバーパワー化が進み、せっかく戦線を構築しても 1 枚の「ゴッドカード」で逆転されてしまうこともしばしばあります。そこで、青ならカウンター、黒なら手札破壊、などのピンポイント対策を盛り込むことをお勧めします。容認される損失/Acceptable Losses(OD)などの大型火力も、レアクリーチャー対策の意味でこれに充てることができるでしょう。

特定の相手にしか効かないカードは抜く、特定の相手にのみ効かないカードは入れる

特定の相手にのみ効くカードというのは、常に存在し、決まると嬉しいものですが、あまり夢を見すぎるのも考え物です。2 ゲーム先取のマッチにおいては、サイドボード後のデッキで戦うことの方が多いのですから、そういったカードは 2 ゲーム目からの投入で十分です。同じ意味で、特定の相手にのみ効かない、例えば仮面のゴルゴン/Masked Gorgon(JU)などのデメリットつき強力カードは、積極的に採用するようにします。

プレリリース特有の事象…ブースター 3 パックの存在(カードが 75 枚か、90 枚か)

日本のプレリリース・トーナメントは、トーナメントパック 1 個とブースターパック 3 個の支給で行われます。一方、グランプリをはじめとするほとんどのプレミアイベントでは、ブースターパックは 2 個です。この、カードプールが 15 枚違うことは、デッキの内容にも大きな影響を与え、プレリリースは他のシールドトーナメントよりも強力なデッキが多くなることを意味しているのです。先程挙げたばかりの「3 色理論」ですが、ことにプレリリースにおいては 2 色で組めることの方が多いのかもしれません。

「変異」クリーチャーについて

既に明らかになっている「オンスロート」のメカニズムの一つに、「変異/Morph」クリーチャーなるものが存在します。詳しい考察は次回以降に譲ることにして、ここではシールド戦の構築時に限定して話を進めていきます。

シールド戦では「思ったよりも少し重く」すべきと書きましたが、あまりに重すぎるのも考え物です。そこで、マナバランスを調整する手段として、メインカラーとは別の色の「変異」クリーチャーを 3 マナ 2/2 として投入することも考慮すべきでしょう。その際、「変異」の可能性を完全に消してしまうのではなく、タッチカラーで表にできる手段を用意しておくと良いと思われます。昔、スプラッシュというとスペルが中心でしたが、これからは「変異」クリーチャーを入れておくのがトレンドかもしれません。

また、それを見越して、2/2 に一方的に勝てる 2/3 以上のサイズを持ったクリーチャーを重視して選択していくのが良いと思います。

年に 3 度の「お祭り」を楽しもう!

以上、シールド戦の基本事項を確認してみました。

プレリリース・トーナメントは、他のプレミアイベントとは一味違った、お祭りとも言うべき大会です。プレリリース・カードをもらって早々にドロップしてしまうのも良いですが、見なれないカードに頭を悩ませて、自分の実力を確認しながら、上を目指すのも良いのではないでしょうか。

私は、9 月 29 日(土曜日)、マイドームおおさかにて開催されるプレリリース・トーナメントにジャッジとして参加の予定です。それでは皆様に、楽しい時間が訪れますように。